売れるコーチになるための値段の付け方とは? #24
── 今日は、約17年にわたってプロコーチとして、マスターコーチとして活躍されている谷口さんに、成功するコーチの心得、活躍し続けるコーチになるためのヒントについてお伺いしていきたいと思います。
その中でも、谷口さんに今日お聞きしたいのはお金についてなんですが。
谷口:お金の知恵は大事ですね。いっぱい聞いて下さい。
── 谷口コーチには以前もこの「ザ・コーチTV」の中で、「お金」は「ありがとう」という感謝の気持ちや「お金」は「エネルギー」だということを教えていただきました。
活躍し続けるプロのコーチになるということは、この「エネルギー」である「お金」をたくさん循環できるようになるという側面もあると思います。
そして、プロのコーチとして、お仕事をしていくには、一回一回のセッションだったり、講習や研修だったり、谷口さんがされているような、オンラインの講座だったり、それぞれのサービスに、値段があると思うんですね。
その値段を、いくらの価値で提供するのか?という値付が必要になるんですが、そこはとっても大事な要素ですよね?
谷口:ビジネスだからね。
プロっていうことは、やっはり商売、ビジネスだから、その「値決め」というか値段っていうのはすごく大事かな。
── そうですよね。「値決めは経営」という言葉もあるように、プロのコーチとして活躍していくには、値決めも一つの要素としてとても重要だと思うのですが、ぜひその辺りを、谷口さんが考えられる、「売れるコーチになるための値段の付け方」についてアドバイスをいただけないでしょうか?
谷口:深いね~これは。いろんな側面で話していこうかなと思うんですけれど、自分が提供するサービスに値段って決めたことある?
── はい、そうですね。決めますね。
谷口:こうやって、自分でプロでやっているから決めるんでしょうけれど、サラリーマンって決めたことないでしょ?
僕はセールスやってたけど、ほとんどの人は値段って会社が決めるんですよね。これいくら、みたいに。
── そうですよね。値段を決めるっていう感覚さえなかったです。決められたものをそのまんま提供するっていう感じですね。
谷口:お客さんにこれはいくらですって伝えるとかね。
ということで、値段を決めたことがないので、どうやって値段を決めるかっていうのは、知識なり経験なりを積む必要があるっていうことをまず覚えて欲しいなと思うんです。
どうやって値段を決めるのかっていうと、一般的にはさっき「値決めは経営」って言ったっけ?
なぜかっていうと、経営はちゃんと利益を出し続けて、社会的な事業を継続すること。ボランティアではできないですよね?人も雇うし従業員の生活も担っているので。
必ず利益を出さないといけないっていうと、大体値段を決めるのは、原価、経費と付加価値で決めるんです。
原価だけでも決められないし、付加価値だけでも決められない。で、必ず利益を出す、そういう構造になってるんだけど、コーチのって限定すると・・・。
今、コーチング勉強する所いっぱいあるんですね。昔、僕たちの頃は2か所くらいしかなかったんですけど、
昔のは、プロのコーチになるための養成講座だったんです。
今は、コーチングを勉強する講座なんです。
違いわかる?
目次
昔のコーチング講座で学べたこととは?
── わかります。違いますね。
谷口:違いますよね?
なので、今のいろんなコーチングの講座とかスクールは、コーチングのこれはこういうことですよとか、簡単に言うと、質問はこうですよとか、傾聴はこうですよとかっていうのを教えるんだけど、
「プロのコーチになるためのコーチング講座」って、何を教えてくれるかっていうと、
- ビジネスとして自分の売り
- ブランドの立て方
- マーケティング
- 自分を売る方法
とか、そういうのも教えてくれるんです。
その中に、「コーチングの対象」っていう講座やクラスがある。僕はある養成機関でこれを担当してたんです。
このクラスを僕がリードして、今の言葉で言うと先生をやってたんですけれど、そういうのを教えてくれないんですね、今のコーチング。
「コーチングの対象」っていうのは、対象だから「何」と「誰」なんですね。
#1 コーチングの対象を明確にする
谷口:何を対象にコーチングをするか?っていうクラスなんですけど、これと値段ってすごく関係性がある。
では、「誰」でいきましょうか?僕が洋食屋さんを経営してたとしますね。誰をお客さんにするかによって値段って変わりそうじゃない?
