執着心を捨てたい!相手に振り回されずに生きていくには?【後編】 #42
・・・・・・【前編】#41の続きからです・・・・・・
── セルフイメージについての講演やセミナーでお話しされている、「壺」の話をお聞かせいただけますか?
谷口:まず、外との関係性がありますよね。私とユーザーさんとか、家内とか、子供とか。全部、自分と社会との関係性が人生になっている。
無人島で一生暮らすなら話は別だけれど、社会で暮らしている限り、自分と他者との関係性が、幸せや豊かさになると僕は思っているんですね。
それを前提に、自分自身という言葉があるじゃないですか。
僕って、谷口貴彦1と、谷口貴彦1’みたいに、2人いる。だって、「今日はどうしようかな?」と思うとき、「雨だしやめておいたほうがいいかな?」って、対話している感じがしませんか?
なんとなく自分の中で、「どうしようかな」、「やめようかな」とか、自分で考えてみて答えを出しているとか。
僕は、心理学者でも何でもないんだけれど、自分自身って、自分と自身で自分の中に2人いる。動物って生まれた頃はたぶん1人だと思うんです。でも人間は、自我がうまれてくると、これが離れていくんじゃないかな。
自分自身が上手くいかないときに、思春期に自我が混乱していって、悩んだりする。「こうだ」「違う」「それじゃない」みたいに悩んでいって、その思春期を過ぎると、自我が安定してくる。
そして、60歳くらいになると、また子供のように、ありのまま、あるがままで、こうしたい自分と、それを許可する自分、「それでいいんじゃない?」みたいに一致する自分がくるんじゃないかな、と思っているんです。
1個で始まって、途中で自分自身が葛藤しだして、分かれていって、60歳とか70歳くらいになってくると、またこれが一致してくる、というのが良い人生なんじゃないかな、と思っている。
そうすると、自分の中の一番根っこにあるのは関係性なんです。私と私。
「私」と「私」の関係性はどうですか?
谷口:私1と私2がいるとして、仲が悪いとどうなると思いますか?
── 感情をコントロールできそうにないですね。
谷口:簡単にいうと、「本当の私」ということと、「私をどう見ているか?という私」がいるんです。だから自己認識なんです。私を私が認識する。
だから、自己受容って、本当の私を私は、「大好き」と見ているんです。
自己否定というのは、本当の私を私は、「嫌い」と見ているんです。でしょう?
自己信頼というのは、本当の私を私は、信用して信頼しているんです。.
自己不信というのは、本当の私を私は、駄目だ、無理だと見ているんです。
そういうふうに思うと、ここに関係性がありますよね。これがそのまま社会に反映されますよ、という話をよくするんだけれど、それが壺の話で。じゃあ、壺を想像できる?
「壺」で考えてみると・・・
谷口:その壺は、ちょっと欠けていて、ちょっとヒビが入っていて、ちょっと古びた感じで、ちょっと劣化しているような感じもするとしましょう。
その壺が私。人間は完璧じゃないから、欠点もあれば、失敗もあれば、汚点もあれば、後悔することもあれば、弱点もあるから、ヒビ割れていたり欠けていたりするわけです。それが私。
その所有者が私。つまり、その壺を持っている人も私で、壺も私。
では、どう扱うか?ですね。
私がこの壺を、汚くて嫌い、欠けていて嫌、こんなのどうしようもないといって、家の外の路地裏のところへポイっと、「こんなものここでいいわ。」と置いておいたとします。
そうすると、そこへ通りすがった第三者はその壺を見て、大切にしたり可愛がったりするか、唾を吐いたりゴミを捨てたりするか。どんな感じがする?
── 残念ながら、ゴミとみなしてしまうような気がします。
谷口:ね?もしかしたら唾を吐くかもしれないし、ゴミを投げ入れるかもしれないでしょう?
では、その壺の所有者の私が、この壺を家の一番いいところ、床の間にしましょうか。床の間に敷物を敷いて、飾っておいたら?そうしたら、訪れたお客さんはそこにゴミを捨てる?
── 絶対に捨てないですよね。その状況なら、「これはすごいね、骨董品?美術品?」みたいな感じになってきます。
谷口:なるよね。「先代からの宝ですか?」とか、「いい味を出していますね」とか言うんじゃないの?
