「谷口流セミナー」4つの特徴-プロコーチの集客とセミナー 2 #51

最終更新日:2021年7月28日

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・・・【プロコーチの集客とセミナー1】#50から続きます。・・・

── 谷口流のセミナーは他のセミナーと違って関係性の質をより濃くできる、とおっしゃったんですけど、もう少しそこを具体的に教えていただけますか?どういうところが一般のセミナーと違うのですか?

谷口:谷口流は何が違うかというと、一言で言ったら、参加者と僕は常にコーチングカンバセーションをしているっていうのが大きく違うんです。

#1 コーチングカンバセーションをする

谷口:コーチングカンバセーションじゃない講座と比較するとわかると思うんですけど、例えば学校と比べてみましょう。学校の先生の生徒とのコミュニケーションってコーチングカンバセーションだと思いますか?

コーチングカンバセーションって、コーチと相手はパートナーで対等で、お互いにコミュニケーションをとることによって、お互いにより良くなっていく会話なんですね。

── その対等っていう響きが、すごく新しいですね。

谷口:学校の先生は違うでしょ?だから中学や高校の授業って、コーチングカンバセーションなのかティーチングなのかレクチャーなのかコンサルティングなのかっていったら、多分コーチングではないですよね?

── コーチングじゃないですね。

谷口:ないでしょ?一方的な感じしません?だからティーチングとかレクチャーですよね。

だから今、いろんなオンラインセミナーやZoomセミナーやウェビナーとかがありますけど、レクチャーは飽きるんです。学校の授業と一緒だから。

僕のセミナーや講座を見てくれていると思うんだけど、オンラインであってもやり取りしてないですか?

── はい、してますね。

谷口:問いを投げかけたり、「答えを教えてください」みたいにして。

だから、一言で言ったら、僕の内容っていうのは、セミナーに来てくれた人はそんなふうには思ってないんだけど、セミナーなんだけど、僕のコーチングをセミナー中受けてるんですよ。

それと、僕のセミナーは、参加者同士がコーチ的に関われるように構成されてるんです。

だからよく、「隣の人とこういうことについて話してもらえませんか?」とか、「隣の人にこういう質問してもらえません?」っていうことをよくやるんです。それって2人でコーチし合っている関係性を作るんですよ。

僕も、「これってどう思います?」とか、「こういうことについて、あなたはどう思いますか?」とか、「なぜこういうことが起きるんですかね?」とか聞きます。すると、やり取りしてますよね。

だから30分でも1時間でも2日間の研修でも、それがずーっと、ほぼほぼコーチングカンバセーションでできてるんです。まずそれが一つ。

#2 関係性を変える

谷口:あとは関係性を変えるっていうことをすごく構成しているんです。具体的に言うと。

例えば、もしあなたが講演家でステージに立つとします。前に100人いたとしたら、誰にしゃべります?

── 誰に?全体にかな?

谷口:大体そう考えるんですよね。

でも、僕たちコーチは常に1対1なんです。これも同じなんですけど、優れた講演家っていうのは100人いても1000人いても1人に話しかけているんです。

100人に話すっていうことは、誰も見てない、誰ともアイコンタクトがない状態なんです。でも一人一人って、一瞬ずつだけど一人一人にアイコンタクトをしながらしゃべってるんですね。

アメリカ大統領の演説とか、左右見ませんか?最近日本の首相もしていますけど、アメリカ人の方が上手ですよ。日本人下手だもん。教わって左右に顔振ってるんですけど、アイコンタクトないしね。

オンラインの場合でいうと、オンラインでアイコンタクトするの、難しいんですよ。こうやって、僕が今カメラを見ていると何となく目が合いそうですけど、画面を見ちゃうとこうなっちゃうもんね。その場に、リアルな会場にいたら、必ずこうやって目を合わせることができたりするんですけどね。

そういったノウハウ。1対1のコーチングカンバセーションをするとかですね。

#3 プレゼンスを高める

谷口:そして、これはいろんなところで言ってるんだけど、国際コーチ連盟のコアコンピテンシーというのがあって、大きな大項目というか中項目が4つあるんですね。

一番最初に「コーチのプレゼンス」、存在感と出てくる。

次に「関係を共に築く」が出てきます。

3番目に「効果的なコミュニケーション」。

4番目に「行動を促進する」となってるんですね。

まずプレゼンスについてですが、目の前に立っている講師や、オンラインに映っている講師の存在感って影響受けないですか?アイコンタクトとか。

なんか、映っただけで嫌な人っていない?「なんかこいつ嫌だなー」みたいな人。

── いそうな気はしますね。でも、そもそもそういう人のものは見ないかもしれないですけど。

谷口:あぁ、そもそも見ないか。そういうことなんですね。だから「存在感」は大事です。だから僕は、講座やセミナーでは、この4つを守ってるんです。第一印象とかすごく大事なんです。あと、プレゼンスですからしゃべり方。時々上から目線でしゃべっている人いません?

