ゼロからコーチングのクライアントを見つける方法 #119

最終更新日:2024年1月10日

―― 今回は「ゼロからコーチングのクライアントを見つける方法」というテーマで、谷口コーチにお話を伺っていきたいと思います。

プロコーチを目指している方にとって、一番初めに立ちはだかる壁が、実際にコーチングフィー、お金を実際に払ってくれるクライアントを見つけることだと思います。クライアントを見つけるために、ブログを始めたり、FacebookやYoutubeやInstagramなどのSNSを始めたりする方も多いのではないかと思いますが、

もし今、谷口コーチが、コーチングを学び始めた40代の頃だったとして、近い将来プロコーチとして独立したいと考えながらも、まだ会社員として働いているとしたら・・・谷口コーチはどんな方法でゼロからコーチングのクライアントを見つけていきますか?

このテーマはきっと、今プロコーチとして独立を考えている視聴者の方も知りたいと思われているんじゃないかと思いますので、是非、お教えていただけませんでしょうか。

谷口:なるほど、24年前の話だ。

―― まあ、「現時点として」っていうことは、またその状況が色々変わってるんじゃないかなと思って。

コーチング起業で24年前と変わったこと 変わらないこと

谷口:今、話してて、変わってること、変わってないことがあるなっていうのを1つ思いました。

変わっていることは、色々ツールって言われるものはどんどん進化してますよね。SNSだったり、いっぱい出てきてるでしょうし。ツールはどんどん進化してるので変わっている。

ただ人の心というか「人とは?」みたいなのは、24前と変わってないような気がしますね。

僕だったらどうするかな。まず、僕はいつも考えてんですけど、人が何かサービスを頼んだり、物を買ったりする時の大前提っていうのは変わってないと思うんですよ。それは昔から、江戸時代でもその前でも。

どういうことかって言うと、そのサービスを提供している人と、そのサービスそのものを信用、信頼してるってことですよね、前提として。

だから、車を買おうと思ったら、車と車を作った会社を信用してる。

レストランで物を食べようと思っても要は、食べ物が安全であるって、多分信頼してんでしょうね。そこで作ってるシェフとかオーナーの考え方とかコンセプトとか、そういったことを信用、信頼してると思うんですね。

ネット商品だってそうだな。その商品の性能とか安全性とか、色々効果を信用してる、信頼している、それを製造、販売してるところを信用、信頼してる、だから買う。だと思うんですよね。

ていうことは、1番力を入れるのって、その信用、信頼をいかに高いレベルで勤めてる時に作り上げるか?

逆にうまくいってない人って、勤めてる時に、このことを軽んじているっていうか、手を抜いてるっていうか。

僕の所に来てくれる、将来プロコーチになりたい人に言っているんだけど。

「プロコーチになりたい、でも、今会社に勤めてるんだったら、今の仕事全力でやった方がいいよ。その振る舞いや態度を見てるから人は。」って言い方をしてるんですけど。

僕だったらまずそうするかな。

ここにちょっと資料あるんですけど、これ僕がやってる、『虎プロTHE伝承』vol.2に、『プロコーチとして起業する事業計画とブランディング』ってあるんです。

僕のところへ来る人には、コーチングスキルじゃなくて「事業」から。僕は、事業って何?っていうのから教えたいんですよ。

『事業主』になるためにすべきことは?

谷口:事業ってやっぱり自分が事業主だとすると、世の中との信用、信頼をいかに担保するか。それを長期的にいかに高く継続するか。だと思っているんですよ。

この(虎プロvol.02の)「コーチング事業をうまくいかせるための110のヒント」の中に入ってるんですけど、その中にこういうのあるんです。

『無条件に建設的な人であるという評判を立てる。』

無条件に建設的な人であるという評判を立てる

谷口:建設的って、現状をもっとより良くしようという風に積極的に取り組んでる姿勢のこと言うんですね。

じゃあ、僕が何したかって言うと、前にいた会社で、「もっとこうしたらいいのに・・・もっとこんな事こうできるのに・・・。」って思うことあるじゃないですか。

不満とかもあるし、提案もあるので、それを遠慮なく言っていました。「もっとこうした方がいいんじゃないですか?」って。

それで、「そうだな。」って言ったら、まあよく言うんです、『いいだしっぺ損する』じゃないですけど、じゃあ、言ったからには俺がやらないといけないなみたいな。

だから、手弁当でアフターファイブに新人の営業経験がない新人に、「セールス教えてあげるよ!」って、「時間とるよ!」って。

あとは、僕、建設業だったので、取引業者いっぱいいるんですよ、水道屋さん、施工屋さん、電気屋さん、工務店のおじさん、設備屋さんとか。

当時、みんな鉛筆なめなめ手書きで見積書とかやってるから、「いや社長、今ね、エクセルって便利なものがあるから、事業会で皆さんにパソコンの使い方教えますよ。」って言って、そういうのをずっとやっていたんです。

