コーチングに資格は必要ですか? #44

最終更新日:2021年4月25日

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── 今日は「ザ・コーチTV」の視聴者の方からいただいた質問に谷口さんに直接お答えいただきたいと思います。

momoさんからのご質問です。

現在コーチを目指しており、谷口さんの本を読んだり動画を拝見しております。

今現在コーチングを受けながら勉強中で、知識の無さに失礼を承知で質問させて頂きますが、

コーチングに資格は必要ですか?

必要であればおすすめの資格(認定)はありますでしょうか?

というご質問です。よろしくお願いします。

谷口:まぁ、よく聞かれることだし、コーチの世界の中でもよく話題になることなんですが、コーチングを受けながらコーチングを勉強していると書いていたかな?

なので、どこかのコーチングの学習の講座とかスクールに行っているわけではないのかな?

── そうですね。文章からはスクールに通っているふうには書かれてませんね。「コーチングを受けながら勉強中」と書かれてますね。

谷口:あとは、コーチングに資格は必要ですか?という質問でしたよね。

まず、「コーチングに資格は必要ですか?」というただの質問だと、必要ないです。

── 必要ない。

谷口:別に国家資格でもないし、資格がないと開業できないとかっていうものでもないので。

例えば、コンサルタントって資格がないですよね?「コンサルタントです」って名乗ればできちゃうので。

だから必要かどうかというと、必要ない。

でも、お医者さんは、開業するのに医師免許が必要だし、僕は不動産とか建築業界にいたので、

例えば、不動産であれば、宅地建物取引主任者、宅建というものは国家試験なので、必要といえば必要です。不動産を開業しようと思ったら必要になってきます。

そうやって、資格が必要な職業というのは結構ありますね。

だから、コーチングはそうかと言うと、そうではない、が答えなんです。

資格がなくてもできますし、開業もできます。個人事業主として開業届も出せるし、会社も興せます。

ただし、この人がプロフェッショナルコーチ、簡単に言うと、コーチを生業にしよう、仕事にしようとしたときには、ちょっと変わってくると思います。

資格が必要になってくるのはどんな時?

谷口:例えば、仕事にするということは、取引先、つまりサービスを提供するユーザーというか、僕たちの世界ではクライアントとか、企業とか、個人とか、サービスを受けてくれて、対価を払う人がいるわけですね。

だからサービスと報酬のやり取りがあるわけです。ですので、それは口頭にしろ、契約形態になるわけです。そのときに、サービスを受ける方、ユーザー側の立場に立つとしましょう。

世の中にサービス提供者がいっぱいいるとします。Aコーチ、Bコーチ、Cコーチ。もしくは、Aコーチング会社、Bコーチング会社、Cコーチング会社というものがあって、(ユーザー側は)悩むわけです。

「あぁ、コーチをつけたいけど、どれがいいかな?」とかね。「どういう基準でコーチを選んだらいいですか?」なんていう質問もよく受けるんだけど、そのときに、会ったことがない。全部、どの会社の人も。

どのプロコーチも会ったことがないとすると、何をもって信用しようか?というところに、人ってなると思うんですね。

── そうなりますね。

谷口:僕たちはサービスを提供する側なので、サービスだと、やっぱり信用を担保するものを一生懸命作りたいわけですよ。

例えば、美容院だと、よくこういうのが出ていますよね?「世界チャンピオンがいるお店」とか。

── はい、見かけますね。

谷口:「世界ランキング○○」とか書いてあると、「あ、ここなら大丈夫そうかな?行ったことがないけど」、というふうに思うわけでしょう?

あとは、今だったら、レビューとか利用者のコメントとか星とかを見ますよね?

── はい。サイトにはそういうのがあります。

谷口:なぜ見るのかというと、選ぶときに不安だからですね。

プロコーチとして看板を掲げて「コーチです」と名乗ったとしても、僕のことを知らない人は、「谷口は信用できるのか?」って不安になるわけですね。

「契約をして、お金を払っても大丈夫なのか?」となったときの、信用を担保するものの1つに、資格はあったほうがいいと思います。

例えば、「コーチです」っていう人があっちにもこっちにもいて、どれにしようかなと思ったときに、

「資格はありません。でも自信はあります。」という人と、「資格もあります。実績もあります。自分でサービスに対して自信もあります。」

というふうに現れたら、何か選ぶときに変わるよね?

