苦手な人といかに付き合うか? #14
【質問】苦手な人といかに付き合うか?
── 今日は「ザ・コーチTV」の視聴者の方からいただいた質問にお答えいただきたいと思います。
谷口:最近質問が増えてきたんだって?すごいうれしい!楽しみです。
── お楽しみに!本日はペンネーム「世界平和」さんからのご質問です。
谷口コーチ、いつも楽しみにしています。
ありがとうございます。
お金の話とても面白かったです。物事には色々な見方があり、
視野を広く意識してもなかなか気づかないですね。
さて、質問があります。
会社の中で苦手な人と、いかに付き合うかが私の一番の悩みです。
ビリーフチェンジがなかなかできません。
何か良い方法があれば教えて下さい。
会社を辞めるわけにはいきません。
というご質問なんですが。
谷口:まあね、辞めてもどこ行っても絶対いるんですよ、そういう人って(笑)だから対処方法を知っておくとよいかもしれないですね。
── みなさん知りたいことだと思います。ぜひ教えてください。
谷口:この「苦手」って感じていることが、何によってそう(苦手って)感じるのかがわかんないと、どんなアドバイスがいいかな?っていうのがわかんないんですけどね。
でもコーチングしてると、この人間関係のテーマって必ず出てくるんです。目標達成の中に人間関係っていうのが必ず介在してくるからなんですね。
では、一般論として僕だったらこういう考え方を提案するかなっていうものをいくつか。
「苦手」のレッテル貼ってませんか?
まず「苦手」っていう風にその人にラベルを貼るというか、レッテルを貼ると、「苦手」が強化されるんですね。
これ心理学では『ピグマリオン効果』とかいうんですけど、あの人はこういう人だってレッテルを貼るとその通りになっていくっていう意味なんですね。
僕、子育てコーチングのところで、PTAの講演会とかでよくいうんですけど、例えばお母さんとかお父さんが子どもの三者面談で、先生との面談に行くと、自分の子ども紹介しますよね。
その時、「うちの子だらしないんです。先生、学校でよく注意してあげてください!」とかいうと、先生の中にその子の印象がインプットされるんですね、だらしないって。これがレッテルなんです。
そうすると先生は「え~、ハナちゃんはだらしないんだ。」っていう前提でその子を見るんですね。
ちゃんと片付けているところは、そのレッテルにそぐわないので見えてこないんです。自分のレッテルと違うことをやってるわけです。だから見えないんです。
で、片付いてない状態、だらしないっていう風に思う状態だけ見えてくるんですよ。
そうすると、またしばらくたって三者面談があるでしょ?そうすると、「先生、うちのハナコは全然だらしないのが治らないんです。」っていうと先生が「学校でも注意して見てるんですけれど、なかなかね。学校でも言ってもなかなか難しいですね。」
なぜかっていうと「ハナちゃんはだらしない」っていうレッテルを貼ったから、片づけているところは脳はそれはないものとするんです。
こういうのをレッテル、ピグマリオン効果っていう。
だからその人が、「あの人は苦手だ」って思うと、苦手なふるまいをしてるところしかその人にとっては見えてこないんで、いっそう苦手になるんですよ。
── 本当ですね。
谷口:あの人はこういう人だ、っていうとそう思い込むでしょ?人間って。
学校でやんちゃな子がいて、いつも身なりが貧しい格好していると、「あいつは、いたずらで悪い奴だ」ってみんなが思う。
すると学校で、例えば給食費が無くなると、「アイツが取った」っていう風になるわけですよ。そして職員室に呼ばれると、「お前が取ったんだろ?」「いや、取ってない!」って言っても、「もういいから。ちゃんと出せばいいから」って言われて、わーって荒れていく訳です。
思い通りの人になるっていうのがピグマリオン効果っていうんだけれど、「苦手」って思えば思うほど、その人は苦手にしか見えてこない。
── 苦手が育っていく感じですよね。
谷口:そうそう。苦手が強くなっていく。
その人との関わりの中で、苦手と感じない接点、関わり方も日常に絶対存在してるはずなんですよ。でもそれは見えない。
「あっ苦手」とか「いやだな」って感じるシーンだけがキャッチアップされて強化されちゃうんですね。
まず「苦手だ」と思うことで、よりその人とはやりにくくなるので、このレッテルを貼り換えたりするのを「ラベリング」っていうんです。
── ラベリング
「苦手」を「違う」に変えてみる
谷口:よく提案するのは、「苦手」を「違う」に変える。あの人は私と違う人だっていう風に。苦手って感じる人って自分と何かが違う人じゃない?