そしたら、やっぱ見てるんですね、その態度を。それで、僕は自負してるのは、谷口さんは無条件に建設的な人だっていう評判が立ったんだと。

まず、これが1つですね。

あの人は、いかにその会社、業界で無条件に建設的な人である、信用、信頼に値する人である。そこに、その評判を立てることに、まず全力を尽くしますね。

そうすると、今度は僕が発信するものに興味持ってくれるじゃないですか。

で、「実はコーチングっていうのを勉強してるんです。」と。

「僕は、自分のスキルアップのためもありますが、より良くしたいので、無条件にコーチングをしますと。だから、私とパートナーシップを組みませんか?私にコーチさせてもらえませんか?」っていうオファーを、その信用、信頼が立ててる人たちに、1人ずつオファーを出します。

―― あー、一人ずつオファーを!

谷口:だから、まず、この時点では、SNSとかブログなんかやりません。

僕、いつも思ってるのは、事業の1番最初の顧客との接点はセールスだと思う。

僕がもし当時だったら、まず、最低10人。

―― 10人!

谷口:うん。どんな形でもいいので、コーチとクライアントの関係性をスタートすることに全力を尽くすかな。で、それは直接セールスですね。

まず前提は信用、信頼を勝ち得るために、圧倒的に無条件で建設的な人だという評判を立てる、全力で仕事をする。

でも、これね、誤解しないでほしいんですけど、全力で仕事するっていう時に、会社から言われたことをNOと言わずに全部引き受ける、と思う人がいるんですよ。

これ疲弊するだけですから。

この建設的っていうのは、とにかく、より良くしようと思って積極的に取り組む、だから 「これはいらないと思います、やる必要はないと思います。」っていうのも建設的。

―― はい。

谷口:だから、なんでもかんでも会社に言われたことをやるんじゃないですよ。

そういうのをやってたら、評判が立つわけですよ「あいつ頑張ってるな。」とか、「あいつはみんなのために、より良くしようとしてくれてんだな。」という評判が立ったら、

「実は僕、こういうことを考えてやっています、ぜひ、私にコーチさせてもらえないだろうか?」と。

有望なクライアント候補に1人ずつ声を掛けていきます。その時に有償か無償か全く気にしない。

軌道に乗るまでは有償か無償かは気にしない

―― その段階では?

谷口:だって、事業だと僕、レストランとかもちょっとやりたいと思ってたんですけど、 大体3年ぐらい赤字ですよ。借り入れしてやったりする。

ということは、事業なので、最初のスタートの時と軌道に乗り出した時と発展する時で仕事が違うはずなんですよ。

まず、軌道に乗せなきゃいけないので、どんな形でもいいので、1対1でセールスをかけていきます。

次。10人になったとしますね。

僕よく言っているんですけど、セールスの次の王道ってリピートと紹介なんですね。 じゃあ、クライアント10人、全員無償でもいいです。

「フィーはもちろんいりません、僕と何か月か、一緒のゴールに向かってチャレンジしていきましょう。」と。

「それで、3か月後にもう1回、査定をして、価値があると思ったら検討していただけますか?」って言って、無償でもいいので始めます。

そしたら今度は、自分が提供するサービスに全身全霊でそれを提供する。相手が期待することのイメージは10倍ぐらいのサービスをしていく。

それね(テキストの)どっかに書いてあるんですね『クライアントの希望することの2割増しのサービスを提供する』ってここに書いてある。

そうすると、期待を超えるわけですよ、実感する人は。

そうすると、「谷口さんのコーチングっていいね!おかげで会社の目標達成できたよ!」って言われたら、

「良かったです。では、ここから更新して第2クールに入りますけど、私もプロでやっていきますので、コーチングフィーをいただきたいと思いますが、更新はされますか?」って言ってきます。

で、「もちろんこれだけの価値があるんだったらお金は払います。」って言ったら有料クライアントでしょ?

―― はい!

