稼ぐコーチになるためのメンタルブロックの外し方 #76
―― 今回は「稼ぐコーチになるためのメンタルブロックの外し方」についてです。
今日のテーマは、プロコーチとして成功するために、もしかすると最重要ポイントといえるようなテーマではないかと思うのですが、そのポイントをぜひ、谷口コーチから教わりたいと思いまして、今回このテーマを選ばせていただきました。
谷口コーチは常々、「プロコーチとして成功するためには、誰の何をコーチングするかがとても重要」だというふうに言われていますよね。自分よりも年収が低かったり、ビジネスなどの経験が浅い人をコーチするのではなくて、自分よりも年収もビジネス経験も豊富な人をコーチできるようになるとプロコーチとして稼ぐことができるようになるということでした。
「誰の何をコーチングするか」これは本当にプロコーチというビジネスの核心ではないかと思うのですが、自分よりも何倍も何十倍も稼いでいるような人、例えば、数多くの社員を抱えている海千山千の社長さんたちをコーチングしたりすることに恐れを感じたり、自信がなかったりして、実行に移せていないという方たちも多いんじゃないかと思います。
そういった方にコーチングするためにどんな考え方を持てば、自分よりも何倍も何十倍も稼いでいるような人をコーチングできるようになるのでしょうか?
谷口:良い質問ですね。メンタルブロックって、心の内側がブロックをかけてる、という意味なんでしょうけど、
それを「ビリーフ」と言うんですが、往々にしてあるのが、「非合理的なビリーフ」を持ってるんです。非合理的というのは、あんまり有効ではないビリーフということ。ビリーフっていうのは「信念」という意味でもありますし、もっとわかりやすくいうと「思い込み」なんですね。
つまり、あまり有効ではない思い込みを持っている、というのが一つです。
もう一つが、そのメンタルブロックの中にあるもので、どんな人もそれがブロックになり得るというマインドが「恐れと不安」なんですね。
―― 恐れと不安。
谷口:つまり「恐れや不安」と「非合理的なビリーフ」が変わればできるってことですね。
―― 確かに変わればできそうですね。
谷口:「恐れや不安」が「安心や楽しさ」に変わればいいし、あとは「非合理的なビリーフ=思い込み」が、合理的なビリーフ、有益なビリーフに変わればいいと思っています。
そういうことを僕たちコーチでもするんですね。これらを書き換えることを「ビリーフチェンジ」と言います。
コーチングによくある「非合理的なビリーフ」とは?
谷口:例えば、一般のよくいう社員をコーチする時と、大企業のコーチをコーチする時とでは、パッと第一印象ではどっちの人の方が難しいと思います?
―― 第一印象では大企業の社長さんの方が難しいと感じます。
谷口:思うでしょ?それが非合理的なビリーフなんです。では、どっちの方がゴールに対するコミットって強そうですか?
―― 社長です。
谷口:ですよね。どっちの方が勇気を持っていろんな行動に起こしそうですか?
―― そちらも社長さんですね。
谷口:ですよね。どちらの方が自己責任で物事を考えたり行動しそうですか?