── 変わります。もう迷わずに、資格と実績と自信がある方を選びますね。

谷口:ですよね。だからまず、信用を担保する。

ビジネスは、とにかく信用がないと、お客さんがまず来ない。まず来ないというか、出会わないと言ったらいいのかな。

接点が少なくなっちゃうんですね。そういう意味では、あったほうがいいと思います。

コーチとして選ばれるには?

谷口:次に、日本のコーチング界というのはアメリカから10年も20年も遅れていると言われているんですが、アメリカではコーチというのが始まって、コーチになりたい人がいっぱい増えて、コーチングの大学とか、コーチング養成機関とかができて、そこへ(人々が)どんどん習いだしたんですね。

すると、コーチを教えてくれるいろんな学校ができるわけです。そうすると、自然と世の中に、コーチングを勉強した人がいっぱい出てきたわけです。

「私もコーチです」「私は何とかコーチです」「私は何とかコーチです」みたいに。

そうしたときに、ユーザー側が混乱したんです。誰を選べばいいんだ?って。

すると今度は、「何かこの人は良さそうだな」みたいにして選んだとしたら、実感値が期待よりも低い、下がっている、落ちているというケースが出てきたんです。期待して頼んだら全然駄目だったじゃん、みたいな。

そうすると、不満になるんです。

期待よりも実感値が下がると、不満になるんですね。

すると、コーチという本当の意味の業界全体が信用をなくしてしまうというので、国際コーチ連盟が、コア・コンピテンシーという、規範みたいな、基準みたいなのを作ったんですね。

それが、資格取得の条件になったんですね。で、なぜかと言ったら、それは信用なんです。社会的信用を担保するため。

聞いた話では、アメリカでは、とにかく会社とか一流企業とか政府とか、そういったところがコーチを雇うというのは当たり前なんですね。

じゃあ、どういう基準で雇うかといったら、国際コーチ連盟の資格ホルダーであるかどうかというのが、まずベースになっているんです。

なので、日本もだんだんそうなってくる。コーチというものを企業が雇うし、経営者が雇うし、起業家や個人も雇う時代が、遅かれ早かれくるんですね。

一部分はもう雇っているんですが、そうしたときに、世の中にいっぱい何とかコーチがいたら、どこを選んだらいいんだ?というときに、アメリカの後を追うように、国際基準の資格を有している人をまずは探そうとか、あたろうというふうに、僕はなるんじゃないかなと思うので、

momoさんが、コーチを生業にしていく、コーチとして、プロとして、これをビジネスにしていくとなったら、資格を取ることをお勧めします。

どの資格を取ればいいのか?

谷口:じゃあどの資格がいいですか?というと、各講座とか養成機関でも、独自の資格は出してます。

ただ、やっぱり長期的に見たら、この国際コーチング連盟(ICF)の資格で、ACC(アソシエイトサーティファイドコーチ)というんですけれど、簡単に言うと初級ですね。

で、PCC(プロフェッショナルサーティファイドコーチ)、最後がマスター、MCCというふうになるんですが、

まあ現時点だと、「国際コーチング連盟の資格ホルダーです。ACCです。」って言っても、多分一般の人はそれが初級だってわからない。

現状では、ACC、PCC、MCCの、あまり区別がつかないので、まずとりあえずはACCを取っておけばいいと思います。

ですが、一般の人がこの3つの違いがわかるようになると、みんなが国際コーチング連盟の資格を持っていたとすると、1人はACC、1人はPCC、1人はMCCとなって、今度は資格のレベルによって信用の差が出てしまう。

ですので、ビジネスで一生やっていくというんだったら、なるべく段階的に上のレベルの資格を取ることをお勧めします。

こんな感じかな。答えになってるかな?

── とてもわかりやすいです。

谷口:だから、コーチングをやるといっても、コーチングを日常に活かすんだったら、子育てでも、教育でも、スポーツの指導でも、いろんなところで活用できるんですね。そのレベルだったら資格はいらない。

プロとして、ビジネスとしてこれを生業にしていくといったら、あったほうがいいかな。

── ありがとうございます。この「コーチングに資格は必要ですか?」というご質問は、コーチングの勉強を始めた方がよくされる質問の1つかと思うんですが、改めて今日こういうふうに谷口さんの見解を教えていただいてよかったです。ありがとうございます。

谷口: momoさんが、将来どういった自分のキャリアやビジネスのビジョンを持っているかによって大きく変わってくるんじゃないでしょうかね。

でも、ぜひ、コーチになってほしいなと思います。

コーチという人がいっぱい増えたらいいなと思うので。それは期待を込めて、ぜひmomoさん、コーチになってください!

── momoさん、お待ちしております!

谷口:はい!お待ちしてます!

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