例えば、オフィス街のビジネスマン対象の洋食と、ビバリーヒルズのセレブ達を対象にした洋食で変わりそうじゃないですか?
── 全然違いますよね。まず値段が違いますね。
谷口:違いそうですよね。このように、コーチングを提供してても、誰に提供するのかによって値段も変わるんです。
今度は「事」ですね。これを僕たちは「テーマ」っていう言い方をします。テーマとかゴールとか言う。
目標に向かうプロセスを僕たちはサポートするので、どんな目標を持っている人をコーチするか、目標が「事」になりますね。
では、会社の経営者にしましょうか。対象者は経営者ですね。それで「事」を変えましょうか?
その経営者は、事業拡大を経営方針、ビジョンに上げてます。
世界でトップランナーになる企業や、カンパニーを作りたい。そのためには一気に売り上げを倍増していって、資金を潤沢に回したい、というふうに思っている。
「コーチ、私があなたを雇って達成したい目標は、年商は100億円を達成することなんです。今10億円なんで10倍なんですよ。でも、できると思っているんです。それにはあなたの支援が必要なんです!」だとします。
売上10倍の100億円というテーマをコーチした時と、
ある経営者が、「痩せたいんだけど。今ちょっとメタボで、健康診断受けたら「痩せなさい」って言われて、できればコーチ、10キロ痩せたいんですけど…」
っていう事を扱った時で、コーチングのfee(料金)って一緒だと思う?
── 同じ経営者だとしても提供する金額は全然違うものになりますね。
谷口:ですよね?多くの人は、「誰」と「何」が明確じゃないんですよ。多くのコーチたちは。
プロコーチになるためには、自分が誰をコーチするコーチで、何をコーチするコーチかっていうのを明確にしなきゃいけない。これを教えてくれないんですよ。
コーチングは教えてくれるんですよ?
みんな困っている、コーチングはできるけど、プロコーチになれないっていうのはその理由なんです。
プロフェッショナルとしての知識やノウハウがないんです。
もし、僕が飲食店を経営するとしたら、やっぱりすごく考えるよね。どんな料理を誰にどこで提供したいのかによって全然違っちゃうもん。
── そうですね。
谷口:「自分は、お腹がすいてお金がない学生たちのお腹をいっぱいにしたい、そういうお店を開きたい。」
だったら、380円でラーメン出せばいいじゃない。それだって、その人のやりがいや生きがいなんだから。
それでもいいんだけど、明確に何も決めないで、いくらにしていいかわかんないっていうふうに悩んでいる方がまず多いかな。
コーチングの対象には「誰」と「事」がある。これを決めていくっていうのが、値段を決める一つなんですけど。
もし、自分がちゃんとプロのコーチとして、トップランナーというか、一流を目指したかったら、そういう「人」とそういう「テーマ」をコーチするコーチになると覚悟した方がいいですよね。
でも多くの人は結構、「コーチングっていいね。コーチングで人生良くなった」って言って、同じように人生を悩んでいて、今よりちょっと良くなるっていうことを、自分と同じような人をコーチしたいっていう人結構いるんですよ。
── 自分と同じような人を。何かわかる気がします。
谷口:ランクを分けちゃいけないけど、その相手の生活レベルみたいなのがあるじゃないですか。
例えば、自分は年収300万円だとか400万円だとしましょうか。
同じくらいの年収の人って、目指しているものも、同じようなものを目指しているんですよ。そうすると値段っておのずと決まっちゃうんです。
でも、例えば自分はまだ収入は得てないけど、自分はプロの野球選手として1億円プレーヤーを目指してるんだっていう人をコーチしたら、変わりますよね?
