夢や希望から挫折してしまった方にどんな言葉掛けをする?【Q&A】 #5

最終更新日:2020年1月23日

 谷口コーチに質問する 

ニュージーランドからお届けします!

── 谷口さん、今日はちょっといつもとお部屋の感じが違うんですが、どちらに?

谷口:今ね、ニュージーランドのクイーンズタウンという所に、Airbnbを借りてしばらく滞在しています。ちょうど丘の上にこの家があって、ワカティプ湖って、ニュージーランドで一番大きい湖が眼下に見えるんですよ。

── いいですね。ニュージーランドでは、どういった過ごし方をされているんですか?

谷口:妻と年に何回か海外に行くんですけど、目的は住みたいところを見つけに行く感じ。

── 目的が住みたいところを見つけに行く!?いいですね。

谷口:そう。だから、ここ住んでみたいね、あそこ住んでみたいね、っていうところをあげたら、「じゃあ一度行ってみよう!」っていって、たいていエアビーを借りて。だから、ご飯も作るし、洗濯もするし。一番楽しいのが地元のスーパーに行って買い物をすること。で、ここ住みやすいね、とか、ここスーパーでいい食材が手に入るね、なんて探しながら、次に住みたいところをいろいろ探しながら歩いてる。

── 素敵ですね。どうですか?そちらは住みたいランキング的にいうと、谷口さんの中ではいい線いっていますか?

谷口:いってますね。家内は一番らしいです。クイーンズタウンが一番良いって。

── そうですか。日本での普段の生活とはガラッと違う雰囲気の中で、自分と周りを見つめ直すというのはすごくいい機会ですね。

谷口:あとは、今すごくよくなったのは、こうやってインターネットで話せるわけでしょ?だから、何日かクイーンズタウンで仕事してますよ僕。コーチングも出来るし。

── そうですか。もう全然支障ない感じですね。

谷口:ないですね。ずっと前から夢の一つだったから。海外でコーチングするっていうのは。

── すごい!もう叶えて実践されてるんですね。

挫折とは?

── 今日は、視聴者の方からいただいた質問にマスターコーチの谷口さんにお答えいただきたいと考えております。

こんな質問をいただいています。

夢や希望をもって社会に出たのに挫折してしまい引きこもっている知人(若い人)がいます。谷口さんならまず、どんな言葉がけやアドバイスをされますか?

っていうことなんですが。

谷口:まず引きこもっているっていう状態が、精神的にどういう状態かちょっと分からないのですが・・・。精神的にダメージを受けていると、どちらかというとカウンセラーさんとか、そういう人の専門的な領域かもしれないけど、まあ、僕だったらこんなアドバイスっていうか、ものの見方をするかな。

まず、「挫折」ってどういうことだと思う?

── 結構重たい感じの言葉というイメージを持ってますね。

谷口:意味でいうと、仕事や計画が上手くいかないでいるとか、思い通りにいかないっていうことなんだよね。それによってモチベーションが下がったり、気力が失せたりするって意味なんですけど、それって人生で山のようにないですか?

── 確かにそれの繰り返しですね。

成功を打率で考えてみる

谷口:でしょ?僕たちコーチングする時に「二極化思考」というのを取り除いてあげるっていうのを結構やるんです。「二極化」ってわかります?

── 何度か「ザ・コーチTV」の方でもお話いただいているので、一つの出来事を「良い」とか「悪い」とか、「できた」とか「できない」とか真っ二つに分けて考えるということですよね?

谷口:そうそう。なのでなるべくこれをなくす、〇か✖かじゃなくすんですけどね。その時に僕は「打率」って使うんです。野球の選手って、バッターボックスに10回入って3回安打を打つとトッププレイヤーなんでしょ?3割だからね。ってことは、7回上手くいかなくてもいいっていうことです。

でね、人生を生きてきて、計画や仕事が思い通りにいかないとか成しえないって、何打数何割くらいだったら良いと思う?

── 正直今までそういう発想で考えたことがなかったです。

谷口:例えば10打数5安打、簡単に言うと50%ってどう思います?高いよね。だって、野球選手で3割でトッププレイヤーでしょ?サッカー選手のフォワードって点を取る人、たぶん10本打って1本入ればいい方ですよね。

なので、打数、割合でみるっていうのをよく提案する。まぁ、野球に例えると、僕のコーチングでは10打数3安打、3割、御の字じゃないですか!

── 御の字です。確かに!

谷口:僕はそう思う。今回は、人生で10打数あったら、そのうちのたまたま1個三振したくらいなんです。というふうにまず1つ、打数。例えばスポーツ選手なんか一番わかりやすいんだけど、計画や仕事、夢でもいい、叶う人がどれくらいで叶わない人がどれくらいだと思う?例えば高校野球をやってて、甲子園に出たいっていう人、叶う人がどれくらいで叶わない人がどれくらいだと思う?