―― それも社長さんです。
谷口:実は真実は、優秀な大きな会社をやっている経営者の方がコーチングは簡単なんですよ。でもパって思いこむと、何かわからないけど根拠もなく難しそうだと思っちゃうんですね。
実は一般の会社員とか、夢が見つからないんですっていう人の方が、すごく難しいんです。でもみんな思い込んじゃってるんですね。一流企業の大経営者っていうのはすごく難しいんじゃないかって。
やってみるとわかるんですけど、そういう人たちって人間的にはすごく素晴らしいです。そして非常に柔軟です。すごく発想も豊かだし、自分の発言に責任を持つし、すぐ行動に移して、やってみてすごい学習をしていくんですよ。
だからそういう人の方が、放っといても結果を出すんです。極端に言うと。
もっと言うと、あんまりコーチングしてないなっていう感覚が僕はするんですけど、わりと聞き手に回って1時間終わっちゃうみたいな時あるんですよ。
経営者の人たちはバァーって喋るんですね。要は聞いてくれる人がいないんですよ。実は。
そうするとしゃべらせてもらっただけで「いやー、今日はいい話聞いた!」って言うんです。「いや、僕何も言ってないんだけどなぁ・・・」みたいに。
ちょっとそれは申し訳ないなとは思うんです。ただ聞いていただけで1時間、そんなに嬉しがってもらうとありがたいなって思うんですね。
まずビリーフチェンジをして欲しい。実はそういった世の中で結果を出している人の方がコーチングは簡単であるってこと。だったらいっぱい報酬をくれて簡単にコーチングできる人の方がいいじゃないですか。
なのにみんな、報酬が少なくてすごく難しい人を一生懸命コーチして、コーチも悩んじゃうし、コーチも段々だんだん疲弊していくんです。だからまずそれを変えて欲しいと思います。
アッパークラスの人、すごくビジネスで成功している、もっとチャレンジしたい、大企業を率いているリーダーだったり、上に行けば行くほど簡単だと思ってください。これが一つですね。
コーチが感じる「恐れや不安」とは?
谷口:もう一つ「恐れや不安」があるんですけど、例えば大企業の経営者というと、なんかビビるみたいな感じってないですか?
―― はい、あります。
谷口:ありますよね。でもそれ根拠ないですよね?
―― はい。
谷口:これも勝手に、想像だったり思い込みだったり、根拠のない不安を僕たちは持つんです。「自分の知らない世界を恐れる」ように人間はなっている。
例えば行ったことのない高級店ってすごく敷居高くないですか?
―― 高いですね。
谷口:高いですよね。だから最初躊躇するじゃないですか。でも勇気をもって一度入ってみて、5回ぐらい行くと、なんか普通のお店っぽくならないですか?
―― そうなりますね。
谷口:慣れるんですよね。人って、未知の経験や自分の世界、まだ経験してない世界を必要以上に怖がる習性があるんですね。そういうのは全部「仮説」なんですよ。
こうなんじゃないか、ああなんじゃないかって。その仮説でずーっと止まっているんですね。
そこで僕は言ってるんですけど、「それは真実ですか?それとも考えですか?思い込みですか?」って聞くと、ほとんどの人が真実じゃない仮説に恐れてるんです。
これを真実にしないと実態がわからないんです。例えば、「何を恐れてるんですか?」の「何」を明確にしたいんですけど、経営者をコーチすると取って食われますか?
―― 取って食われないですね。
谷口:では、非難ごうごう、罵倒浴びせられますかね?
―― 浴びせられないですね。
谷口:ないですよね?命も奪われないですし、財産も奪われないし、ストーカーにも遭わない、けがもしないし、「何を恐れてるんだろう?」って思うわけですね。
仮説だとずーっとそのまんまなので、とにかく一度その経営者なりをコーチしてみるとか、ちょっと自分で検証するために試してみるっていうのをおすすめするんです。
すると仮説が事実になるじゃないですか。そしたら全然思っているようなことは起こらないんですね。「起こらない」ってわかると安心なんですよ。
なので、自分の恐れているものはまだ実体のないお化けなんですね。だからこれは一度検証してください。実際そういう事が起きるのかどうか。これが2つ目。
コーチはコーチングに意識を向ける
谷口:あとは、自信がないって言うんですけど、例えば、あなたが経営者をコーチするとして、経営者が困っている問題の解決策を経営者に提供する自信はあります?
―― ないです。
谷口:ないですよね?僕もないです。でも経営者がいろいろ頭の中で考えてることをただ聞いてればいいっていうのはできそうですか?
―― それはできそうです。
谷口:ですよね?みんな何を恐れているかというと、経営者が抱えている課題や問題をどうにかしなきゃいけないと思ってるんですよ。
それはできない。それは経営者のメンターとか、経営者専門のコンサルタントがやること。
僕はコーチだから、問題には全く意識が向かなくていいんですよ。コーチングに意識が向けばいいので。それも区別すると多分メンタルブロックは外れてくるんじゃないかなぁ。
今みたいに思い込みがある、経営者の方が難しいと思っている。逆です。経営者の方が簡単!
