ChatGPT × コーチング【AIとコーチングの未来とは?】 #109

最終更新日:2023年6月15日

―― 今日は「AIとコーチングの未来」というテーマで、谷口コーチにお話を伺っていきたいと思います。

谷口:旬ですね!なんでしょう?

―― 最近チャットGPTという、人工知能のチャットボットが注目を非常に浴びていますよね。

谷口:すごいね!使ったことある?ちょっと驚愕ですよ!

―― 使ってます。びっくりしました。これまでも、インターネットやスマートフォン、メールやLINE、そしてZoomなどの新しい技術の登場によって、これまでの私たちのコミュニケーションもここ数十年で大きく変わってきたと思います。

新しく出てきたチャットGPTなどのAI技術は、これから数年で大きく技術革新が進む分野だと思うんですね。このチャットGPTなどをはじめとしたAI技術やツールなどが、今後コーチングにどのような影響を及ぼしたり、どんな可能性があったり、逆にどんな注意すべき点があると、谷口コーチはお考えでしょうか?ぜひ、お教えいただければと思います。

谷口:旬の話題をぶっこんできましたね。話題になってから僕が知るようになって、3ヶ月も経ってないんじゃないかな。それぐらいですよね。多分今年に入ってからだもんね。

急激に、浸透って言ったらいいのかな。伝染とか感染とか言った方がいいのかな。国とかも使ってるんでしょ?ものすごいスピードで伝播してますよね。で、それに警告を流す人もいるでしょ。どこかの副社長かなんかがやめたりしたりしましたよね。

無くなりはしないと思う。

で、どうなるかって僕の考えなんですけど、何年前かな?AIの発展とか、コンピューターの進化によってなくなる仕事っていうのが、ネット上で話題になったんですよね。

例えば、作業的なものってなくなってきますね。

代表的なのが、今レジを打つ人がだんだん少なくなってきている。もっと前で言ったら、改札で切符を切る人がいなくなった。高速道路の料金を徴収する人もいなくなってくる。

だから、無くなる仕事と生まれる仕事っていうのがあって、最近ちょっと、たぶん士業の人大変になるって聞くんですよ。弁護士さん、税理士さん、会計士さん、社労士さん、みたいな。

なぜかというと、知識が価値。でも、それってコンピューターAIになっちゃう、となると大変だと思ってて。だから社労士さんやってて、コーチング業、コーチになったりする人結構いたんですね。

そんなところがやっぱり進化してるわけですけど、じゃあコーチはAIにとって変わるのかと。

今、話し相手になるロボットって、介護施設かなんかにいるもんね。

―― 確かに。だんだん出てきてますよね、そういうロボットとか。

谷口:出てきてますよね。じゃあ、ああいうのが進化したらあれがコーチになるのかって話でしょ。そういうことだよね?

何か僕たちって、こういう風に、ガンって振れたかと思ってもちょっと戻って、振れたかと思って戻ってっていう、振れる、戻る、振れる、戻るを繰り返しながら進化していくような気がまずするんです。

代表的なのが、今だとリモートワーク。

リモートワークを経験して進化したこととは?

谷口:通信やインフラが整ったり、Zoomみたいな便利なツールができたから、だからみんな、

「うわー、会社行かなくていい。通勤にストレスない」とか言って、バーンって振れましたよね。コロナもあって。

今少し戻ってるでしょ。

全部は戻ってないけど、10振れたら6か7戻ってますよね。こういうことが起きるんじゃないかなと思うんですね。

で、それはなぜかって言ったら効率なんですよ。便利。でも効果も一緒に考えてほしいんです。

人間って、作業だけだったら効率でいいんですけど、新しいものを生み出したり、創造したり、チームワークを発揮するってのは効果。

だから、効率上がるけど、効果が失われたんです。リモートワークによって。

人間って会っておしゃべりするから創造するんです。協力するし、信頼関係が生まれるんですけど、Zoomだけの会議だと、責任感やチームワークは生まれないそうですね。

会って、ランチの弁当でも食べながら喧々諤々やるから一体感が出来上がるんです。

だから気づくわけですね。それだけじゃダメだって。だから、オフィスをなくした会社がまたオフィスを戻そうとしてるんです。

面白いのが、みんなが来たくなるオフィス、集まってお喋りをしたくなるオフィスにリフォームするっていうか、リメイクするんですよ。これ進化じゃないですか。

―― はい、進化ですね。

谷口:進化してるわけですね。この話で、僕大好きな映画から学ぶこといっぱいあるんですよ。タイトルが『her/世界でひとつの彼女』かな。

この映画を、多分10年ぐらい前に僕見てると思うんですけど、今のまさに10年後を予見したような映画なんです。

でね、面白いのが、これ映画のネタバレになっちゃうけどいいか!ネタバレしよう。

主人公の仕事が代筆屋さんなんです。ラブレターの。それもすごいんですよ。10年前なのに書いてないんですよ。それこそロマンチスな素敵な言葉を喋ると、コンピューターが直筆で書いたみたいな文字でさらさらさらって、コンピューターの画面上に手紙が書かれていくんです。親愛なる誰々みたいにして。そういうのを代筆する仕事なんですね。で、現実は?と言ったら、奥さんと別れる別れない、なんですよ。

