「集客」という言葉の曖昧さ-プロコーチの集客とセミナー 1 #50

最終更新日:2021年7月28日

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── 今日は、「プロコーチの集客とセミナー」というテーマで、谷口コーチにお話を伺っていきます。

今日このテーマでお話を伺いたいと思ったのは、以前谷口さんが主催されている『虎の穴プロフェッショナル』の卒業生の詫摩浩一さんにインタビューさせていただいたときに、

「谷口流のセミナーをすると受講者の満足度が驚くほど高くて、そのセミナーを受けた人からの紹介で企業研修を受注したり、パーソナルコーチングをお願いしたいという人が出てくるようになった」、というお話を聞いて、これはものすごく興味深いと思ったんですね。

というのも、今プロコーチとして活動されている方や、これから活動しようとしている方の中には、「クライアントをどうやって増やしていけばいいんだろう?」と集客に悩まれている方がたくさんいらっしゃると思うんです。

そこで、『谷口流セミナー』、きっとこの集客の悩みの解決の糸口と言いますか、集客の武器になるんじゃないかなと思いまして、もっと詳しく谷口コーチにこの「谷口流セミナーの秘訣」を伺いたいと思ったのが、今日のテーマを選んだきっかけなんです。

谷口:なんか嬉しいね、こういう話ができて。

多くのコーチ、コーチングで世の中に影響したい、貢献したいっていう人が、コーチでちゃんと生業が成り立つっていう世の中にしたいので、僕のノウハウでよければぜひいっぱい聞いて下さい。

クライアントを見つける方法として
なぜセミナーが有効なのか?

── ありがとうございます。では一つ目の質問ですが、パーソナルコーチングや企業研修のクライアントを見つける方法として、なぜセミナーが有効に働くのでしょうか?

谷口:一つの答えというよりも、いろんな理由があるんですけどね。唯一、絶対これだけは言えるなっていう答えが僕なりにある。

例えば、コーチとクライアントもそうですし、企業研修でいうと、発注者であるスポンサー、企業側と講師というのもそうですけれど、僕たちは普段から商品を買ったりサービスを受けたりしているじゃないですか。

でも、僕の考えでは、それは全部、「関係性を築いてる」ということなんです。

商品を作っている方は、「こんな商品があったら…」とか、「こんな料理があったら食べてくれる人が喜ぶだろうな」とか、ありがたがるだろうなとか、助かるだろうなと思って商品を提供するし、

そういうニーズがある人はその商品を使って、「あぁ、助かった!」「おいしかった!」となれば、もしかしたらものを通じているかもしれないけど、僕はすべてそれは関係性だと思っているんですね。

さっきの答えですが、「なぜセミナーをやるとお客さんが増えるのか?オーダーが入るのか?」は、関係性の質が変わるからなんです。

関係性を5つのレベルで表すと?

谷口:では、どういった質があるかっていうのを、僕なりに。

僕はマーケッターとかそういう専門家じゃないんだけど、僕は関係性を、対象者をその関係性のレベルごとに分けている言葉があるなと思うんです。

僕はよく、フローチャートのような絵で表すんだけど、これを見てくれている人も手元に紙があれば書いてもらうとわかりやすい。

まず、ピラミッド(三角形)を書いて下さい。それを5つの段階にわける。

5段階あると考えると、一番下(1段目)は底辺だから面積が広いですよね。段々上に上がっていくと、面積が小さくなるじゃないですか。OKですか?

僕たちが社会活動している時でいうと、経済活動で考えると、一番下が僕は「潜在客」だと思うんですね。

自分のサービスに価値を感じる潜在的なマーケット。

もしかしたらまったくお互いの存在に気づいてないかもしれないけど、「そんなサービスがあるの知らなかった」とか、「自分がそのサービスを必要としているのに気づいてなかった」みたいな感じ。

この潜在客はまだ気づいてないから、ここに一番最初にアクセスした企業って、すごく儲かりますよね?だからボリュームがすごく大きいんですね。

この時にはまだ関係性はできてないですよね。お互い相手の存在に気づいてないから。それが潜在客ですね。

その人(潜在客)が、「こういうのがあった!」と知ったり、そういうサービスを知ったりする。そういうお客さんがいるとなると、よく僕たちがマーケティングでやるのは、相手とつながりたいと思う。「メールアドレスここへ入れてください」っていうの、ありません?

「無料で情報を提供します」とか、「これからニュースをお届けします」とか書いてあると、「あぁ、確かにこの情報私にとっては有益だな。登録しようかな。」と思ってくれると、この上が「見込み客」ってなります。

だから一番関係性の薄い、質と密度が薄い関係になります。これが「見込み客」ですね。これはまだ見込み客で顧客ではないです。

この見込み客としばらく、例えば情報提供したり、やり取りをしたり、サービスを提供したりすると、お客さんは、「この人のサービスを買ってみようかな?」と思って、「取りあえず買ってみようかな?」と思うじゃないですか。

例えば、僕、テレビのショップチャンネルみたいなのが大好きなんですが、あれ研究するとおもしろいですよね。

こんな悩みがあったとします。最近の僕で言うと、僕は高齢者じゃないんだけど、中年になってくると、「睡眠の質」とかいうサプリに惹かれるんですね。

「目が覚めませんか?」「あぁ、俺覚めるな。」とか、「朝早く起きて、睡眠感が薄くないですか?」「あぁ、僕そうだな。」とか、すごくニーズを感じさせられると、すごく思うんです。

「え?無料サンプルくれるの?」とか、「初回限定1,000円でいいの?」とか、「申し込んでみようかな?」とか思うじゃないですか。そしてクリックすると顧客になるんです。

サービスを買って対価を払うっていう。それは1円でも10円でも。そうすると、ちょっと濃くなりますよね。関係性。

それをやってみて、「あ、これは良い!続けよう!」とか、「すごく効果を実感する!」「半信半疑で買ったけど、自分が期待しているよりもこれすごくいいわ!」となると、継続していきません?

