稼げるコーチになるには?【金持ちコーチと貧乏コーチ】 #56
―― プロコーチとして仕事を始めたけど全然稼げないとい人がいる一方で、プロコーチとして会社員時代の何倍も稼いでいる方がいます。稼げるコーチと稼げないコーチにはどんな違いがあるのでしょうか?
谷口:なんかいいね。金持ち父さん貧乏父さん、みたいな話ですね。
まず、会社員を辞めてコーチになる人が多い、という前提で聞いてくれたので、それにはいくつか違いあるんですけど、まず、会社員と言ったらいいのかな。社員ですよね。今でも従業員って言うのかな?
会社員と個人事業主との違いとは?
谷口:プロコーチになるということは、会社を出るってことですね。簡単に言うと(会社は)大きな船なわけですよ。豪華客船みたいな大きな船に乗っているわけですね。
一方、これからプロコーチになるということは、最初は個人事業主になるわけです。個人事業主は小さな船です。
何が違うかと言ったら、従業員ということは、この船が動いていくための、ある1つの小さな役割になってないですか?例えば、エンジンのメンテナンスなのか、何か物を運ぶ人なのか、地図を見る人なのか。
会社でいうと、例えば商品を開発する人なのか、それをマーケットとして世の中に知らせる人なのか、実際顧客にセールスをかける人なのか、アフターサービスをする人なのか、いろいろ分かれてますよね。なので従業員が責任を負ってるのは経営の一部なんです。
では個人事業主は?
―― 全部ですね。
谷口:全部なんです。まずこの違いがわからないんです。僕が経営のサポートをしていて、経営者の方がよく口にしている悩みは、「いやー、うちの社員は経営者感覚がないんだよなぁ。」ということです。それは無理だよ。一部なんだもん。
社員(従業員)は、自分が与えられた役割を遂行することで給料をもらうんですね。簡単に言うと、前提は役割とか仕事は与えられるんです。で、それを与えた側が、「ちゃんと言った通りやったな」となったら毎月これだけあげるよ、みたいな形ですね。
でもその人がプロコーチになると、個人事業主というのは全部やらなきゃいけなくなる。まずその転換ができないんですね。なので、(個人事業主は)大変なんですよ。社長やらなきゃいけないですよね。こっち(会社員・従業員)は社長をやらなくていいですよね。
個人事業主は、社長もやるし、経理もやるし、総務もやるし、マーケティングもやるし、セールスもやるし、アフターサービスもやるし、商品開発もするし、みたいな感じ。そして結果は全部受ける。
まずこの転換ができないので、この(会社員・従業員)まんまです。なんとなくプロコーチって名乗っただけ、みたいな人は、まず稼げないです。
成功するために必要な2つの感覚とは?
谷口:プロコーチになった時に必要な感覚というのが、経営者感覚ですね。これが一つと、あとは起業家感覚です。起業家っていうのはことを起こす人ですね。なので起こしてまず企業としてスタートを切らないといけないですね。
次、その経営を安定させるというか、成長し続けさせる経営者。この2つがないんですよ。まず。これが稼げるコーチと稼げないコーチがいる理由の1つです。
会社の中でこの感覚を持たないと仕事ができない会社があるんですよ。リクルートという会社知ってますか?
修行じゃないけど、リクルートという会社に就職すると、これ(経営者感覚・起業家感覚)を植え付けられるんですね。会社の中で事業を起こすんです。だからいろんなもの出てくるでしょ?リクルートって。
自分で事業を起こしていって、それで経験を積むと、リクルートを出ていくんですよ。そして起業家や事業家になるんです。だから(リクルート出身の)社長、すごく多いですよ。
―― 確かにリクルート出身の方、多いですね。
谷口:多いでしょ?だって会社員の時にこれ(経営者感覚・起業家感覚)を養うから。だから会社を出てもできるんですね。
でも、よくいう大企業に安定的思考で入って、わりといい給料をもらって、一部だけ与えられた仕事をやってるっていう人は、これがないですね。なので失敗しちゃうんです。
リクルート経験者でコーチやってる人は、すぐこっち(経営者・起業家)ができるんです。なので一気に稼ぐコーチに変わっていく人が多いんですね。一方、大企業に勤めて、ずっとこっち(会社員・従業員)の感覚でやっているという人は、結構苦労しますね。なのでここを僕はぜひ教えてあげたい、っていうのが一つです。
稼げるコーチのコーチングの対象とは?
谷口:あと、稼げるコーチと稼げないコーチって何が違うかというと、コーチングの対象が違うんです。コーチングの対象は、「誰」と「何」なんです。誰を対象にするか、何を対象にするか。
誰が一番わかりやすいかな。例えばテスラの社長のイーロンマスクさん。イーロンマスクさんの新規事業の成功をコーチしたら報酬ってどれぐらいもらえるかな?
―― 結構すごそうですね。
谷口:すごそうだよね。多分何億ってもらうと思います。
では、こういう言葉いいのかどうかわからないけど、専業主婦がいるじゃないですか。「家の中片付かないんです」っという専業主婦に、片づけをコーチしたらいくらぐらいだろう?何億ってもらえるかな?
―― それはないですね。
谷口:でしょ?ということは収入は「誰」の「何」で決まるんです。稼げない人は、自分の水準以下の人をコーチするんです。
例えば、年収レベルでいきましょうか。年収レベルが500万の人が、年収300万の人をコーチしたら稼げないんですね。
稼いでる人がどうしているのかというと、(年収は)関係ないんですね。自分は年収500万かもしれないけど、年収1億の人をコーチできるかどうかなんです。そこにはいろんなものが関わってくるんだけど、これ話し出すと3日も4日もかかっちゃうんだけどね。
自分が年収500万の生活をしてて、イーロンマスクをコーチするとなったら、ちょっとビビりません?
―― ビビります。
谷口:これメンタルが大事なんですね。僕は言うんですけど、取って食われるわけじゃなし、死んじゃうわけじゃなし、失敗するか契約切られるかぐらいでしょ?でもメンタルブロックが働いちゃうんですね。お金をいっぱいもらうって何か怖くないですか?
―― そうですね。責任が発生するというか・・・。
谷口:そうなんですよ。なので、このお金に対するブロックとか、責任を追わなきゃいけないっていうことに対する恐れが邪魔して、結局現状の「稼がないコーチ」のところへ、潜在意識がそこに居続けようとするんですね。なので稼げなくなっちゃう。この辺が大きな違いかな。