── 特にセミナーで教えるとなると、いそうですね。

谷口:いますよね?社会に唾はいてるような、敵と味方に分けてしゃべっているような人いないですか?「こんなのおかしい!」みたいに。

こういうのを全部「プレゼンス」って言っちゃうんです。まさに存在そのもの。だからここはすごく注意しますよ。第一印象を注意したりする。

僕は自分の研修用のファイルに、大事なキーワードをこんなふうにいっぱいカードに入れてます。

いつも自分が忘れないようにしてるんですけど、ここに「朝から見られてる」って書いてあるんですね。朝から見られてるっていうのは、起きた時からです。

例えば外に出ます。マンションだったら管理人さんに会ったとして、管理人さんから「おはようございます!」ってあいさつされた時に、「へぇ...」ってあいさつをして通り過ぎているのも見られてますよ、ということ。

もしくは、こちらから管理人さんに「おはようございます!」と言ってあいさつするのも全部見られてますよ、ということです。

こういうのがプレゼンス。だからまずプレゼンスです。人前に立った時に。

あとは、リアルなセミナーだと、その研修会場の事務方の人とのやり取りとか、すごく参加者は見てるんです。そういうサービスを提供する人を下に見ているような言動や態度をする人いませんか?職業によって上下を作るような人。

話それるけど、よく問題になるのが、普段会社ではへぇへぇしているのに、タクシーに乗ったとたん、タクシーの運転手さんにすごく乱暴な言葉とか偉そうにする人とか、サービスを提供しているアルバイトの店員さんにすごく文句を言うような人とかいないですか?

職業によって人の上下を作る人なんですね。こういう振る舞いって見ているんです、人って。

だからそういうのも全部含めてプレゼンスっていうんですね。

── 重要ですね。

谷口:僕もガッカリする時があるんですけど、「なんか素敵だな、この人の笑顔いいなぁ。」、なんて講師を見ていて、たまたまその講演中、お昼に同じレストランに居合わせた時に、その人がアルバイトの、まだ見習いでたどたどしい店員さんに、文句を言っている姿とかを見ると、「こっちが本質なんだろうなぁ…。」とかって見えちゃったりとかね。

こういうのをプレゼンスっていう。だからすごいそれ、気を付けます。

#4 関係を共に築く

谷口:次に、「関係を共に築く」ですが、実は前に立っている時じゃない方がいいんです。

例えば、僕はセミナーでいろんな人に、僕みたいな職業の人に言ってるんですけど、関係者と来賓者、来客者がいますよね?

例えば、僕と手伝ってくれるスタッフや受け付けをやってくれる人、撮影をしてくれる人。あとはヘルプに来てくれてる人。これは僕とその人との関係性ができてますから話しやすいんですね。

そこへ、自分が初めてその会場に行くと、アウェイ感ってないですか?

── ありますね。

谷口:ありますでしょ?

だから、僕はスタッフ同士で仲良くしないでって言ってるんです。ウェルカムで迎えた方がいいわけです。スタッフ同士で仲良くすると、参加者はアウェイ感があるんですね。

僕はそれを、住宅の営業をしていた時の上司にすごい怒られたんですよ。営業マン同士しゃべるなと。何かのイベントがあったときにね。どうしても知った人としゃべっちゃうんですね。

こういうのも関係性を築くです。受付ではウェルカムで迎える。

あと、僕が気を付けてるのが、よく、講師控室とかに控えていて、控室から登場する講師がいるじゃないですか。あれなんとなくすごいなと思うけど、関係性を築くっていうとハードル高くないですか?

