マスター認定コーチの資格取得のメリットとは?【コーチング】 #65

最終更新日:2022年1月13日

―― 今回は視聴者の方からいただいた質問を谷口コーチにお答えいただきたいと思います。

マスター認定コーチの資格を取得されて良かった事(仕事面)は何でしょうか?

私は去年の10月に会社を退職して、コーチングを仕事として活動しながら、CTIで学んでおります。

やるからにはMCCを目指したいと思っているのですが、実際に取得したことで得られるメリットがあるのかを知りたいです。

というご質問です。いかがでしょうか?

谷口:まずこの質問者の方は、コーチを生業としていく、と書いてありましたよね?会社を辞めて仕事をするっていうことですね。あくまでも「仕事をする」という前提で行きましょう。

なぜかというと、コーチングって日常生活のいろんなところで有効なんですね。

例えば僕は一番最初に、『親子実践会話術』という本を出したんですが、親と子どもとのコミュニケーション、特に親が子どもにかけるコミュニケーションにコーチングを知ってるとすごく有効だということなんですが、この場合はこれは仕事じゃないですよね?親子だから。

なので、この時に別に資格が必要か?っていうと僕は必要でない。

無くてもあっても、あまり影響はないと思いますが、「メリットありますか?」という時には、この方が生業にしているということがすごく重要なポイントだと思います。

仕事というのは、社会に対して何らかのサービスや商品を提供していって、それで報酬を得る、という活動だと思うんですね。

社会に何か貢献や影響していくんだと思っています。世の中のある一定の人に対して、その人の悩みを解決する手伝いをすることによって報酬を得られる、という前提でいきましょう。

では、まず、その資格を持ってるかどうかっていうことなんだけども、僕2つ考えました。

資格を持っていることで得られるメリットとは?

谷口:まず、資格を獲得する、取得するっていうプロセスで得られるメリットがあります。

(資格を)取ろうと思って、頑張って勉強するのか、実績を積むのかして、実際に合格するまでのプロセス。

僕だったら、2003年にコーチングをスタートして、マスターを取ったのが2009年ですから、6年間頑張ってるわけです。この6年間で得られるメリットってまず一つありますね。

次に、持ってることで得られるメリットってがあります。資格を所有しているというか、資格者であるということのメリットなんですが、

まずさっきの社会的信用の方からいきましょうか。

仕事にしているということは、社会との関係性ですね。

では、僕たちはコーチングを世の中に提供するんですが、逆に言うと世の中から選ばれる存在だってわかります?

例えば何か法律、民法でも刑法でもいいんだけど、困ったら法律家に相談しません?

―― そうですね。そういう場面があったとしたら。。。

谷口:あったとしたら、そういう専門家の知識や何か手助けが必要ですよね?

その時に専門家を選ぶじゃないですか。「どの人に頼もう?今まで法律家になんか頼んだことないなぁ」というふうに思ったとしますね。

その時に、今は情報がいっぱいあるわけです。昔は法律家なんて言ったら、事務所まで行かなきゃいけなかったのかも知れないけど、今だったらネットでググればいいでしょ?法律家とか弁護士って。

するとプロフィールに、私は弁護士としての資格はこういう資格ですとか、弁護士協会所属とか、いろいろ書いてありますよね。

それがちゃんと書かれている人と、全く書かれてない人で、まずどっちにアクセスしますか?

―― 見た情報から信頼性のある方にアクセスします。

谷口:そうそう!今ちょうどキーワード言ったんですけど、資格って社会に対しての信用の担保なんですよ。

なので、専門家っていうのは資格を持っていて、その資格がないとその生業をしてはいけないっていう仕事もありますよね?

お医者さんとか弁護士さんとか、そういう方たちは代表的なんですが。なので資格があることの最大のメリットっていうのは社会的信用なんです。

昔は、そういうのはあんまり必要ないんです。

なぜかというと、こんなにインターネットも発達してないし、信用と言ったら人からの紹介とかが多かったわけですね。

「あの人が紹介してくれる弁護士さんならまぁ心配ないだろう」みたいな感じです。

でも、今はインターネットの世界ですから、そのサービスを必要としている方はググるわけです。検索をするんですね。

その時にまず、最初に選ばれるか、ふるいにかけられて落とされるかの大きな分かれ道ってあるじゃないですか。

そこでまず残るっていう最大のメリットがありますね。

上級資格を持つことのメリットとは?

谷口:次に、資格があっても、もしその資格にランクがあるとしたら?

