コーチング起業に必要な準備とは? #106

最終更新日:2023年3月28日

―― 今回は「コーチング起業に必要な準備とは」というテーマで、谷口コーチにお話を伺っていきたいと思います。

谷口コーチのもとには、「将来的にプロコーチとして独立したい」という方がたくさん集まって来られると思うんですね。

谷口コーチが主宰されている『虎の穴プロフェッショナルTHE伝承』という、プロコーチの養成講座に参加されている方はもちろん、きっとこの『ザ・コーチTV』の視聴者の中にも、将来的にプロコーチとして独立したいという方や、すでにプロコーチとして活躍されている方も多いのではないかと思います。

これから独立したいと考えている方からすると、せっかくプロコーチとして独立するなら、サラリーマン時代よりも多く稼ぎたいと思っている方や、ご自身や家族との時間と仕事のバランスを上手く取りながら、ワークライフバランスを充実したものにしたいと考えている方が多いと思います。

つまり、人それぞれ理想の形はあると思いますが、独立したら、スムーズに、それぞれの理想の働き方や理想の形に近づきたいと考えている方が多いと思うんですね。

そこで、谷口コーチに質問なのですが、プロコーチとして独立してから、スムーズに成功に向かって進めるようになるために、会社勤めしている間から準備できることがあればお教えていただけないでしょうか?

谷口:なるほど。前提は、今は会社勤めをしている、ですね。そして、その会社という大きな船を降りて、自分の船で起業独立してコーチ業として将来スタートを切ると。そのために、会社勤めの今のうちに何をしておいたらいいか、ということですね。

まず、これは僕の『稼げるコーチになるための虎の穴プロフェッショナル』のプログラムでも伝えているんですが、一番最初に「プレゼンス」、日本語で言うと、自分の「存在」とか「影響力」ですね。

「在り方」みたいな言葉を使う方もいますよね。自分そのもの。これがプログラムとして最初に出てきます。

次に「セールス」が出てきます。その次に「ブランディングと事業計画」が出てきます。

そして、やっとコーチングのクライアントが取れたら始まる「オリエンテーション」という流れになってるじゃないですか。

結局、起業したらそれをやるわけです。最初のプレゼンスとセールスとブランディングと事業計画。これは事業を始めたら誰でも絶対必要になってくるんですね。

それで考えると、まず会社にいる間に何を準備した方がいいか。僕がよく言ってるのは、今の仕事を全力でやった方がいいよ、と言ってるんです。

起業のために準備しておくこと

【その1】今の仕事を全力で取り組む

谷口:ある一定の世界で範囲はあると思いますけど、自分が働いている範囲がありますよね。まず会社の中、そして関係会社、取引先、もっというと業界とか団体とかありますよね。

範囲は狭まってるんですけど、その中で今は会社のある一つの責任と立場を担って仕事をしているわけなので、それを全力で全うする。

なぜかというと、「谷口さんはああいう人だね!」とか、「谷口さんが起業するなら応援したいね!」って思ってもらった方がいいじゃないですか。

なので、目的は、自分という存在の信用と信頼を勝ち得ておくことなんです。

それがプレゼンス=信用と信頼です。

その業界、会社、取引先の中で、自分の存在というものを、「明らかに信用できる人という存在」として作っておきたいんですね。ですので、信用と信頼を得ておく。

次に、今度は「セールス」になるんですけど、初めて出会う人に「私ってこういう人間なんです!信用してください!私にコーチさせてください!」っていうのと、

すでに信頼されている人に「今度独立したので。私にぜひ手伝わせてください!」っていうのとでは、セールスの成約率違わない?

―― 全然違うと思います。

谷口:ですよね。見ず知らずの人に、「僕ってこうで・・・」ってアピールするより、すでに僕の仕事っぷりを見ていて、「谷口さんって信頼できるね。谷口さんはやっぱり誠実だね。あの人は全力で取り組むね。」という僕の印象を持ってもらっている人に。

例えば、あなたが取引先だとして、「○○さん、今度私、自分の天職としてコーチという仕事に就くんです。それで起業をスタートするんですが、ぜひ若松さんの目標達成、それを恩返しのつもりでお手伝いしたいので、私にコーチを依頼してもらえませんか?」と言われたら、まずは話を聞いてくれますよね?

