コーチングのログ(記録)を残すのはあり?なし?【プロコーチの姿勢】 #111
―― 今回は、視聴者の方からいただいた質問に、谷口コーチにお答えいただきたいと思います。
谷口:質問コーナーいいですね。僕、質問されるの大好きなんですよ。何でしょう?
―― あっこさんから質問をいただきました。
谷口:あっこさん、いつもありがとうございます!
―― 質問を読み上げます。
最近、セッションをしている時に、 コーチがパソコンでログというか、クライアントの言葉を入力しながら聞いているケースが多いのですが。
谷口コーチは、話を聞きながらpcに入力することについて、プロコーチの姿勢としてどのように感じますか?
私は普段、クライアントのセッションの時、クライアントから聞こえてきたキーワードを紙にメモはしますが、クライアントに対する意識が半減するのでは。と思い、行っておりません。
谷口コーチは、どのようにお考えでしょうか?
どうぞよろしくお願いいたします。
というご質問です。谷口コーチ、いかがでしょうか。
谷口:良いか?悪いか?はそれぞれ、その人の判断基準や評価基準があるので。
僕はこう思うけどなぁっていうのでいいですか。
―― はい。
谷口:ぱっと、イメージが湧く、似たようなケースあるなと思ったのが、お医者さんの問診。
今、殆どの方、パソコンに打ちながら問診してますよね。
―― パソコンがありますね。
だから、電子カルテになってるんですよね。
CASE1.お医者さんの問診(良い例)
家から、電車で何駅か行かなきゃいけない、眼医者さん。そこで、僕、目の手術したんですけど、日本中から来るのでこのお医者さんは。だから、旅費をかけてでも来るんですよ。
だから、予約も2か月先ぐらいまで取れないんです。急患だからなかなか入れないんですね。すごい人気。ちょっとなーっと思ったんですけど、その先生、若いんですよ。
院長室入るじゃないですか。そしたら、 お医者さんはずっと僕の方見て喋ってるんです。それで、その横にカルテ打つ助手さんがいるの。
すごいなーと思ったのは、「あー、谷口さん。どうなんですか?」とか、ずっと僕の方見て。「あ、じゃあちょっと診察しますね」って言って、「それはね・・・とか、あと、これはこうなんじゃないですか?」って、ずっと僕の方見て。
それで、そのやり取りを横でパタパタ、パタパタ、あの女性が静かに(PCにカルテを)打ち込んでいく。
それで、またいいのが、治った時に、また打ってるんですよね。
それで、「谷口さん、もう今日で治療おしまいですよ。あとは様子見て、何か違和感があったりしたらまた来てくださいね。お疲れ様でした。」
とか言ってるところで、 パタパタパタって、隣で打ってた女医さんが手を止めて、同じように僕の方見て、にっこり笑って頷いてくれたんです。
こりゃ人気出るわなと思った。
CASE2.お医者さんの問診(悪い例)
あと、二度と絶対行かないなと思ったのが、皮膚科。なんか、皮膚がどうにかなって、で、2時間ぐらい待って。診察で座って、「今日はなんで来たんですか?」って、一切僕の方見ないんですよ。
「ここが~で、ここが~で・・・。」「はいはいはい。あー、なるほどね。わかりました。お薬出しときます。」
2分。診察。「あの、それだけですか?」って。「はい。」以上。
それで、待って、処方箋もらって、お会計して、薬もらいに行くんですけど。僕、出た途端処方箋破いたんですよ。
この違いだなと思って。
コーチング中にログ(記録)は必要か?
さっきのアキコさんの話ですけど。
コーチとクライアントは、まず、コーチングは手段であって目的ではなく、コーチとクライアントのパートナーシップなんですね。
関係性なんです。
なので、もし僕がクライアントで、僕が選んだコーチが、僕が喋ってる時にずっとパソコンを見て、 それのログ。ログっていうのは記録ですよね。
記録を取ってるだけだったら、多分そのコーチにコーチングを頼み続けない。関係性が良くならない。っていうのが一つですね。
―― うん、そうですね。
次に パソコンに打ってる内容が何なのか?なんですけど、自分の話した内容を 記録されてるってどんな感じがする?
―― あー、何でもかんでも喋れなさそうですね。思ったこと。
ですよね。僕もそうなんです。記録されるっていうことは、取られてるとか、 相手の方が上な感じがするんですね。簡単に言うと、情報を、全部取られて、コントロールされるっていう感じがするのかな。
なので、僕はやっぱり全部話せなくなるような感じがします。だから、建前ぐらいにしか結果的に話さなくなるんじゃないかなっていうのが1つあります。
次に、多分ログを打つって記録をしてるってことは、想像ですよ。クライアントの言っていることを打ってますよね?言わないことって打っているの?
―― 確かに。
クライアントって、人って、全部喋らないよ。
言わないことや、言えないこととか、 言わないでおいてることってあるんですね。それは多分打ってないんじゃないかな。
それと、ログ、記録をパソコンで打ってる時に、クライアントが話してるのに、本人でも気づいてないことって打ってんのかな?
コーチングでの「聞く」ということ
僕は、アクティブリスニングとかのコーチングで「聞く」っていう時に言ってるんですけど、
- レベル1は、言っていることを聞いている。
- レベル2は、言わんとすることを聞いている。
- レベル3は、言わないことや言えないことを聞いている。
- レベル4は、本人も気づいてないことを聞いている。
ログ4つ目まで取れんのかな。
―― いや、1しか取れなさそうですね。
そんな気がするよね。言ってることしか(ログ)取れなそうな気がしますよね。
それで、打ってる時って手元は見てないですよね、ブラインドタッチで画面見てますよね、きっとコーチ。
―― そうですね。
手元は見てないブラインドタッチ。っていうことは、クライアントを観察してない。
ってことは、言えないことや、言わないことや、本人も気づいてないことを聞き取れないんじゃないかなって思うので。
あと、場面だな。コーチとクライアントが面と向かってやっているのか?僕はよくskypeを使うんですけど、画面をオフにしてるんですね。
画面オフの状態でやってるのかによってもちょっと状況は違うけど。
あと、もう1つ思った。
僕、喋ってる向こうで、はい、パソコンのキーボードの音がするだけでイライラします。
―― あー、確かに。それは確かに、はい。
あのね、会議中にパソコンパサパサ打つ人いるんですよ。 これだけでイライラする。
会議は記録するために来るんじゃなくて、発言して関わるために来るんだぞ!みたいに。
って、いうことで、僕だったらしない。
っていうので、あっこさんの答えになってるかな?
―― すごく参考になったんじゃないかなと思います。よくわかりました。ありがとうございますございます。