執着心を捨てたい!相手に振り回されずに生きていくには?【前編】 #41

最終更新日:2021年4月4日

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谷口コーチに質問する

── 今日は「ザ・コーチTV」の視聴者の方からいただいた質問に谷口さんに直接お答えいただきたいと思います。

かずさんからのご質問です。

谷口さん、こんにちは。

いつも動画で勉強させていただいております。谷口さんにご相談したいことがあります。

ほんの短い期間だけ付き合った彼氏のことについてです。

相手と同意して付き合ったはずなのに、約束を守らず他の女の子ともデートをしようとしたり、私の性格や個性を否定してきたりと、私のことを大切に思ってくれているならしないような行動をとられていました。

別れることになった際も、「今の段階では君と結婚とか将来をイメージできないから付き合うことはしないけど、お互いのことをまた知っていったら好きになるかもしれないし、今後も定期的に会って話はしたい」と、往生際の悪い言葉を残していきました。

周りの人に相談すると、お相手の言動はみんながみんなやめておけというようなもので、私も相手が自分のことを幸せにしてくれる人ではないと思います。

それでも、優しかったときのことを思い出して、どこかで連絡が来ないかなと思ってしまう自分がいます。

相手に文句を言いたいから、きれいになった自分で見返したいから、というような言い訳を作って、また相手から連絡が来たら会いにいってしまう気がします。

相手に執着してしまっている自分を、どうにかしたいです。

以前は安心して話ができるところが好きだったのに、性格を否定されたりとその安心感がなくなった今、それでも相手のことを気になって一緒にいれる方法を探してしまっています。

相手が社会的に地位があったり外見が素敵なこともあり、その人と付き合うことで自分の自信のなさをカバーしようとしているのかもしれません。

相手に振り回されずに生きていくために、アドバイスがあればいただきたいです。

よろしくお願いします。

── というご質問です。いかがでしょうか?

谷口:これはコーチングのノウハウやスキルというよりも、還暦を過ぎている僕の人生経験と、コーチングやその他のことをいろいろ勉強してきた、その知識や経験から、「こうなんじゃないかな?」と思い当たることが、今の話を聞いていてあったので、まあ「こうなんじゃないの?」みたいなのはお伝えできるかもしれないですね。

なんか、ラジオのパーソナリティみたいになってきたね。「何でも来い!」みたいな。

── ご経験からぜひお願いします。

谷口:はい。では、人生の経験と、あとはテーマは恋愛なんですけど、コーチをしていると、恋愛じゃないけど、相手のことが話題になることがあるんです。

例えば、上司だったら部下とか、起業家だったらパートナーだとか、相手を「ステークホルダー=利害関係者」って言うんですけど、それがゴール達成のための一つの要因として出る時はあるんです。それをヒントにお話ししようかなと思います。

文章から聞こえてくることとは?

谷口:コーチやっている人もたぶん見てるよね?この質問してくださった方は、たぶん文章をwordで打って、お手紙を書いてくれて、それを読んでくれているんですね。

この文章に答えが結構ある感じがする。

まず、最後の方に、「見た目がかっこよくて、いい男で、この人の彼女でいることで、自信のない自分が自信を持てそうな感じがする。」という文章ありましたね?

── ありますね。そこの部分を読んでみますね。

「相手が社会的に地位があったり外見が素敵なこともあり、その人と付き合うことで自分の自信のなさをカバーしようとしているのかもしれません。」

谷口:もうこれ聞いただけで、「この人、自分で答えをしゃべってるじゃん?」みたいな。

── 確かに。自分で認識していらっしゃるんですね。

谷口:そうそう。コーチをやっていると、無自覚でしょうけど、こういうのが聞こえてくるんですね。

だから、その言葉の意味よりも、そのアウトプットしていることを、これを「アクティブリスニング」って言うんですけど、これを聞き取ろうとすると、ここに何か1つ、この人自分で自分の答えというか、よくいう、重要なことをしゃべっているなと思う。

それと、最初の方に、「同意したのに、時間に遅れたり、性格を否定したり…」という文章ない?

── ありますね、そこも読み上げましょうか。

「相手と同意して付き合ったはずなのに、約束を守らず他の女の子ともデートをしようとしたり、私の性格や個性を否定してきたりと、私のことを大切に思ってくれているならしないような行動をとられていました。」

谷口:はい。これ相手のことを言っていますよね?

相手の資質を想像してみると、この女性に非難をしたり、否定をしたり、つまり尊重しないということですね。時間に遅れるとか。

では、この男性のセルフイメージは高いと思う?低いと思う?

── 高くはないですね。

谷口:なさそうですよね?

だって、セルフイメージが高い人っていうのは、人を批判したり、非難したり、攻撃する必要がない。自分を尊んでるから。

セルフイメージが低い人は、相手を陥(おとしい)れたり、貶(おとし)めたり、蔑(さげす)んで、自分のポジションを保とうとする。

ということは、まず相手は(セルフイメージが)低そうだなっていう感じがしますね。そういったことを「類友」と言って、似たようなステージの人を引き合わせる。

なので、何か、望んでお互い引きあってるんじゃないの?っていう感じがする。無意識で。

言葉から、この男性も、時間を守らない、意地悪をする、相手の性格を非難したり、批判をする、ということで、得られていることないですか?

相手を攻撃してしまう、その本心は?

── なんか、自分が優位に立っているみたいな感じなんでしょうか?

谷口:あるよね?相手を下げることで優位性を得られるかもしれないね。それ、動物の本能なんです。

子どもって、保育園や幼稚園に行くと、外に出るじゃないですか。これは社会に出るということですよね。すると、社会に出たとたん悪口覚えてきません?何でだと思う?