上級・中級・初級があるとしたら、上級資格者の人にまず相談したいんじゃないかな。

MCCを持ってるってことが、世界的になんですけど、コーチの世界では一番信用されるってことなんです。

これが最大のメリットです。

アメリカでなぜこういうものができたかのかというと、世界的なコーチの資格というのは国際コーチ連盟という団体が発行してるんですね。

コーチングがスタートして、アメリカでいろいろコーチングというものを教わる機会があって、コーチという人が出だした頃に、なんかやっぱり響きがいいんですね。コーチっていうのは。

なので、いろんな人がコーチングを勉強して、私もコーチです、私もコーチです、って名乗りだしたんです。もっと言うと、コーチングを勉強してないけど、私はコーチですって名乗りだした人がいるんです。

そうすると、ユーザーからしてみると、選択肢がいっぱいあって、「誰を選べばいいんだろう?」ってわからなくなってきますよね。

次に、誰かにコーチングを頼んだら、全然スキルや実績や能力がないにもかかわらず「コーチ」と名乗っている人に、たまたま当たっちゃったとしますね。

そしてその人のサービスを受けたらひどい目に遭った、ということがあるんです。そうすると「コーチ」っていう業界全体の信用が今度なくなっちゃうじゃないですか。「コーチングはダメだ!」みたいになっちゃうから。

なので、国際コーチ連盟で、ちゃんと実績と能力と知識がある人を認定しましょうと。

その資格ホルダーならプロとして世の中にちゃんと品質を担保したサービスを提供するでしょう、なのでそれ以外の人と区別をしましょう、という流れが過去にあったんですね。

聞いた話ですけどアメリカとかだと、ある企業とか行政がコーチを頼もうと思った時に、まず最低基準が『国際コーチ連盟の資格ホルダーを選ぶ』っていうのがあるらしいんです。

「最低限のこれで品質が担保されるだろう。それ以外のものは何かちょっとこう怪しいかなぁ」みたいに思われちゃうんですよね。

ですからメリットでいうと、社会的信用。それによって、まずお客さんがコーチを選ぶときに候補として残るか残らないかなんですよね。

資格があれば残るっていうことです。

―― 谷口さんご自身もMCCの資格を取得される前と取得された後で、その選ばれる選ばれないっていうところも、すごく肌で感じられたんですか?

谷口:ありますね。特にインターネットを通じて依頼される仕事があるんですよ。わりと行政から。

その時に、(窓口になる)行政の人って担当者なんです。担当者って一人の職員なんですね。

例えば職員の研修をやるとか、学校の先生の勉強会やら研修をやるとか、講演会を依頼するっていうのの、窓口なんですよ。行政の方って。すると、誰に頼もう、どの先生に頼もうって調べるんですね。

調べた後に、担当者は決裁者じゃないので、決裁者に稟議をあげるんですね。その時に資料をつけるんです。「こういう人に頼もうと思うので許可してください」みたいに稟申するんですけど、そこに「国際コーチ連盟のマスターコーチ」って書かれてると通りやすくないですか?

―― 全然違いそうですよね。私は個別コーチングをイメージしてたんですけど、講演とか研修とかだと、確かに何もない人とマスターコーチだったら全然違いますね。

谷口:そうなんです。だから僕はよく後輩のコーチに、担当者が決裁者に申請を通しやすい資料をいっぱい用意しておきなさい」と言います。

国際コーチ連盟のタイトルホルダーです、これだけの実績があります、こういう所でやりました、というのを用意しておく。すると担当者がそれを提出したら通りやすいじゃないですか。

なぜかというと、決裁者っていうのは(自分で)選んでない。担当者から上がってくる情報で判断するんですね。なので、やっぱりマスターコーチになると、そういった担当者からの依頼が増えます。

なぜかというと、会社に稟申しやすい、上げやすいんですね。何か訳の分かんない方より決済が通りやすい方を選ぶよね。

結構ホームページを印刷して稟議書に添付されるし、プロフィールのところを切り取って稟議書に添付されるケースはすごく多いです。なので(資格を)取ると変わってきます。

まずこれが一つ、持っていることのメリットですね。

資格を取るまでのプロセスで得られるメリットとは?

谷口:次に、取るまでのプロセスで得られるメリットがあります。

例えば6年間、僕は(マスターコーチを)目指しました。マスターコーチを取ろうと思って6年間コーチングを頑張った人と、特に資格はいいやと思って6年間コーチングをした人で、6年後の到達点って一緒だと思う?

―― やっぱり目指すものがあると違いますね。

谷口:ですよね?合格したいから努力もするし、実績も積むし、資格条件にふさわしいコーチになろうとしますよね?

なので、6年後の到達点が資格を目指した人と目指さない人とでは全然違っちゃうんですよ。

例えばスキルが違う、実績が違う、あとはツールとかいろんなものが違ってきて、それがやっぱりその人の全体の価値になってくるんですね。

あとは、資格を目指して努力を続けた、乗り越えた、成果を手に入れたというと、よくいう自信って違わない?

―― はい、違います。

谷口:違いそうだよね?僕、いっぱい資格持ってるんですよ。

調理師免許持ってるし、宅建も一発で合格したし、ファイナンシャルプランナーも一発で取ったし、住環境福祉コーディネーターとかも取ったんですね。今は全然役に立ってないですよ。

でもこれを一発で取ったというのが、「僕は出来る」という自分のセルフイメージになってるんです。

なので、そんなメリットもあるんじゃないかなと思うので、この質問者の方も、仕事にするならぜひ目指して欲しいと思います。これで答えになったかな?

―― はい、ありがとうございます。

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