── そうですね。ちょっと遠い感じがしますね。

谷口:そういう感じしますよね。だから僕はどうしているかというと、もう一番最初に会場に行って、準備も仲間とするし、誰か来たら「おはようございます。名前なんて言うんですか?」とか「今日よろしくね!」とか、自分から声をかけるようにする。

そういうのが「関係性を共に築く」ということです。

あとは、名前を覚えるとか、名前を呼ぶとか、自分の事をオープンにするとか。

気を付けてるのが、「5つの”ず”」 ってあるんですけれど。

「偽らず、飾らず、繕わず、隠さず、奢(おご)らず」、あるがまま、なすがまま、みたいな感じ。そういうのを自分で作ったり、関係性を共に築こうとしたり。

でも、そういうことは教えないで、講座をやりましょうとか、セミナーをやりましょうといって、アイスブレイクの仕方とか教えるんですね。

最初に参加者とアイスブレイクで場を和ませるみたいなことです。

「いえいえ、お昼食べるとき見られてますから!」とか、「朝、セミナー会場の事務員の人とのやり取り、聞かれてますからね!」とか、「セッティングしている時のあなたの振る舞い見てますからね!」とかいうことは、なかなか教えないですよね。

それが、コアコンピテンシーで言うと2つ目です。

3つ目が「効果的なコミュニケーション」。そこにコーチングカンバセーションが入ってくるわけです。

代表的なのはアクティブリスニングとか、効果的な質問とか、アクノリッジとか、そういうものがありますよね。そういうコミュニケーションを終始取っている。

休憩時間なんかはすごく大事ですね。休憩時間は関係を築く一番効果的な時間です。休憩時間に講師が別の部屋に行って休憩していると、大抵上手くいかない。

休憩時間に参加者といろんなおしゃべりができる講師は、見込み客から顧客、ファン作りはすごくうまくなります。

そんなことをセミナーの中で具体的にやっているので、さっきの5段階の、お客さんとの関係性の質と密度が変わるということが、セミナーではすごくできるということです。

── その視点、関係性を築くためにっていうところと、潜在客から見込み客になってもらうためなのか、見込み客から顧客になってもらうためなのか、どの段階のために今セミナーをしているんだっていうことを、その関係性とその段階というのを意識してやるだけでもかなり違いますね。そこ勘違いしてやっているというのが、かなりありそうな気がしました。

谷口:だからいい情報を提供していれば関係性が変わるかって言うとそうではない。

でも、変わる例もありますよ。芸能人なんかそうですよね。芸能人のオンラインサロンとかは、そもそも関係性が築けないじゃないですか。別世界の人だと思うから。自分がファンの芸能人のオンラインサロンに入れるだけで、もうお客さん満足しちゃいますもんね。芸能人は別かな。

でも僕たち一般人は、有益な情報だけをしゃべっていれば、発信してれば関係性が上がるかっていうと、そういう訳じゃないと思うんだけどね。

だから、常にこの三角形のマーケットのボリュームが違うわけです。

僕の例でいったら、メルマガの登録者というのはわかるけど、潜在顧客はどれぐらいのボリュームがあるのかわからない。

なのでそれは、僕だったら電子書籍だったり、出版だったり、ホームページだったり、いろいろするけれど、一旦それで、僕から発信できたり、僕が受信できるような関係性ができるようにする。メールアドレスとか、今だったらLINEとか。それができたら、そこからはその上に上がる。

とにかく関係性をアップステージしていくために何をやっていくか。

それでその三角形が大きくなれば、たぶんその人のビジネスはどんどんどんどんデカくなっていくんじゃないかな。

もしくは、その三角形を1個じゃなくて複数作れば、大きくなっていくと思います。

セミナーっていうのは、見込み客から顧客、顧客からファンにする、この関係性をアップグレードする時にすごく有効な手段だから、それを知って実践すれば、そこが収益につながる。見込み客の顧客から上が。それにすごく有効です。

ではどうすればいいかと言うと、セミナーでその関係性の質を変える、セミナーや講座や研修をやればいいっていうだけなんですね。

── 確かに。どうしても関係性の質というよりも、なにか情報を提供しなきゃとか、知識を提供しなきゃみたいに思っている方のほうが多いと思うんですけど、セミナーという場が関係性の質を濃くするための場と考えると、さっきおっしゃった休憩時間とかいろんなところが関係性の質を向上させるためのきっかけと言いますか、そこを意識する必要性がある、ということですね。

PowerPointを使わない理由 -プロコーチの集客とセミナー3 に続きます・・・

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