── また全然違う感じになります。
谷口:でしょ?多くの人はどうしても自分と違う人をコーチすることを恐れるんです。ゾーンの人。
なぜかというと、『つるみの法則』といって、人間って自分と同類の人といるとラクなんですよ。
なので同じようなゾーンの人をコーチしちゃうんですね。
だからここはまず、自分はプロなんだと。で、そういう人をコーチする僕はコーチなんだって、アイデンティティをグッと上げていかなきゃいけないんですね。
#2 アイデンティティを上げる
谷口:そのためには、いろんな方法がある。
僕は起業した頃に、いろんな先輩コーチやいろんな人の話を聞いて、いろんな方法を知りました。
例えば、あるコーチから、あるコーチを雇ったという経営者の話を聞いたんです。経営者、クライアント側の話なんです。
その人は、起業仕立ての頃からコーチをつけてたんですね。
ただ、収入は少ないです、起業したてですから。どちらかというと、借金をして、自分の夢があって、自分のビジネスプランがあって、絶対成功するんだって思っている人。
でも、コーチを付けて一気に行くっていう時に、やっぱり付加価値はすごい高く感じるけど、どうしても収入が少ないのでコーチに払える金額が少ない。
その時に、そのコーチは、「じゃあ一緒に成長していこう。なのでスタート時点はその金額でいい。あなたが払える金額でいい。ただ、次の目標達成した時はフィー(fee)を上げよう。」
と言ったんですね。階段を上がっていく訳です。
なので、そのクライアントと目標の成長の度合いによって、コーチングフィーを段階的に上げるっていう契約をしてるんです。
── 段階的に上げていくっていう契約を。
谷口:「最初はゼロでもいい、君の夢に僕は賭ける、コーチとして。但し一年後、この目標が達成できた暁にはこれだけのコーチングフィーを支払って欲しい。それでいいかい?」っていうふうに決めていけばいいんです。
最初いくらって言ってたかな?数千円だったと思う。
最後はある程度の目標達成して、何年かして大きな会社になって、40万円払ってるんです。数千円から。
こういう方法も。あぁ、なるほど、そういう手もあるなぁ、と。
クライアントの成長と、目標達成を支援していくんだったら、一緒に上がっていくっていう契約を結んでもいい。
というのも、値決めの方法の一つ。僕もたまに使います。
次です。
これは多分、自称というか世界一のコーチだっていう、アメリカにアンソニーロビンズさんっていう結構有名な人がいるんです。
その人の話を聞いたのか、それとも何かで読んだのか、アンソニーロビンズにコーチをしてもらおうと思うと、最低で年間2億円かかるんですね。え~!と思ったんですけどね。
アンソニーロビンズは、誰がクライアントかっていうと、有名なのは映画俳優のアンソニー・ホプキンスっているでしょ?『羊たちの沈黙』とか、性格俳優みたいな、なんかすごい怖い役みたいなのをやったりする。
そうすると、社会的な地位や報酬は、もう、ずば抜けてるでしょ?アメリカなんかだと。
ただし、悩みや課題もあって、それが解消されたりしたら、アンソニーホプキンズにしたら、自分が抱える悩みがなくなるっていう事は、2億だったら安いわけなんです。
── そうですね。そうなります。
谷口:なりますよね。
だって、それで映画出演ができない、オファーが来ても受けられない、自分に対して自信を喪失している、でも自分は映画とかで実は生きていきたい、どうしたらいいんだろう?
っていう時に、それが解消して映画にどんどん出れたら、2億円払ったって安いもんね。
だから、トップテニスプレーヤーだったり、映画俳優だったり、政治家だったり、経営者が、アンソニーホプキンズがクライアントになるんですよ。
そういうのも聞いて、「そうか!じゃあイメトレだな!」って思ったんですよ、僕。
セルフイメージを上げるためにやってみたこと
谷口:どうやるかっていうと、まず、日本の総理大臣をコーチするイメージをする。一応トップじゃないですか。
あとは、有名な経営者をコーチする。自分は、そういう人たちをコーチするコーチなんだっていうイメージを作っていく。
そのために、僕、勇気を振り絞って、自分のアイデンティティ、セルフイメージを上げるチャレンジをしたことがあるんだけど、独立した後、すぐに元いた会社の社長に手紙を書いた。
僕のプロフィールを見ると、どこの会社にいたかって分かると思うんだけど、一応、ここではM社にしておきます。
そのM社長に、経営がちょっと上手くいかなくなった時期もあって、すごく孤独感を外から見てて感じたんです。一人で悩んでるみたいなね。
なので、「あなたにはコーチはついているのか?」と。
「今、あなたに必要なのはコーチじゃないか?」と。
「もしあなたにコーチがいないなら、私は恩返しのつもりで自分がいた会社に貢献したいから、あなたのコーチを買って出たい」という手紙を書いたんです。
書くときはまだいいんですよ。イメトレしてるわけですね。書いて、実際ポストに入れるのがすごいんですよ。
── 勇気がいります!
