人生の転機となる出会いを引き寄せるには? #6 ~『ザ・コーチ』より~

最終更新日:2020年2月17日

 谷口コーチに質問する 

ザ・コーチ

谷口 貴彦 (著)

あなたの中にある無限の可能性は、目覚める時をずっと待っています──。ある日突然、未来の自分が変わり出す!
全国の企業や自治体・学校で、延べ3000時間以上にわたり、多くの人の夢や目標の実現をサポートしてきたコーチングのエキスパートが書き下ろす感動のコーチング・サクセスストーリー

『ザ・コーチ』の行間に潜むヒント

── 今日は、書籍『ザ・コーチ』から、その行間に潜むヒントや考え方を著者の谷口さんに改めて質問していきたいと思っております。『ザ・コーチ』は、2009年12月に刊行されてからもう10年以上経つのですが、今はkindleの電子書籍版や文庫本も出版されていて、本当に多くの読者の方に愛されているベストセラー本になっていますよね!

谷口:ありがたいです。かれこれ10年以上経つのか・・・。

── 谷口さんにとってはあっという間だったんじゃないかと思うんですが、私も先日改めて読み返してみたら、新たな気付きをたくさんいただきました。本当に素晴らしい本だなと改めて感じております。すでに『ザ・コーチ』を読まれた方はもちろん、これから読んでみたいと思われている方にとっても参考になることがたくさんあると思いますのでぜひいろいろと教えてください。

谷口:うれしいです!聞いてください。

人との出会いは偶然?それとも必然?

── では早速ですが、住宅会社に勤めている主人公の星野は、大蔵さんという老紳士との出会いがきっかけとなって、営業成績がなかなかふるわない万年係長からトップセールスになり、課長となって、そしてプロのコーチとして独立するまでに成長していくことができました。

星野にとって大蔵さんとの出会いが人生の転機となったのですが、その星野が大蔵さんに出会うことができたのは偶然だったのでしょうか?それとも、星野が大蔵さんを引き寄せることができた、その必然ともいえるような行動や考え方が背景にあったんでしょうか?

谷口:なるほどね。深いところをついてきましたね。この偶然なのか必然なのか、いろんな人がいろんな考え方があると思うんだけど、僕はね、必然じゃないかなって思う。例えば、引き寄せたかどうか?というか、出会うかどうかなんですけど、僕たちって、多分意識をしだしてから様々な決断と選択をしてるんですよ。

── そうですよね、その連続ですよね。

谷口:連続でしょ?例えば、今日は何を着てこうか?と思って、Tシャツを着るのか、ポロシャツを着るのか?いろいろ選んでるわけです。何時に出ようとか、選択と決断の繰り返しなのね。もしそれが、どこかでタイムスリップしてさかのぼって別の方を選んだら、違う未来になるんですよ。例えば、10時に出ようと思って10時に家を出た未来と、いや今日はちょっと早く出ようと、8時に家を出た未来って、絶対同じじゃないですよね?

── 変わってきそうな気がします。

谷口:それから家に帰るまでに、たとえしゃべらなくても、出会う人って違うでしょ?10時に出たときにすれ違う人と、家を8時に出たときに道ですれ違う人は絶対同じじゃない。ってことは、全ての選択と決断の先に未来は全部作られていて、多分確率論でいったら天文学的な人生の種類があると思いません?一日何回も選択してて、その先はまた選択が分かれていくわけでしょ?そうすると、スーパーねずみ算みたいにバァ~と広がる。

大蔵さんも何か選択して、あの公園のベンチに座ったわけですよ。星野も何らかの選択を繰り返して、サボりにいってあの公園を選んで、公園にもいろんな歩く道があるけれど、それを選んで歩いて行ってベンチに座ったら隣に座ってた。っていうことは、それは必然じゃないかな?

自分が選んだすべての選択の結果が未来にそこに存在する。だから偶然か必然かで言ったら、僕は必然だと思っている。全ての出会いとかそういうのは必然かなと思います。

「音叉の法則」を知ってますか?

谷口:引き寄せたかどうか?でいうと、これもいろいろあるんですけど、じゃあ大蔵さんが座ってます、自分もそこに座りました。星野は大蔵さんの横に座りたくなかったら他のベンチに移動することもできます。でもそこにいたんですよね。引き寄せたかというと、結果引き寄せたんでしょうね。

なぜかというと、昔、僕セミナーでね「音叉の法則」って話をしたことがあるんですけど、「音叉」って知ってます?音楽家が調律する時、ピーンって鳴らしてピアノかなんかの音の調律をするやつなんですけどね。あれ、たたいて鳴らすと周波数で音を出すらしいんですけど、そこに同じ音叉を近づけていくと触れないのに鳴り出す。共鳴する。

人は振動している。エネルギーだから。ってことは、たぶん自分と同じような周波数を出している人と共鳴するんじゃないかと。なので、その人のそばにいくと、何となく声をかけてしまったりとか、何となく話かけてしまったりとか、何となく気になったりするんじゃないかなと思うんですね。そうすると、目が合うとか挨拶をするとか、それで「いつもここへ来るんですか?」とか話しかけたら、それが出会いになるのかな。そうすると、引き寄せるんじゃないかな。