── 叶う人はかなり少ない・・・。狭き門ですよね・・・。

谷口:何千校っていう学校の中から選ばれるわけでしょ?そのうちのレギュラーになれる人も限られるわけでしょ?っていうことは、まぁ変な話、ほとんどのスポーツ選手は、100回挫折して1回思い通りにいくくらいかな?試合でも負けるし、それも挫折でしょ?思い通りにならないし。なので10打数1安打でも、もう御の字!っていうぐらいに意味づけて、二極化を取ってあげる。

── 二極化を取ってあげる。

この彼(彼女)は、これから長い人生で、たぶん10回や20回や100回くらい仕事や計画にチャレンジして8割は上手くいかないわけですよ。そのぐらいで考えておく、っていうとちょっと気楽になるんじゃないかな。

── すごい気が楽になりますね。

谷口:なりますよね。まず割合で考えていくんです。これコーチングで気楽にさせるっていう考え方なんですよね。

リフレームという考え方

谷口:次が「リフレーム」。

フレームを変えるっていうこと。例えば有名なエジソンがそうなんです。電球を作りましたよね。電球のフィラメントを見つけたじゃないですか。京都の竹でフィラメントを作ったんですよね。そこにたどり着く前に、数は忘れちゃったけど1000回くらい使えない材料を試してるんです。記者が「1000回失敗したのになんであきらめなかったんですか?」って聞いてるんですけれど、エジソンは、「僕は電球のフィラメントに適さない材料を1000個見つけたんだ」と言ったんです。意味が変わったわけですね。失敗じゃなくて発見に変えたわけです。これをリフレームっていう。では、「挫折」にしますが、もしお笑い芸人だとしたら、挫折を失敗という意味ではなくて、他の意味に変えると思いますけど、何に変えると思います?

── ネタに変えると思います(笑)

谷口:僕もそう思います。ネタです。僕、大好きな人にね、明石家さんまさんっている。明石家さんまさん、いろいろ若い芸人をイジるんですけれど、いい話って若い芸人が話しだしても、彼はそれは面白くないっていうんです。失敗だったり悲劇だったり、まぁ笑える不幸ネタを喜ぶ。っていうことは挫折がいっぱいある若い芸人の方が売れるっていうことですよ。

こういうのをリフレームっていう。フレームを入れ替える。

成功の数を増やすカギは
チャレンジをいっぱいして母数を大きくすること

だからその彼か彼女かわからないけれど、まず、何打数何安打を目指していくのか。10打数の内7回失敗したとすればあと3回当たるわけですよね。だから10回や20回人生でチャレンジをするとしたら、仮にこれが上手くいかなかったとしても、それは何回分のわずか1個です。

あと、僕がいうのは、「安心して!まだあと8回くらい挫折するから」って(笑) 

いっぱいチャレンジした人の方が分母が大きくなりますよね。何打数何安打だとすると。1回で1回成功する確率はほとんどない。でも10回だったら1回か2回成功する。100回だったら10回か20回成功する。だから分母を大きく。チャレンジをいっぱいする。こんな感じかな。答えになってる?

── はい。私も最初にこの質問を拝見して見えてたイメージと、谷口さんから今この話をお聞きしてて見えたイメージが変わったので。ずいぶん心がラクになったというか。

最初に谷口さんがおっしゃったように、まず挫折っていう言葉だけでもいろんな取り方があるし、私自身も挫折っていう言葉は結構重たいな~とかって思いこんでましたけど、おそらく実際に国語辞典で引いたら明確に書いてあって、あっそういうものかって思えば。とらえ方でずいぶんものの見え方って変わるんだなって思いました。

谷口:よかったです。

アドバイスより見方が変わるような質問を

―― 私たちは人と関わり合って生きているので、こういう時にこういうアドバイスや関わり方をしてあげれたらなっていう方が、いっぱいいらっしゃると思うんですが、そういう時は、当事者じゃなくて周りにいる、周りから見れる立場で声掛けをしてあげると上手くいくような感じ、イメージをいただきました。

谷口:コーチングでやらないのが、アドバイス。挫折している人に、大丈夫っていっても大抵上手くいかない。大丈夫だよそれくらい、っていっても大抵上手くいかないですね。

── その言葉だと、わかってないのに大丈夫なんて言って!みたいな気持ちが起こる可能性があるんですね。

谷口:僕の気持ちなんかわかるわけないじゃん、みたいになるでしょ?だから同情もしないし、アドバイスもしないし、ただ見方を変えてみると何に見えるっていう質問をするだけなんです。お笑い芸人だとどういう見方に変えると思う?って。あとは成功している人は何打数何安打だと思う?とかいう言い方を。アドバイスもしてないし、同情もしていないですね。

── ホントですね。これがコーチングの本質というか、関わり方になるんですね。

谷口:エジソンなんて1000打数1安打だもんね!1000個外す。1000個発見だからね!

── その方が見方を変えるような質問をしてあげるといいよっていうことですね。

谷口:そう!

── 特に悩んでない人でもこういう関わり方で人と接していくと、摩擦なくスムーズな人間関係が築いていけるような感じがますますしてきました。

谷口:よかったです!

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