では、所有者の私がその壺を、国立美術館の一番奥の部屋のスペースに大理石の台を置いて、その上に飾り、室温や環境も最適な状態にして、そこへスポットライトを当てて、というふうに扱ったとしたら、そこに見に来た人や第三者はどう反応するかな?
── すごく珍しくて、高価で貴重なものである、そういうイメージです。
谷口:高価だと思うかもしれないよね。もしくは、「売ってくれ」と言う人もいるかもしれないよね。
── そうですよね。
谷口:ですよね!ところで、壺は変わっている?
壺から学べること
── 壺は何も変わっていないですね。
谷口:壺そのものは何も変わっていないんですけれど、その壺の取り扱い方が変わっただけですよね。路地裏の薄暗いところに放ったらかすのか、床の間に置くのか、国立美術館に置くのか。
欠点もある、ヒビも割れている、汚点もある、でも唯一無二でユニークな存在の私を、私がどう認識して、どのように私を扱うかによって、外の世界が変わるんです。
僕がセミナーで言っているのは、私の中の私と私の関係性が、そのまま鏡のように外に反映されます。
であるならば、外の世界との関係性をより良くしたければ、外は変えられない。結果だから。内側をより良くすることに取り組むと、自ずと外が変わってくるんじゃないですか?
そうやって、外がまさに変わっていくシーンを、『ザ・コーチ2』では主人公が体験するストーリーにして書いているんです。
内側が変わることによって、外側が変わっていく。特に、上司との関係性が変わる。そういうことですね。答えになっているかな。
── すごいことを教えていただきました。自分のセルフイメージを上げていけるんですね。そう考えると、カズさんも、これから本当に素敵な出会いがたくさんやってくるんだろうな、というふうに思います。
質問フォームに入力し、アウトプットすることで、自分のキャッチしたものを確認される機会を作られたので、新しい出会いが待っているところに1歩近づいている感じですよね。
谷口:別れるとか別れないというのは本人が考えることだし、相手を変えようとしても相手は変わらないから。
もしも、カズさんが、内側で自分と自身、本来の自分と、それをどのように認識しどのように扱うかの自分とが好転していくと、結果的にこの彼も変わる可能性はあります。僕の周りでも、そういう例は結構あります。
影響の輪ですよね。
影響の輪になっていくと、結局、彼との関係性が、お互いにセルフイメージが高まっていきながら、良いパートナーになることもあるかもしれないし、
彼はその影響の輪から離れていって、逆にいうと、カズさんは1人になるかもしれないけれど、必ず自然の法則はそのスペースを埋めようとするから、(彼とは)違う(カズさんと)同じようなセルフイメージの男性が、空いてるスペースに入ってくる可能性もあるかもしれない。
そんなところかな?
── 本日は、コーチングというよりは、経験からということでお話を始めていただきました。そして谷口さんのコーチングでの経験もたくさん私達に伝えていただきました。
ご質問者が自分でも気づいていないことを文章から客観的に読み取る。そしてどうやって、どこの部分に注目して読み取るのかなど、コーチをされている方にとっても、スキルとして役立つものを教えていただきました。
今回、自己効力感を高めるということを中心にお話しいただいたんですが、そういった内容は『ザ・コーチ2』の書籍のほうに書いていらっしゃるんですが、谷口さんの動画教材のほうにもあったと思うんです。『実行の達人』がそれになるんでしょうか?
谷口:そうですね。セルフイメージを上げていくというのがあります。
── 言葉だけでセルフイメージを上げるというと、わかっているようでわかっていないんですが、身近な恋愛とか人間関係で起こりうる話題の中で考えていくと、こういうところで、まだまだ自分はセルフイメージを上げるチャンスがあるし、それを上げる方法がわかると、人生がもっと豊かになるんだなと、みなさんもすごくイメージできたのではないでしょうか。
もし、これをきっかけに自分のセルフイメージを上げていきたいという方は、ぜひよければ『実行の達人』をご受講ください。
谷口:『実行の達人』はすごく参考になります。
── 興味のある方はご活用いただけたらいいなと思います。谷口さん、ありがとうございます。
谷口:ラジオのDJみたいな、何とか相談みたいな感じでおもしろかった!ありがとうございます!