フォローコーチングで使う重要なスキル3選 #85
―― 今回は「フォローコーチングで使う重要なスキル3選」と題して、フォローコーチングで使うコーチングスキルのうち、特に重要な3つのスキルを谷口コーチに聞いていきたいと思います。
フォローコーチングは、継続的なコーチング契約を結んだクライアントに対して、一番回数が多く行うコーチングプロセスになると思うのですが、そのフォローコーチングを行っていく中で、特に重要なコーチングスキルを3つ挙げるとすると、どんなスキルになるのでしょうか?
谷口:3つに絞るっていうとちょっと難しいんだけど、でもあえてというとですね、まずフォローコーチングの目的っていうのがあるんですね。
フォローコーチングの目的とは?
オリエンテーションをやって、プレコーチングをやって、そこでゴールセッティングをしてスタートを切るわけですね。そしてゴールまで行く。
それが3か月なのか半年なのか1年なのか、ゴールによって違いますが、そのスタートからゴールまでの間に、定点的に繰り返し会話をしていくんですけれど。
じゃあ「1年間契約しました。2週間ごとに定点的に会話をしていきましょう。」っていうふうにします。そうすると2週間スパンでフォローコーチングをしていきます。
ここまではいいですか?
―― はい。
谷口:じゃあフォローコーチングの目的は何かって言うと、定点的にいくんですが、一つが「行動の継続」なんです。
―― 行動の継続。
行動を継続するために必要なスキルとは?
谷口:例えば、山登りに例えましょう。
富士山頂まで行きます。今、五合目に来ていよいよ登りだします。で、行きますね。歩き出すわけですね。山だから山道を登りだします。登り続ければ山頂に行きません?
―― はい、行きます。
谷口:行動が継続すれば。でも、行動が途中で止まったら?目標は?
―― 止まったら達成できない。
谷口:出来ないですよね。だから継続するっていうことなんですね。
で、ゴールまでに必ず道のりを継続すればいいんですが、行動が継続するためにはモチベーションやエネルギーってありますね。
では、エネルギーを元気に変えます。
若松さん、5合目でスタートした時と、6合目、7合目、8合目、9合目の時のモチベーションや元気度合いって一緒?
―― 違いますね。
谷口:増える?減る?
―― 減ります。
谷口:減るよね。だから簡単に言うと、エネルギーはダウンするってことです。ゴールに向けて。
それを僕たち知ってるので、継続するために重要なスキルはこのチャージってやつですね。
―― チャージ。
谷口:モチベーションやエネルギーをチャージする。
―― チャージする。
谷口:エネルギーチャージ、っていうスキルがあります。これはすごく、継続のために必要なスキルの中で代表的です。
次。じゃあもう一回富士山の例えに戻ります。
山頂に向かいます。地図を見てプランを立てました。歩き出します。森の中に若松さん入りました。
で、ずーっと歩いてるんですけど、周りはわからないですね。現在地もわからないんですけど、僕がパッと見たら、「え、若松さん、おんなじところを何回も戻ってきて歩いてきてる」っていうのを僕が見たとしますね。それは若松さんにとって有益ですか?それとも無益ですか?
―― 無益ですね。
谷口:ぐるぐる樹海の中回ってる。その時に若松さん、同じ所にまた戻ってきて、同じ道を何回も来てるよっていうのが「フィードバック」なんです。
―― フィードバック。
谷口:あなたの状況が本来のプランからずれてますよ、と。なので目的は「軌道修正」なんです。
―― 軌道修正。
谷口:同じところをぐるぐる回っててもね!
例えば道を歩いてて、歩いてわからない、どうしようかな。大阪まで行こうと思ってて、歩きだして、東海道を歩こうとしますよね。
若松さん歩いてて、途中まで歩いてるんだけど、途中で「あれ?どっちに行けばいいかな?こっちかな?」と思って歩き出して、しばらく歩いたら、「これでいいのかな?」と思いながら、僕が「若松さん、今茨城に来てますけど・・・」って言われたら、大阪に向かってるのに合ってる?
―― もう逆方向に行っちゃってます。
谷口:逆方向ですよね。っていうことですよね。無駄なエネルギーや労力、行動をしちゃうので、次によく使うスキルでいうとフィードバック。
―― フィードバック。
谷口:目的は「修正」を目的。だからまず2つ。
「チャージ」と「修正」のスキルはフォローの中ですごく有効に効果的に、もしくは高い頻度で使います。これが一つ。
次、フォローコーチングをする目的が、僕たちは学習を促しているんですね。よく言うのはゴールを活用して自己価値を上げるって言ったらいいですかね。
まぁビジネスでもいいです。何でもいいです。
夢やゴールを設定して、そこへ向かうプロセスで僕たちは学習をしていくんですね。成長していくんですが、その学習を促すってことをやるんです。
学習を促すために必要なスキルとは?
谷口:どういうことかって言うと、歩き出しました。スタートを切って、1か月、2か月、3か月と通過していきました。今度わかりやすいのは、フォローの頻度を1か月おきにしましょうか。
先月話しました。で、今月話します。っていって、今日を今月にしますね。
これ何をやってるかって言うと、1か月間何か経験してるじゃないですか、こうやって。
なのでこの1か月間、どんな経験をしてそこから何を学んだのかを話題にするわけです。で、次、今日から次の1か月後に未来がありますよね。
するとこの1か月、どんな目標に向かって、どんな経験をしていくんですか?っていう未来の話をするんです。
この、すでに経験したことを話題にし、これから経験することを話題にして、その人の学習を手伝ってるんです。
若松さん、ビジネスでPDCAってわかります?
―― はい。
谷口:Plan・Do・Check・Action。日本語でいうと、計画・実行・検証・対策や改善ですね。
なので、そもそもどうやろうと思ったのか、どんなことを実践できたのか、そこから何がわかったのか、次にはどうすべきか、この会話がPDCAの会話なんですね。
で、フォローコーチングって、例えば1時間コーチングしたとします、1時間。
そうすると、この1時間の中にこれが全部入るように構想、構成していくんですよ。
なので、さっき言った3つの大事なスキルがあるとしたら、最後は「構成力」。
―― 構成力。はい。
谷口:「会話を構成していく力」がフォローコーチングでは一番必要なスキルかなぁ。
だから闇雲にずーっと悩み聞いてても意味ないじゃないですか。
どうやろうと思ったんですか?何ができたんですか?そこからっ学んだことは何ですか?では次にどうしたらいいと思います?っていうのを、ちゃんと1時間の中で構成できるかどうかなんです。
これができないとずーっと悩みを聞いて1時間終わっちゃうんです。
だから、まぁ、学習を促すために必要なのは、PDCAをフォローコーチングの中で構成できる。
で、次のゴールセッティング、目標設定ができるっていった、会話の構成力かなぁ。
だから、行動を継続するために必要なスキルがエネルギーチャージとフィードバック。
学習を促すために必要なスキルが構成力。3つ挙げるとしたらこの3つかな。
更にこの中にもっといっぱいあるんですよ、スキルが。
それこそ質問だったり、アクティブリスニングだったり、もっといろんなスキルが。チャンクダウンだったりあるんですけど、まぁ大きく分けるとこの3つだと思います。