谷口:ですよね。最初は無償でもいいんです「リピート、再契約するときにお金を払います。」って言ったら有料クライアントになります。

次、その人たちが期待を超えるサービスを受けたら、人に話したくなるんですよ。これ紹介。

リピートと紹介

谷口:「じゃあ、その価値があったっていうのを人に話して、同じようなゴールを目指してる人を私に紹介してください。今どなたか思い当たる人いませんか?」

 って言って紹介をお願いする。

会社辞めるでしょ?起業独立まではこれを圧倒的に繰り返しますね。

―― 逆に今谷口コーチがおっしゃっていて思ったのが、会社を辞める前だったら、それを全然リスクなく圧倒的にできるというか。

谷口:普段の仕事とかに全力を尽くして、要は無条件に建設的な人なんだ、あの人は。とにかく自分たちも会社も 業界も良くしようとしてんだと。歯に衣着せぬ言い方をちゃんとしてくれると。 別に迎合するわけでもない。

とにかく、より良くしたいっていうことに全身全霊を傾けてるんだって評判立ったら、それだって仕事だもんね。

その中で「実はこういう風にやってます。」って言う、それに尽きるかな。

仕事しながらSNSとかえらい時間かかりません?

―― そうですね。せっかく近くに、既にその信用、信頼を得れていたり、その関係性がある人がいるのに、それを無視して新しい0からまた作るっていうのは、それ大変ですよね・・・、会ったこともない人の信頼を得るっていうことですもんね。

谷口:それって普通大企業がやることですよね。マーケティングだもん。マスに向かってやってますからね、僕なんか個人事業主でしょ。

コーチ業、10人最初にいたら最高のスタートだと思いますよ。いいじゃないですか、まだ会社勤めてんだから、とにかく10人。

会社勤めながらクライアント10人を目指す

谷口:まず、半分有償でリピートしてくれたら、有償クライアントが5人。

もうこれも僕いくらでもいいです、会社勤めてるしいくらでもいいです。で、その人に紹介してくださいって言って、何人か紹介してもらって、常に10人を目指すかな。

その中でまた評判が立つわけです。

「あの人は、非常に無条件に建設的に、なんかコーチングやって、めっちゃめちゃ頑張ってやってるよ」っていう評判が立ったら、僕は実際そうだった。

ある、ちょっと知り合いの直属じゃの上司じゃない、あるA部長さんから、「お前、谷口、なんか会社の中でやってるらしいな」っていうから、「やってます!」とかって言って。

「うちの事業部でもやらないか?」みたいな。「もちろん喜んで行きますよ!」ってなるじゃないですか。

で、それ、積み上げた方が早い気がしますね。とにかく(会社を)辞めるまでは圧倒的にやって。

もし、10人を下回ることようなことがあったら、やっぱり王道に戻るかな。今までの人脈をたどってセールスをするかな。

とにかく10人。要はリピートとは紹介、ここに集中する。

それがある程度軌道に乗ってくるわけですよ。リピート率と紹介率が上がってきますのでね。

僕も実績を積むし、経験も積むから、僕の能力やスキルも上がってくるわけですね。経験も積んできて勉強もするので、そしたら次何やるかっていうと…今でしょ?

―― はい。現代です。

谷口:ブログやSNSじゃないな。次は本出すな本。

本屋に並ぶ本を出版する

谷口:僕の時は本出すって超ハードル高いですよ。本屋に並ぶ本を出す。

今、Amazonに出店するのお茶の子さいさいじゃないですか?

―― あー、電子書籍だったら。

谷口:そうそうそう。

もう条件が全く変わりましたね。僕が今もし40歳だったら次に選択と集中は「出版」だな。

―― 出版。今おっしゃった選択と集中っていうのがやっぱり大事なんですね。

谷口:いや、絶対大事ですよ。

まず、お金も有限でしょ、僕が取り組める時間も有限じゃないですか。このエネルギーをワァーって散らしてると、どれも成果出ないんですけど、ある日、手にぎゅって時間もお金も集中したら早いかな。選択と集中で次は全力で本を書くかな。

ここにもあるんですよ『ルールを破るような本を書く』。(虎プロvol.02の)コーチング事業うまくいかせるための110のヒントの中に。

ちなみに僕は昔2009年はまだ電子書籍がそんなになかったんじゃないかな、もう、絶対本書きたいと思って「ザ・コーチ」を書いたのが2009年でしょ。だから48、49歳の時。

今だったらもっと簡単なので、電子書籍書くかな。

日本人って面白いですよね「著者」だけで信用するよね。

―― 確かに!すごい人っていう。

谷口:そう、すごい人って思われちゃうんだよね、その手を使うな。もちろん、無条件に普段から建設的な人なんですよ、態度も振る舞いも。

不思議ですよ、本書いたら先生って言われちゃうんだもん。僕、全然先生じゃないんですけど、って思ったんだけどさ。

なので、本書く。そしたらそれがマーケティングツールになりますね、それをひっさげてコミュニティに行きますね。

コミュニティにいく

―― コミュニティに行く。

ここ(虎プロvol.02の)コーチング事業うまくいかせるための110のヒントの中にもあるんです。『理想的なクライアントが出入りする会合などのメンバーになる』

だから、自分が無条件に建設的な人であるって評判は、元いた会社や元いた業界には、知ってもらったわけですね。

次、クライアントには知ってもらったわけ、無償でもいいのでどんどんセールスしたクライアントには谷口コーチは無条件で建設的な人だ、とにかく、よりよくするということに関しては、積極的に全身全霊で取り組んでくれるって思ったら、だんだん増えていったじゃないですか。

自分が建設的な人だっていうのを広げたいわけです。そしたら、僕だったら直接会いに行くな。

若松さん、どうなの?ブログ読んだり、SNS見たりして、この人は無条件に建設的だなっていうのってなかなかそこまで行くの大変なんじゃない?