―― そうですね、話を聞きますね。

谷口:聞きますよね。「あ、谷口さん独立したの!」という話になるじゃないですか。なので、まずは今の会社で全力を尽くして仕事をする。

上手くいかない人って、会社がイヤだからコーチになろうっていう人がいるんですよ。会社がイヤとか、こんな仕事つまんないと思っていて、コーチの方が良いなぁって思っている人って、会社にいる時から会社の仕事はつまんない、この会社はダメだっていうのが、雰囲気で出ますよね?

すると、「あいつはダメだ、今の仕事もろくにやらないで。」みたいになっちゃうじゃないですか。そうすると、その先独立してもなかなか信用と信頼が勝ち得られない。

なので、プレゼンス。セールスに繋がるためには今の会社を全力でやる。そして信用と信頼を勝ち得ておく。これが一番目の準備です。

次はマネジメントかな。

【その2】セルフマネジメントができるようになっておく

谷口:マネージャーという仕事の人は管理職ってやるんですけど、それ以外の人って、会社に勤めていると、セルフマネジメントという概念があまりないんですよ。

なぜかというと、会社がマネジメントしてくれるから。あなたはこれをやりなさい、いつまでにこれを仕上げなさい、これに責任を負いなさい。

もっと言うと、タイムテーブルも会社が決めるでしょ?何時に出社して、いつは会議ですよ、締めはこれですよ、って会社が決めるから、決めてくれたものを全力でやればいいじゃないですか。

でも、独立すると、全部自分で決めなきゃいけないんですね。ということは、自分で、ゴールはいつで、納期はいつで、負っている責任は何で、毎日どのようにそれに取り組むか。

さらに、評価する人もいないんですよ。評価者も。

―― 確かにそうですね。

谷口:ということは、甘えようと思ったらいくらでも甘えられちゃうんです。怒る人もいないし、決める人もいないし。そうするとね、ずるずると、闇雲に、ただ起業してから何となく時間が過ぎちゃうんですよ。

だから、セルフマネジメントですね。理想的な自分の仕事になるために、自分の責任は何で、今月のゴールは何で、やるべきことは何で、で、それを一日与えられた24時間で、どのようにマネジメントしていくのかを、今から訓練しておいた方がいいですね。

だれも決めてくれないですから。これが準備の2つ目です。

3つ目は、ゴールセッティングかな。

【その3】自分でゴールセッティングできるようになっておく

谷口:これも会社に勤めていると、ゴールは会社が決めるんですよ。うちの今期の目標は?とか、あなたの目標は?とか。今だったら、期初に目標設定面談とかいって、上司と面談して決めるじゃないですか。

独立すると、これも全部自分で決めなきゃいけないんですね。

なので、今のうちから自分でゴールを決める、目標を決める、ビジョンを描くっていうのは練習しておいた方が良いかなぁ。

イメージはね、僕はよく三角形を書くんですけど、一番下が依存状態なんですね。

真ん中が自立(自律)。自分で立つのか、自分を律する。

そして一番上が主体なんです。自分で考え、創造し、自己責任で結果に向かう。

会社にいる時ってやっぱり下のゾーンなんですよ。依存してるんです。独立するっていうのは、そこから上に行かなきゃいけないんです。依存状態から自立、ですね。そして自主。それから一番上の主体に行かなきゃいけないので。

コーチングスキルとかっていうのは、それさえできれば必ずついてきます。けれど、みんなコーチングを勉強するんですよ。独立するために。

でも、コーチング力があっても、要は信用されてなくて、自分で律することができなくて、ゴールも曖昧だと、多分上手くいかない。事業として。

―― グサッときます!

谷口:コーチング力は後からついてくるから、今言った、プレゼンスですね。団体、業界、今いる会社の中で信用・信頼を勝ち得る。そうするとセールスがラクです。

次にセルフマネジメント。自分で律する、マネージメントをする。

次に主体ですね。自分でゴールを決めたり、それに向かって進んだり。それを今のうちから練習しておくのをおすすめします。

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