谷口:(勇気が)いるよね!
でも、僕はさっき言ったコーチングの対象っていうクラスもやっているし、『誰と何をコーチするか?』が、自分のプロとしての値決め、価値になるっていうのを知ってるんで、
やっぱここはダメ元で、どうせダメ元だから、勇気を振り絞って、自分の心を強くするために書いて、封筒に入れて、会社の本社の住所書いて、M社長様って書いて、切手も貼ったんだけど、持って外に出て投函しようと思うけど、これができないんだよね、怖くて。
でも、これがセルフイメージだ、アイデンティティだ、と思って、ポストの前まで行って、ポストに入れるんだけど、手が離せない!(笑)
でも、「ん!これが自分の勇気で、自分のアイデンティティを変えるんだ!」って、パッと手を離したんですね。
── ポトン、と(笑)
谷口:「いや~、やっちまった・・・。まぁどうせ読まないだろう。」みたいな感じで入れました。
そしたらね、数日後に返信が、お手紙が来たんです。
秘書がしゃべったのを書いたのかもわからないけれど、「貴重なご意見をありがたい。ただ、私は大丈夫。自分でできます。あなたもこれから頑張ってください。」みたいなお手紙が来て、今でも宝物のようにとってるんです。
このように、自分のアイデンティティ、セルフイメージを上げないと、自分より上のステージで生きている人にオファーを出せない。
もしくは、『自分はその人たちをコーチするコーチなんだ』っていうアイデンティティを持たないと、寄ってこないんですよ、そういうの。
鏡の法則っていうか引き寄せっていうか。なので、そういったことを思うことを勧めますね。
オファーを出してみよう!
僕が、プロコーチになりたい人をコーチした時、こういうことも結構テーマでやる。
ビッグチャレンジ、オファーを出して、全部NOでもいいんです、断られても。
自分は、そういうアッパークラス、ステージが上の人のコーチなんだっていうセルフイメージを作るために。
なので、あなたが本当にコーチしたい人は誰か?と。
例えば、映画俳優だったりとか、政治家だったりとか、プロスポーツ選手だとかって挙げてもらって、手紙を書けと。どうせ来ないからと。
ただ、自分はオファーを出したっていうセルフイメージはすごい高いものができるよっていうので、そういうリクエストをしたり。
ある僕のクライアントさんは、ビッグチャレンジで、社長さんってブログやってたりするんですが、ameblo?の社長を手あたり次第ピックアップしていって、そこにオファーを出した。
その中の一人は、amebloを出しているサイバーエージェントの社長さんにも出したんですよ。
楽天の三木谷さんとか、孫さんに手紙を出すとかって、やったらいいと思いますよ。
そういうレベルのことをチャレンジしていって、来なくてもいいんです。
自分のセルフイメージとアイデンティティを上げて、『自分は、こういう人と、こういうテーマをコーチする人なんだ』っていうのを作っていくと、値段って決まるかな。
ずいぶん話がそれたかな?
── 値段を決めるベースになるもの、背景にあるものを、こうやって固めていくんだということが分かりました。最初に谷口さんがおっしゃった、なかなか今はそういうことを教えてくれない、誰も教えてくれないことをお聞きできた感じです。
コーチになりたい方だけじゃなくて、独立してビジネスをやる方には必須の考え方、それをたどるといいプロセスですよね。貴重なお話です。
谷口:あとは自分の価値、付加価値が値段だから、コーチは。
なぜかっていうと原価ないからね、ほとんど。
だから、クライアントは、僕をコーチにつけることによって得られるもの、これベネフィットですね、の付加価値に対して対価を払うわけなんですよ。
っていうことは、その人が何が得たいか、何が得られたかによって、安くも高くもなるんです。
例えば、僕をコーチに雇うことで、この夢が叶ったら僕に1000万円払ってもいいと思うものってなに?。
── 年間1000万円のコーチングフィーを払っても惜しくないような。それだと自分のビジネスの規模が今より10倍になるなら1000万円のコーチングフィーを喜んでってなります。
谷口:でしょ?だからある人は、例えば、自分が本当に出したい本が世の中にでて、それが多くの人の手に渡ったらこれだけの価値があるとか、それは人によって違うんですよ。
だから、その人の付加価値に値段がついてくる。
だから、やっぱり「誰を」と「何を」コーチするかっていうのを決めた方がいいかな。
── 大事ですね。コーチングの対象をまず明確にする、「何」と「誰」を明確にしようって、そういう意味合いだったんですね。
谷口:だから、変な話、極端に言ったら原価ないんで、値段ってあってないようなものですね。
だから、自分で「誰」と「何」を決めたら、それにふさわしい値段を決めればいいんじゃないかな。
── そうですね。さきほど谷口コーチは、コーチングの対象を皆さんが明確にするクラスを教えていらっしゃった時期があったとお話されてたのですが、もし可能でしたら、こういうことをお伝えしてたよっていうのを、もう少し詳細にお聞きできたら視聴者の方も喜ばれると思うんですが・・・。
谷口:はい。僕がやってたのは「コーチングの対象」っていうもので、こういうのをした方がいいよっていうのもあるんですけれど、こういうのはしてはいけないっていう対象もあるんですね。
コーチングの対象にしてはいけないものとは?