―― 確かにそうですね。ものすごく文章力あったり、ユニークなその文章で伝えるのがものすごく上手な人だったら、それができるかもしれないですけど、ハードル高そうですね。

谷口:だよね。それが例え上手くても、僕のクライアントがそこの文章にたどり着く確率って・・・

―― いや、低いですね。

谷口:天文学的に低いよね。

―― やりやすいので、誰もが書いてたりするのでブログとかですと、 確かに到達してもらうまで凄いハードル高そうです。

谷口:太平洋の中で落とした指輪見つけるくらい?

―― 確かにどんどん確率が増えてる。

谷口:だから僕だったら次は会いに行って、例えばあるコミュニティ、僕は中小企業家同友会っていうところに行きましたけど。

そのコミュニティのメンバーになったら、その同友会の中で、『谷口さんって圧倒的に無条件に建設的な人だね、今まで入ってきた人と違うよ。今まで入ってきた人は、ここでお客見つけようと思ってきてる、でも、谷口さんはとにかく中小企業を良くしたいんだって、無条件に積極的にそうする』というような僕はそこで態度や振る舞いや行動に出ると思います。

それで、評判が立って、僕は実際そうだった。「谷口さん、何やってんですか?」って、僕が「コーチングというのをやって、それが僕の生業です。」

「谷口さん、うちの支部で勉強会やってくれない ?」「喜んで!」みたいな感じですよ。

その中で評判が立ったら、「実は新しいクライアントを探してます。〇〇さんのビジョン、会社のビジョンや夢には 非常に共感するので、ぜひ私に手伝わせてもらえませんか?」って、もう1本釣りで。

これもよく見てると、プロコーチになって稼ぎたい!とかっていう人が、本当に全身全霊でやってるのかな?って思うことってあるんです。

コミュニティーの中の会合でも、ミーティングでもトレーニングでもいいんです、そこで、 あの人は圧倒的に違うぞと、あの人圧倒的に建設的だぞって思ってもらえるような関わり方や、振る舞いや態度してないんじゃないかな。

だって、「誰かやりませんか?」って皆、シーン。「質問ありませんか?」シーン。「ご意見ありませんか?」シーンで。

僕、何やったかって言うと、「誰か質問ありませんか?」「はい!1ついいですか!」、「ご意見はありませんか?」「はい!僕はこう思います!」、「誰か前に来て試しにやってみませんか?」「ぜひやらしてください!」

全部手を上げていく、そしたら、周り見てますよね、あの人は違うぞと、こういう風にするかな。

それで結構軌道に乗るんじゃないかなって思うな。

コーチング事業をうまくいかせるためには~まとめ~

谷口:とりあえず、まだ会社に勤めていて、2年後にプロコーチとして起業するって言ったらこの辺までかな。

起業して1年目で本を出すことに全力を尽くす。選択と集中をする、Amazonだったら出せます、今だったら、そしたら著者になります。

それをひっさげて、クライアントがいるコミュニティのメンバー手当たり次第入って、そこでも圧倒的に建設的な人だっていう評判を立てて、またそこでセールス。

クライアントができたら、あとは圧倒的期待を超えるサービスを提供して、リピートと紹介。

それをしばらくやるかな。

それで、時間があったらSNSいくかな・・・あまり、いかないかもしんないな。マスになってきたら別ですけどね。

僕のことを見つけやすい状態、例えば、僕、本出したじゃないですか。

本を出すと、結局『タニグチタカヒコ』って検索される割合が高くなってくる。

あの、僕は知らないけど、たまたま書店で本を取ってくれた人がこの人どんな人なんだろうって直接検索してくるんですね。

そしたらブログが出てくるSNSが出てきて、普段こんな生活してるんだ、素敵なパートナーがいるんだとか、趣味ゴルフなんだとかって言って親近感湧いてくるじゃないですか。

とか言うには使うけど、SNSとかブログで集客は僕はしないかな。

やっと僕を直接検索してくれる環境までなったら、さらにファンを増やすためにSNSやそっちに行くかな。

これぐらいにしておきましょうね。

―― ものすごく参考になりました。ありがとうございます。

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