星野にとっての人生の転機は大蔵さんだったかもしれないけど、ほかの人でもいいわけです。たまたま大蔵さんと会って、その時に選択の結果で大蔵さんの隣に座って、大蔵さんも選択であの公園に居て、同じような周波数を持っている人だったのでなんか気になったんだね。で行ったら、あそこでは物語風にしているので水筒のコップが落ちるんです。それがきっかけで声をかける。これが周波数が合わない人だったら一言もかけずにただコップを返す。

── そうですよね。

人は共鳴しあい出会いを引き寄せる

っていうことは、それが引き寄せるだと。もし、大蔵さんと会わなくて時間が過ぎたとしても別な星野に転機になるような人とも未来に会うかもしれない。主人公の星野は大蔵さんだけが転機になったわけじゃなくて、ほかのいろんな人との出会いが転機になっている。だから、そう考えると、偶然か必然か?っていったら僕は必然だと思う。それは自分の意識的無意識的な選択の先にあって、大蔵さんも無意識的に選択した結果が交差する。なので必然。

で、引き寄せるかというと、「音叉の法則」でたぶん自分にとって必要な周波数、エネルギーを発してる人は共鳴して気になるから、アイコンタクトするのか微笑むのかその人をずっと見ちゃうのか、なんかのきっかけで声をかけるのか、あいさつとかするんだろう。なので、引き寄せるんじゃないかと。答えになってるかな、これで?

── 音叉が共鳴するっていうのはすごく分かりやすいです。逆にいうと、全く自分にないものだったら出会えないというか。ストーリーで読むと、星野は大蔵さんみたいな人に出会えてラッキーだったっていう見方もできますけど、出会うべく、大蔵さんの持っているものも星野の中にもあって、それが上手く共鳴して出てきたみたいな、そんなふうに捉えることができますよね。

谷口:それはいい!星野も気づいてないけど星野の中に、大蔵さんの中にあったものと共鳴するものを持っていたというわけですね。いいと思う!

── じゃあ、例えば、『ザ・コーチ』を読んだ読者は「あー、なんか私にもこういう人生の転機になるような巡り合わせないかな?」とか、思ったりすると思うんですが、そういう場合はどういう人と出会いたいってイメージしてみるものいいですか?

谷口:それもいいかもしれないですね。あとはやっぱり自分の、これを直感っていうとちょっとおかしいんだけど、感性を信じるといいじゃないですか。今までいろいろ経験ないですか?ちょっと気になって、男性と出会って、そのまま過ごしちゃう時と、何か接点が設けられる時とあって、「あっなんだろう?ちょっと気になる」っていう直感を信じたら、アクションを起こせば、これも何回か直感でアクションを起こした先に出会いはあるんじゃないかな。

一回の直感で一回の出会いで一回の運命の人、じゃないような気がするな。

だから、自分の直感もみがくし、直感を信じていたらいいし。あとは、考えることもそうだけど、自分も普段から感性を磨いておくといいと思う。だいたい頭で考えるとロクなことないから。

直感を磨くためのおすすめ行動

── すぐにできるような、直感を磨くような日常の行動とか何かありますか?

谷口:僕なんか、こうやって非日常の場所に移動する。今日はニュージーランドのクイーンズタウンに来てますけど、これは感性を磨かれます。湿度も違うし空気も違うし、太陽の熱も違うし、紫外線も違うし、言葉も違うし、食べ物も違うし。

── 確かに非日常の環境に行くと、思考というよりは感覚でキャッチする方が強くなりますね。

谷口:あとは五感を刺激するのもおすすめ。食べ物なんかいいですね。食べたことない物を食べる。昔オーストラリア行った時、ワニとカンガルー食べました。

── 非日常ですね!

谷口:あとは匂い、いろんな匂いをかぐ。都会にいると、機械的な物質的な匂いしか嗅がないけど、海のそばだったら潮の匂いがするとか。

あとは触覚。ニュージーランドのクイーンズタウンのスーパーおもしろいんですよ。何がおもしろいかっていったら、スーパーマーケットなのに、何人か裸足で買い物してる。理由は知らないけど、裸足はいいですよ。しないでしょ?ビーチで裸足、公園で裸足、芝生の上歩くとか。こういうので触覚を刺激する。

── そう考えるといろんなことが日々できますよね。いつもと違うことをやってみて、それが直感や感性を磨くことにつながって、そういう感性が磨かれてくると素敵な出会いも共鳴して寄ってくるというか、そういう出会いに会えるというか、そういう機会をキャッチできるという感じですね。じゃあ、もちろん旅行で海外とかじゃなくても、いつもと違うことをちょっとやってみるとかでもいいですか?

谷口:いいね~!まあ、東京で裸足でスーパー行くっていうのも結構勇気いりますけど。

── まずは公園ぐらいからで。

谷口:公園ぐらいからでね!(笑)

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