たぶん、ずっとパパとママと子供の関係だったら、悪口覚えないですよ。保護されてるから。

社会に出たら、もっとジャングルとかでいったら生存しなきゃいけない。ってことは、相手を貶(おとし)めたり、弱点を見つけたり、攻撃して、優位に立った方が良いと思うんだよね。だから悪口から入る。

── それはある意味生存本能ということ?

谷口:生存本能だと思う。だって不思議だもん。なんで、保育園や幼稚園行ったら悪口から覚えるのか。

── たしかに!

谷口:他者に対して常に優位に立たないと。だから守る。

たぶん、この人もそうなんだろうなと思うんだけどね。

あと、メリットとすると、僕もそうだったけど、好きな子って意地悪したくなるじゃない?反応が来るからです。「なにやってんのよ!いじめないでよ!」っていう反応が欲しい。

たぶん、この男性も、意地悪したり、いじめることで、「やめてよ」とか、「もっと優しくしてよ」とか、とにかく反応が欲しいんじゃないかな?と思う。

言葉の端々から聞こえてくるのは、僕の経験上は、お互い様みたいな感じ。

だって、反応するから相手は喜んで、もっと意地悪したり批判する。これ無視してごらん?辛くなるよ、いじめる方は。反応しないってことなんですけどね。

では、どうするか?と言うと、実はこれね、似たようなことを書いてるんです。

僕の電子書籍で、『謙虚になるな』という本や、『ザ・コーチ2』でも、セルフエフィカシーみたいな言葉を書いてるはずです。

自分を変えることから始めてみる

谷口:自己効力感やセルフイメージの話を、少し『ザ・コーチ2』では書いているんですが、

たとえば、この相談をしてくれた女性が、自分のセルフイメージが好転して、非常に自己受容感が高くて、自己信頼感が高く、自分で自分のことを信用して、信じて、まずは自分を誰よりも大切にする。そういう状態にさらに浄化していくというか、自分のセルフイメージを上げていったら、この男性はどうなるか?

男性が一緒にいると思う?

── たぶん、いられなくなる。

谷口:いれなくなるでしょう?離れていきます。居心地が悪いはず。

だって、(今までと)全然違う。もう攻撃したり、いじめられる雰囲気もないし、何かを言っても反応されないとなると、この男性は他にいくんじゃないかな?自分がいじめたり、批判したり、意地悪をすると、「やめてよ!」と反応してくれる人に。

ということは、この女性は、この男性を変える必要はなくて、自分を変えると、男性との関係が変わってくる可能性があるかな。

では、この女性がセルフイメージを上げ、今は好きな恋人がいない状態だとします。

この変わった女性に対して、最初と同じような、依存しているような、攻撃して自分のニーズを満たしているような、似たような男性が寄ってくるかな?

── もう近寄ってこないような気がします。

谷口:どういう人が寄ってくる?

── 逆に、自己効力感の高い、人を非難するようなことを言わない、人格が成熟した方が近寄ってきてくれるような気がします。

谷口:そうですよね。このことをコーチングでは、「スペースを空ける」という言い方をするんです。

たとえば、10年前に買ったパソコンに、最近トラブルが起きるようになってきた。それで、思い切ってそのパソコンを手放したとします。そうしたら、スペースが空いたでしょう?

元々あったパソコンを手放したことによって、そこに必要なパソコンがなくなったわけですね。同じものを買う?

── 買わないですね、絶対。

谷口:今の自分は、パソコンの能力もスキルも上がっているはずだから、今の自分にふさわしいスペックのものを買うはずです。

これを、「スペースを空ける」という言い方をするんです。

こういう話って世の中にいっぱいあるんですけれど、コヴィー博士の『7つの習慣』に、「反応と影響の輪」という話がある。

外からの反応(刺激)に対して反応してしまうときと、外からの影響や刺激に対してスペースをおいて、自分はどう対処しようかを選択して、影響していく。

こういう「影響の輪」とか「反応の輪」っていうのがあるんですね。自ら、自分で。自分主体なのか、外主体なのか。

自分の内側に関心を向ける

谷口:この方は、反応の輪にとらわれている感じがするんです。外からの刺激に翻弄されている。

でも、コヴィー博士は、影響の輪を広げていく、と。だから、外からの刺激に対してすぐに反応しない。ああだこうだと振り回されない。内側から影響の輪を広げていく。

それが、主体性を発揮するという習慣になって、次に相互依存になる。お互いに影響し合って高めていく。

この方が幸せになるには、反応の輪から影響の輪を広げていき、主体性を発揮し、セルフイメージが上がって、似たような人とパートナーを組んで、お互いに相互依存になっていく。

そうなると幸せになるんじゃないかな、という気がするけれどなぁ。

なので、もしもアドバイスをするとしたら、外に関心を向けるよりも、自分の内側に関心を向けて、自分のセルフイメージを上げる。

つまり、自己受容感、自己信頼感、自己尊重感。反対は、自己否定感、自己不信感、自己卑下です。

自分が自分をどのように扱うのか、認識しているのか。

そのステージを、いきなりじゃなくていいので、高いセルフイメージのほうに移行するように内側に関心を持っていって、そのための努力や行動をしていくと、自ずと外の世界は変わっていくんじゃないかな。

変わってきそうですよね?

僕は、この話をセルフイメージの講演やセミナーでする時に、壺の話をするんです。興味はある?

── 良かったらそれも教えてください!

・・・・・・【後編】#42に続きます・・・・・・

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