で、そこに最高の彼女っていうのがAIで生まれて、市場に出てくるんですよ。その主人公も興味本位でそれを自分でインストールすると、声だけなのに、もうね、理想の彼女なんです。

声だけなんですが、その主人公はそのAIに恋をしちゃうんですね。で、いろんなデバイスに入れて持って歩けるんで、スマホかなんかにそのAIを入れてデートするんですよ。AIと喋りながら。景色を見せてあげたいとかって言って、もう恋に落ちるんですよ。ピグマリオン効果みたいなんですけど。

でも、最後にハッて気が付くんです。もしかしてって思って、その彼女に「僕以外にも恋人はいるのか?」って聞くと、AIってすごいよね。同時に600人だか6000人だかと付き合ってんです。そして1人1人に全部アレンジしてわけです。その人にとっては最高なんです。

それで驚愕するわけですよ。自分1人の彼女だと思ったら、「え?6000股かけてんのこいつ?」みたいになるわけですよ。6000股!二股じゃないですよ、600だか6000ぐらいの人と同時に付き合ってんですね。で、そこからAIとの恋が破綻するんです。そしたら初期化しちゃうんです。

それで失恋するんだけど、結局その傷を癒してくれるのが同僚だったりする。人なんですね。で、最後のセリフが、僕は今でも君を愛してるっていう奥さんの名前を言って終わるんですよ。すごくないこれ!

完璧な理想の彼女が出てきても、結局それではなくて、人は、人肌って言ったらいいのかな。僕たちはグルーミングをしますからね、猿だから。で、戻って、やっぱりゆり戻りがあるんじゃないかなと思ってるんですね。

AIにはコーチの代わりができない理由とは?

じゃあAIが出た時にどうなるかって、(AIに)コーチの代わりはできないわけです。

なぜかっていうと、僕たちはそれこそパートナーシップなんですね、猿なんで。要はコミュニティだったり、グルーミングだったり、パートナーシップが生きていく上で、僕は必要だと思うんです。

そういった時に、やっぱり誰とパートナーなのか、誰の仲間なのか、チームの一員なのかっていうのは、生存そのもののような気がします。

だから、どんなに理想的なAIができたとしても、それが自分の人生のパートナーだとは思わないんですね。

だから、僕たちはコーチを雇う時には、その人のコーチングスキルを買ってるんではなくて、その人との関係性を買ってるんです。あの人が私のコーチなんだ。テクニックやスキルは知識は必要だけど、それは重要条件だけど絶対条件じゃない。

やっぱりコーチはクライアントとのパートナー。だからAIは代わりができない。

じゃあどうなるかって言ったら、ハイブリッド化してくと思う。

コーチングでAIを有効に活用する方法

谷口:コーチはクライアントのゴールや夢や理想な状態に近づくために、刺激的で創造的な思考とアクションを促していくんですね。

それはコーチングセッションといって、月に1時間とか30分の会話をし、そして1週間、10日、1ヶ月後にまた会話をしていくっていう、そのフォローのシステムなんですよ。

ということは、コーチと話した後にクライアントは、思考と検索や探索と行動成長の旅に出るんですね。話した後、次のセッションまでに。

この、コーチと話して、また次にコーチと話す間にAIは有効なんです。

例えば、コーチと話して、「あー、そうだ!それそうだよな!」って思うことがあったとしますね。すると、その自分が思ったことの答えを探しに行きたくなるじゃないですか。

昔だったら、その答えどこに探しに行きました?

―― すごい昔だったらやっぱり本ですね。図書館に行くとか。

谷口:本屋に本を探しに行きますね。あるいは図書館まで歩いていって、探して、少し見て、で自分のノートに書き移してでもいいし。他の方法ないですか?

―― 人に聞く。

谷口:そうそう。人に聞きに行くか尋ねる。昔だったら手紙を書く、電話をする、ダイレクトメールを送る。

もっと言ったら、その人の講演はないだろうか、講義はないだろうかって聞く、大学に入るっていう人もいますよね。

これがいらなくなるってすごくないですか。チャットGPTに聞けばいいわけでしょ?だからそこは効率的になると思います。

クライアントが自ら探求したり、探索したり、調査をしたり、情報を集めたりするのに、昔はすごい労力とエネルギーと時間が必要だったんですね。

それがすごく効率的になるんじゃないかな。

だから、より早く より深く、クライアントはゴールに向かって進めていけるようになる。そのツールとしてAIはすごく有効になるんじゃないかな。

なので、コーチとAIがタックを組んで、クライアントのゴールをサポートしたら、面白いと思う。
ただ、AIを活用するのはクライアントだけ。

コーチの代わりはできないけど、コーチングの効果はAIが加わると面白く、楽しく、早く効率的になるような気がする。

だから、まさにハイブリッドのような気がする。今のところ、僕の見解はこんなところかな。

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