そうなっていくと、それがファンになってくる。その商品やその会社のファンになると、その会社が「あなたこういうこともありませんか?」って言うと、「あるあるある。」って、ファンだから信じるわけですね。そしてまた買うじゃないですか。

だからファンはずーっとリピートしていったり、他のサービスも買うようになる。するとすごく濃くなりますよね。

そして、更にその中の一人が、「私もそれを人に紹介したい!」ってなる。それをやったのが、ネットビジネスで、紹介してその人にも利益があるとなると、これはビジネスパートナーになってくるんです。

これが5段階。商品でありますよね?本当のファンから信者になって、他にも困っている人がいるから、自分がインフルエンサーとか紹介者になったり、いろいろ書いたりして。

そうすると、紹介のお礼として自分もfeeをもらうとか。あるいはユーザーとして、その企業に意見を言ってみたりとか。「市場はこうだから、もっとこの商品こうした方がいいんじゃないですか?」とか。だからパートナーになるとすごく濃くなる。

関係性にはこの5段階があると思うんです。

それで一番大変なのは、みなさんよく「集客」って言うんですけど、どこの段階を上げることを言ってるのか?なんです。

一言で「集客」って言うとわからないんです。一番下と接点を持つことを言ってるのか、見込み客から顧客に上げることを言ってるのか、顧客からファンにすることを言ってるのか、なんですね。

僕はこの考えを持つようになってから楽になりました。「今自分がやっている活動はどこの段階を上に上げる活動をしているのか?」ってわかると楽になります。

── 確かにそうですね。

谷口:「メルマガの講座に行く」っていうのは、見込み客から顧客に上げる活動をするんですよね。電子書籍を作って、そこから見込み客を増やそうっていうのは、潜在客から見込み客を増やす活動をやってるんですね。

これを全部、何らかの活動をやっている。自分でやったり、そういう専門家に頼んでみたり、広告で代用してみたり、僕たちはしているわけです。たぶん個人も大企業も。ただ金額やボリュームが違うだけの話であって。

では、セミナーはどこか?っていうことなんです。

どこの段階を上げるためにセミナーをするのか

谷口:セミナーは、どこかをどこかに上げる活動なんですね。

ピラミッドの下の方のほうが関係性が薄いっていうことは、お互いリスクがないんです。お金も払ってないし、やりとりもしてないし、ただ情報を提供し、もらっている。だからメルマガなんて登録したってほとんど読まないですもんね。

でも、なんかたまに有益なものがあるんじゃないかなと思って削除はしないけど、みたいな感じ。

でも、勉強しようと思って、セミナーに行ったりとか、オンライン講座を申し込んだら、その人との関係性がグッと上がりますよね。

なので、セミナーをやると、この段階のある層からある層に上げる効果がすごくあるということです。

なぜセミナーをやるといいのかというと、見込み客から、例えば3000円頂いてもお金は払うわけですから、顧客にはなるわけです。

さらにそれがクライアントになってくると、ファンになったり、パートナーになったりするんですけど、その関係性を一気に濃く、密度を上げるのにすごく有効なのがセミナーです。変えるのに有効なんです。

ただ、詫摩さんが言っている、「谷口流のものはすごく効果がある」というのは、その関係性を上げるノウハウが、僕のセミナーの中にはあるからなんです。

ただセミナーをやれば関係性が変わるわけではないんですね。

だから多分、ある講座やセミナーに行って、「一回こっきりで終わりセミナー」ってあるでしょ?

── はい、あります。

谷口:もういいや、みたいな。ということは関係性を上げるという目的でそのセミナーはできてないんです。だって、ノウハウの提供だったらそれ1回で終わっちゃうもん。だから谷口流っていうのはそこに秘訣があるんですね。

詫摩さんが言ってくれた、谷口流をそのままパクるっていうのは、僕のセミナーは関係性の質を変えるノウハウがいっぱい入ってるから。

── 関係性の質を変えるノウハウがいっぱい入ってるんですか?

谷口:そうそう。「なぜ僕のところに来るんですか?」とか、「セミナーは有効なんですか?」っていうことの大きな答えです。僕たちは、関係性を変えられればビジネス成り立つということ。

だって、見込み客ばっかり多くて、見込み客から顧客にアップグレードするノウハウがなかったらビジネスは成り立たないですよね。

── 成り立ちませんね。

谷口:顧客で、一回買った人がいくら増えても、その人がファンにならないとビジネスは永続的に進化しないし、その人がその商品を紹介してくれたりするパートナーにならないとビジネスは強くならないので。

だから、ビジネスが上手い人はこの関係性の5段階を必ず上に上げていくノウハウを多分持っているんだと思います。その一つにセミナーはすごく有効です。

── 素晴らしいです。今、谷口流のセミナーは他のセミナーと違って関係性の質をより濃くできる、とおっしゃったんですけど、もう少しそこを具体的に教えていただけますか?どういうところが一般のセミナーと違うのですか?

谷口:セミナーとか企業研修とか講座とか、僕たちがやっているものには、名前がいろいろありますよね。別に生鮮食品や食料品や魚とか料理を売っている訳じゃないので。

すると、谷口流は何が違うかというと、一言で言ったら・・・

「谷口流セミナー」4つの特徴 -プロコーチの集客とセミナー2 に続きます・・・

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