そして経営者が抱えている問題を無意識でどうにかしなきゃいけないと思っている。それは私たちの仕事ではない。
私たちは経営者の方が自ら話しながら答えを見つける手伝いをするコーチングに責任を持ってるんですね。だったら簡単ですよ。
だってよく銀座のクラブのママさんとか、経営の事何も知らなくても、経営者はしゃべりに来るじゃないですか。あれと一緒ですよ。まずそれが一つ。
あと、恐れや不安はまだ実体のないものを恐れてるので、検証しないと解消しない。だから一度やってみるっていうことですね。そしたら全然恐れていたようなことは起こらない。
そういうことをやって行くと、多分メンタルブロックが外れて、気が付くと僕と同じように、「えぇ!すごい、優秀な人の方が簡単じゃん!」みたいに思えるようになっていくと思う。
だから本当にやってみると、言葉選ばないで言うと、経営者のコーチやった方がラクに稼げる。
―― それはすごいですね。
谷口:うん。でもそれは、その世界に一度踏み込んでみないとわからないからね。
僕の経験上、経営者のコーチやって行方不明になった人もいないし、誘拐された人もいないし、病気になった人もいないし、命を落とした人もいないし、けがをした人もいないし、財産を奪われた人もいないし、責任を負わされた人もいないかな。なので、多分大丈夫だと思います。
―― もう一点質問なんですけど、谷口コーチが起業された当初、プロコーチとして独立された当初に、企業の社長さんへのコーチングの第一歩を踏み出されたときがあったと思うんですけども、その時何をされたんですか?
谷口:良い質問ですね。会社員だと、自分の会社の社長ともめったに会わないですよね。だから「こういう人なんじゃないか」と想像しちゃうんですね。
また、他の会社の大企業の社長とも滅多に会わないですよね。だから何か必要以上に大きく想像しちゃったりするんです。
やっぱり実態を知る必要があったので、僕は、例えば経営者の人たちが集まるようなコミュニティに行ってみたりしました。中小企業だったら中小企業家同友会とか、ニュービジネス協議会とか、いろいろあるんです。
あとは、経営者の人たちが行く勉強セミナーとか講座みたいなのがあるじゃないですか。そこへ行くと、会社員の時には会わなかった人たちがいつも隣にいるわけですよ。
それでお昼食べたり、たまに「帰り飲みにでも行く?」とかみたいに話をしていくとわかるんです。「なんだ、普通の人じゃん!」みたいに。
だから、そういう経営者の人たちがいるコミュニティにまず行って触れてみるっていうのをおすすめしますね。全然想像していたよりチャーミングだったり、ユニークだったり、お茶目だったり、素敵だったりしますよ。
なのでそういうコミュニティにまず行ってみてください。
コミュニティに入っても大丈夫!誘拐された人もいないし、けがした人もいないし、死んだ人もいないから、コミュニティに行くことをおすすめしますね。
―― すごく参考になりました。ありがとうございます。
谷口コーチからあなたへの質問
谷口:これを見ている方にも、ぜひそういう人をコーチしてもらいたいので、ちょっとイメトレをしようと思うんですね。
今お話ししたように、アッパークラスの人や経営者をコーチしても、僕の経験上何も失うものがないんですよ。
なので、「何も失うものがないとしたら誰をコーチしたいですか?」ぜひコメント欄にいっぱい書いてください。
僕だったら、例えばもう死んじゃった人だったら、坂本龍馬とかコーチしたいなぁとかっていうのもあるし、ビルゲイツはまだ生きてるからビルゲイツとも面白そうだなとか。ZOZOの前澤さん?あの人なんかも絶対コーチしたら面白そうだなとか。
「何も失うものがないとしたら誰をコーチしたいですか?」ぜひ書いてください。