例えば、歩くスピードが違うとか、食べ物の趣向が違うとか、考え方のパターンが違うとか、価値観が違うとか、評価基準が違うとか、なんかいろいろなものが違うからでしょ?
それは「違う」に変えるとラクです。あの人は私と違う、っていう風に変えると、「嫌い」「苦手」が「違う」「違い」になる。なんでこういうのは提案するかな。
── 今、谷口さんが「苦手」っていう言葉を「違う」っていう言葉で置き換えられただけでなんか空気が変わりましたね。
谷口:これパートナーでもいえるんですよ!
だって違う者同士が結婚してるんだから、イライラすることもあるじゃない?それは無意識で「自分と同じ」っていう前提で見てるからです。「違う」っていう前提で見たらいいんじゃないかな。
── 「違う」っていう前提で見てみる。
谷口:たぶん国際結婚なんかすると、「違う」が前提だから、「あ、そういう文化なのね」って思うんじゃないかな~。日本人同士結婚すると、前提同じだからね。「あっ違うんだ!」っていうのが一つ。
「セルフイメージを上げる」という解決策も
谷口:あとは、もしその「苦手な人が攻撃をしてくる」っていうことで苦手を感じるとしたら、解決策の方法としたら「自分のセルフイメージを上げる」っていうのが一つの方法かな。
もしその人が自分に攻撃をしてくる感じでそれを苦手とか嫌だと思うんだったら、相手は変えられないから自分のセルフイメージを上げるんだけど。
例えばあなたが誰かをいじめたくなったとするじゃないですか。そういうのってあるよね、人間って。イジメたくなったとしたら、セルフイメージか高い人とセルフイメージが低い人、どっちの人イジメる?
── 低い人?
谷口:そう!イジメやすいじゃないですか。だから自分より弱者に対して人って攻撃するんですよ。
セルフイメージを上げておくと、その人は、質問した人、世界平和さんをイジメにくくなるわけですよ。きっと、もし苦手な人が攻撃してるとしたら、全員に攻撃してないはず。
たぶん苦手な人をAさんとすると、Aさんよりセルフイメージが高い人に攻撃しないと思うんですね。っていうことは、「自分のセルフイメージを上げる」簡単に言うと、
「自己受容感」、「自分のこと大好き」、「自分を信頼している」、「自分を尊んで自分をリスペクトしている」、という風にセルフイメージを上げると攻撃は弱くなってくるかな。
── そうですね。確かにこの人間関係のなかで、イジメられやすいとか攻撃を受けやすい方っていうのは、セルフイメージが・・・。なんかわかる気がします!
谷口さん:わかる気がするでしょ?セルフイメージが低いと、ちょっと意地悪な人ってやっぱり弱者を見つけて攻撃するんですよ。
だって、自分より自己受容感が高くて、自己信頼感が高くて、自己尊重感が高い人に攻撃するってリスクだもん。でも自己否定感が高くて、自己不信感で、自己を卑下しているないがしろにしてる人って、こいつイジメてもいいんだって思われちゃうんじゃないかな?
── 人間の心理でそれありますね。
谷口:相手は変えられないけれど、自分のセルフイメージを上げるっていうのが一つと、あとは苦手を違うラベルに貼りかえる、かな!
── こうやって見えるようになると、本当に苦手な人とかっていなくなっちゃう感じがしますね。
谷口:そうね、違うんだから!
── もし攻撃を受けてるっていう感じがあるんだったら、その攻撃を受け付けないくらいのセルフイメージを高めることでその状況をなくしていくっていうことですね。
世界平和さん喜ばれると思います。会社辞めなくて大丈夫です。まだやれることいっぱいありそうです!
谷口:辞めて他のところ行ったって絶対いるんだから、違う人って(笑)