コーチの収入事情を細かく解説!【コーチングとお金】 #59

最終更新日:2021年11月4日

―― コーチは、クライアントの成長や目標を達成して喜んでいる姿を目の当たりにできる、とてもやりがいのある仕事ですが、どれだけ収入を得られる仕事なのか?という面も少なからず気になっている人も多いと思います。

コーチには、どんなキャリアプランがあって、どれぐらいの収入を得られる仕事なのでしょうか?

谷口:わかりました。では計算してみましょう。

コーチの収入源とは?

谷口:「コーチ」という事業のサービスメニューって言ったらいいのかな?提供できるコンテンツがいくつもあるんですけど、まず代表的なのが、パーソナルコーチングですね。個人の夢や目標を支援する、でいきましょう。

これはちょっと労働収入になる。「単価×人数」になっちゃうんですけどね。大体一般的によく言われるのが、月3万円で、これだけをビジネスにするとしたら、月当たり20人ですね。

パーソナルコーチングだけだったら、20人は全然楽勝なんです。そうすると3万円×20人=60万円です。×12か月だと720万が収入というか売り上げになります。

では、僕はいろんなところで何回も言ってるんですけど、コーチの収入というのはコーチングの対象で決まる。つまり「誰」の「何」で決まるんですね。

イーロンマスクの新規事業のアイデア出しだったら、月1000万ぐらいもらえるかな。1000万は現実味がないとして、こういうふうに「誰」の「何」でここ(単価)が変わるってことです。例えば経営者や起業家だと、単価が全然変わってきちゃうんですね。だから青天井になる。

僕が起業したての頃、アメリカにアンソニーロビンスという、世界一高額なコーチングfeeをもらっている人がいて、その人にコーチしてもらうと、年間最低2億円ぐらい払わないといけない、という話を聞いたことがある。

「すごいなコーチ!」って思うんですけど、ということは、月2000万弱ということだよね。もし、クライアントがブロードウェーの俳優のアンソニーホプキンスだったら多分楽勝だよね。

あと、テニスのトッププレーヤーとかがクライアントさんだったらしいんですけど、毎年何百億とか稼ぐじゃないですか。なので安いもんです。だって経費で落ちるんだからね。

計算しやすいように、「誰」の「何」が変わって単価が5万円になる。×20人だとすると100万円、×12にすると1200万円ですね。パーソナルコーチングだけでいくと、これぐらいはすぐ行きます。

では10万円×20人でいったら200万円ですか?×12というと2400万円。現実味があると思ってもらったらいいです。だから「誰」の「何」ですね。これがパーソナルコーチングだけですね。

パーソナルコーチング以外に収入源となるものは?

谷口:僕も最初はパーソナルコーチングが多かったんですけど、途中でいろんなものが入ってくるんですね。例えば、いろんな言い方があるんですが、コーポレートコーチングとかチームコーチングとか。要はチーム、プロジェクトチームっていうのがありますよね?このチームをコーチするというのがある。

代表的なのは、いろんなプロジェクトの目標達成を支援するものですね。こういうのもコーチとして支援できます。

例えば1チームの支援当たり50万円で引き受けたとします。そうすると、50万円×1チーム×12=600万円ですね。これ(パーソナルコーチングを年間720万円)やりながらこれは可能です。すると1300万円ぐらいになりますよね。

これが2チームになったら1200万円でしょ?こういう計算もできますね。こういうのもやっていく人もいます。パーソナルコーチングの人数を減らして、コーポレートコーチングを増やしていく人もいる。

あとは、研修とかもありますね。企業研修っていった方がわかりやすいかな。一般的に、ざっと、大体1日研修で50万~70万、会社は払ってるんです。これを月に4日やったとします。すると50万円×1日×4日=200万円。これが月当たりですね。×12か月だと2400万円。

これはすごくリアリティがあります。だって月に4日登壇すればいい。これには準備期間とか移動期間がありますけどね。

代表的なコーチの収入源とかキャリアってこんな感じです。このパーソナルコーチングの人数をやはり僕は最初20人以上やってましたね。それからだんだんパーソナルコーチングを減らして研修に行ったりとか、コーポレートコーチングに移動したりしました。でもこれらは労働収入だったりしますよね。

そして次に、講座やコンテンツ。経験を積んでくるとこれができますよね。だから僕は今こっちが割と多くなってきてるんです。すると、講座の種類によっても違うんですけど、参加費80万円ぐらいの講座がありますよね。×20人募集できたら1600万円。こういう収入源もあり得るってことです。

まずはコーチングの経験を積む

谷口:今書いたものを、全部最初からいっぺんに、という人はあまり見たことがないです。

コーチを始めると、コーチングの実績を積みたいし、コーチングをいっぱいすることによってコーチ力が付いてくるんですね。なのでパーソナルコーチングから入る人が多いです。パーソナルコーチングをとにかくいっぱいやる。

これを何年もやって何時間何人という実績を積むと、前に言った国際コーチ連盟の資格を受験する条件を満たしてくるんですね。コーチング時間何百時間とかになってきて、それでプロフェッショナルコーチだとかマスターコーチになる。

するとさらに信用が高まってくるので、コーポレートコーチや研修、というふうにしていくと、今度はパーソナルコーチングが減ってくるんですね。

そして、コーポレートコーチや研修を増やしていって、最終的にはそれで培ったノウハウで、このコンテンツや講座になっていく、みたいなパターンっていうのは結構描きやすいんじゃないかなって思っています。コーチング業だけでもいい感じだよね。720万って。

僕コーチング業やってわかったことがあります。僕、一番最初にやりたかったのが飲食業だったんです。喫茶店とか料理屋さんって、上がりって何%ぐらいだと思う?

―― 30%とかですか?

谷口:昔、そうでした。まず、材料費が3割ですね。そしていろいろな固定費、人件費や家賃が3割。あと上がり3割っていうのが大雑把な皮算用なんですね。3・3・3なんです。

そうすると売上のうち6割無くなるってことでしょ?飲食業だと上がり3割だから。コーチの上がりは9割以上ですからね。だって何も材料も人件費もオフィスもいらないんだもん。昔なんて電話一本でできたんだもんね。ということは丸々収入になるんです。

だからこれからコーチやる人は結構税金持っていかれますよ。研修も移動費ぐらいだもんね。なので、キャリアで言うと、こんな流れが多いってことですね。

この辺がカウンセラーと違うんです。カウンセラーってそんなに青天井にならないんですよね。どうしても解決が目的だから。コーチは達成が目的です。だから「誰」と「何」が。

カウンセラーの「誰」と「何」ってあんまり変わんないじゃないですか。でもコーチ業って「誰」の「何」を変えていけば、どんどんアップグレードできるんです。魅力的だと思いますよ。

僕はコーチ業やる人には初年度はこれ(3万円×20人×12=720万円)目指したら?って言ってます。やればできるので。ですから他の事業に比べてコミットして行動すれば、すごくリスクは少ないと思います。なのでおすすめします。

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