谷口:それを明確にした方がいいんだけれど、国際コーチ連盟のガイドラインに沿っていくと、似て非なるもので、カウンセリングとか、セラピーとか、コンサルタントってあるんですね。
そういう専門家たちが扱うテーマは、その専門家に任せなさい、みたいな。
ただ、多くのコーチたちは、その、特にカウンセリングとかセラピーまではいかないけれど、コンサルタントとかに手を出しちゃうんですよ。
なぜかっていうと、悩みだから非常にニーズとしたら顕在化してるんですよ。
そうすると、あなたも、「こうして、こうして、ああして、こうしてこうなって、どうしたらいいんですかね?ぜひ相談に乗ってもらえませんか?」
とか、アドバイスを求められると結構自己効力感あがりません?
── あがりますよね。
谷口:だから、悩んでいる人が助けを求めてくると、助けたくなっちゃう。
なぜかっていうと、自己効力感、自己存在感、が高まるんです。だから人って、みんな人にアドバイスしたがるんです。
でも、それって悩みの解消だから、「値決め」で言うと、値段って高くなんないんですよ。カウンセリングとかだと。
── そこは値段と関係ないというか、関わらない部分になってくるということですね・・・。
谷口:よくこういう言い方をする人がいるんですね。
「現状より、さらに高みを目指すことをテーマとする。カウンセリングって、現状より落ち込んだものを元に戻す。元に戻るというと、治癒なんですね。
なので、得られるというか、元に戻るので、治療費みたいになっちゃう。さっきも言った、付加価値じゃなくなるんです。加わっていかないんです。
そういうのを対象にすると、あまり上手くいかないですよっていうのも、お悩みの解消というか、悩み相談とかならやらない方がいい。
コーチングの対象でも扱ってない。でも、結構やっちゃうんですね。
で、お金の話で言うと、「谷口さんのおかげですごく軽くなりました!」とか言われると、気持ち的にはうれしいわけですよ、「役に立てた~」って。
でも、付加価値じゃないから「じゃあ1000万円ください」って言っても、「いや、1000万円は・・・」ってなっちゃうじゃない?
だから、国際コーチ連盟のガイドラインではカウンセリング、セラピー、コンサルティングは専門家に任せましょう。コーチは、コーチの対象と人をコーチしましょうっていうふうになってる。
── なるほど。
谷口:今ないんですよ、プロコーチ養成講座っていうのが。
── コーチングを教えてくれる所はたくさんできてきたけども、ってことですね。
コーチング+αで必要な知識って?
谷口:なので、僕は昔、虎プロ(稼げるコーチになるための虎の穴プロフェッショナル)って言って、プロのコーチを育成してた。
っていうのは、
- コーチングもできるようにならないといけない(コーチとしてのスキル)
- セールスもできないといけない
- コーチングの対象について知らないといけない
- 値段の交渉や、値段の設定もできるようにならないといけない
- ブランディングやマーケティングもできるようにならないといけない
昔のクラスでマーケティングとかあったんですよ。今ないですけど。
最低限のマーケティングとセールスはビジネスで一人でやっていくなら絶対必要じゃないですか?
── 必要です。
谷口:だって、会社にもあるでしょ?セールス部門とマーケティング部門と。
でも、多くのコーチは個人事業主でするので、全部やらなきゃやらなきゃいけない。経理も総務もセールスもマーケティングも。
なので、一人でプロとしてコーチとしてやっていきたいって人には、そういうことも教えたいんだよね。
── そうですよね。ビジネスとしては、本当に大事な所ですもんね。
谷口:そうなんですね。
コーチングが広まったのはすごく良かったなと思うんですけど、だからもちろん、マネージメントにも導入してますし、リーダーシップにも導入しているけど、
逆に言うと、プロのコーチになりたいっていう人がもしかしたら困ってるんじゃないかな?どこで習ったらいいのか?ってね。
── なんか、それとても想像できます。きっと向上心の高いプロを目指す方って、もちろんコーチングの勉強もして、マーケティングとかセールスも別の所で勉強してみたいに、いろいろ回ってらっしゃるというか、いろんな所探して勉強をしていくのかなって。
それが、もし、谷口さんのようにご自身が全部経験したことを、コーチがプロのコーチとして活躍し続けるために必要なことを教えてくれると、特化されているので無駄が無い。すごく早いですよね!
谷口:と思うんだけどね。
── それはおそらく『ザ・コーチTV』をご覧になってて、ビジネスとしてコーチングを使っていきたい、コーチとして独立もして、しっかりビジネスとして回していきたいという方にとっては、ものすごいニーズがあることだと思いますよ!谷口さん!
プロコーチを目指す人のために・・・
谷口:2014年でプロのコーチを育成するっていうのは一旦終了したんだけど。
── それは、2014年まではされてたんですね?
谷口:そう。7年間やって。僕の所に来てくれた人は日本中で結構活躍してくれてるし、多分コーチングの世界にいる人は、「え、あの人もそうなんですか?」みたいな人がいっぱいいると思うんだけど。
最近、またムクムクとね、僕もほら自称バージョンアップしてるつもりだから(笑)
── それは、その通りです!
谷口:今還暦を過ぎて、この年になってコーチをやっている僕だからこそ、また違って伝えられることがあるんじゃないかなっと思って、ちょっと考えてるんです。
── 本当ですか?それはすごいビックニュースです!
谷口:その考えがまとまったら、形になったら紹介しようかなと。
── ぜひぜひ、『ザ・コーチTV』の方で、一番早く皆さんにお聞かせいただければ嬉しいです。
谷口:そうだよね。だって、困ってると思うんだよね。
コーチング習ったけど、まずプロフェッショナルのプロフェッショナルって何?って。
あと、個人事業主、簡単に言うと、ビジネスとして自分を認知してもらって、買ってもらって、そこに値段を決めて、売り上げを立ててビジネスを継続していくっていうの別だからね。
── そうですね。深いといいますか、今日お伺いしたことをまず知らなかった、という方が多いと思いますし、これはみなさん目から鱗というか、こういう観点が必要だったんだって感じてらっしゃる方、多いと思います。
谷口:もし見ている人でプロのコーチがいたら、一度ビビるオファーを、出すのにすごくドキドキするような人に、「ぜひ!あなたのコーチをさせてくれ」って、お手紙を書いて投函することをお勧めしますね。心臓に毛が生えてくると思います。
── そうやって一つ一つ自分が行動することで、自分自身のセルフイメージやアイデンティティを高めていくって、何か行動しないとそれは積み重なっていかないですもんね。
ぜひ、ちょっとこんな人に?っていう人にお手紙を書く。ドキドキしながら書いてポストに持って行ってポトンをやってみるっていうのをチャレンジしていただきたいですね。
谷口:まあ、自分は、こういうステージ、こういう人をコーチするコーチなんだっていうアイデンティティを持ってほしいなって思います。
そしたらおのずと値段は決まってきますよ。
── 今日は本当にありがたい貴重なお話を伺うことができました。谷口コーチありがとうございます!
谷口:昔の授業を思い出しました。
── 今日お話しくださった、プロのコーチを育てるための新しい取り組みを、ぜひ実現していただいて、最初にこの「ザ・コーチTV」が始まる時に谷口コーチおっしゃった、「この世界にプロのコーチをもっと増やしたい。そしたら世界はもっと良くなる」、それに取り組んでいかれると思うと楽しみでワクワクしています。楽しみにしています。
今日も貴重なお話をありがとうございました。
谷口:こちらこそ、思い出してすごい僕も楽しかったです。