クライアントの個性を活かすコーチングとは? #126

最終更新日:2024年10月11日

―― 今日は、『クライアントの個性を活かすコーチングとは』というテーマで谷口コーチにお話を伺っていきたいと思います。

谷口:興味深いテーマですね。時代に合ってますね。

―― MBTIっていう言葉、聞かれたことがある方も多いと思うんですけども、今、若者を中心に16タイプの性格タイプに分ける性格診断が流行ってるそうなんです。今、若者の会話の中で、このMBTIの性格タイプというものが話題になって、「あなたは何のタイプ?」と言って会話に入るっていうのが、割ともう一般的になってきてるようなんですね。

谷口:僕たちの時は動物占いでした(笑)そういうやつだよね?

―― そうですね。一部の会社では、面接でMBTIの性格タイプを聞かれたり、自分の会社の席に『私は○○の性格タイプです』というのを貼り出して、コミュニケーションに役立てているところもあるそうなんですね。

谷口:僕も聞いたことあります。

―― こういった性格診断、大好きな方も多いんじゃないかなと思うんですけども、先ほど谷口コーチが言われた通り、血液型から始まり、動物占いですとかビッグファイブみたいな心理学の診断など、これまでも様々な性格診断や適性検査などの個性を診断する方法があったと思います。

この診断の目的の根本には、きっと、人間みんなそれぞれ個性が違うから、その個性の違いを少しでも認識したり、理解しやすいように分類して、自分や他人を知ったり、円滑なコミュニケーションに活かしていこうというものじゃないかなと思うんですけれども。

そうすると、コーチングにおいても、クライアントの個性はもちろん皆さんそれぞれ違っていて、いろんな個性を持った方をクライアントとして迎えることになると思います。

ここで谷口コーチに質問なんですが、このクライアントの個性というものを、谷口コーチはどういうふうに捉えてコーチングされているんでしょうか?

そして、コーチングもやっぱり人間同士のやり取りなんで、性格的に合うとか合わないとか、もしかすると、コーチングをする方の中で、クライアントのことを理解できずに、悩んでいるようなコーチもいるかもしれないなと思いまして。そんなコーチの方たちへのアドバイスがありましたら、ぜひ教えていただけませんでしょうか。

谷口:これはまさに時代に沿ってるテーマですね。僕なりに考えてること、やってることをお話していこうと思うんですが。

若松さんがさっき言ってたMBTI。事前に送ってくれたんで、やってみましたよ。面白かった!

僕、主人公タイプでした。それも影響力のあるリーダーみたい。

―― さすが!谷口コーチのタイプは主人公なんですね。

谷口:主人公って、自分の人生の主人公になるっていう言い方してるんですよ。なので、結果出てニヤニヤしてるんです。やっぱりこれ若い人たちがハマるのわかります。

さて、個性の話ですよね。

まず、僕は今の時代に沿ってるっていうふうに思っています。で、僕なりの考えなんですけど、まず活かす前に前提をお話ししようと思います。

20世紀と21世紀 時代背景の違いとは?

谷口:20世紀から、今21世紀になって、新しい時代になってるんですけど、20世紀ってどんな時代だったかっていうと、イメージは結構戦争してたじゃない。それとか高度経済成長してたでしょ。

こういう時ってパっとイメージなんですけど、20世紀って権力と支配の時代って僕思ってるんですよ。要は、他の領地を支配しようとか、略奪して自分の富を増やそう、力を蓄えようみたいなの。戦争ってそうですもんね。

多分、国の政治も強いリーダーが民を支配するみたいなのってあったんじゃないかなと思うんです。だから20世紀は権力と支配。

21世紀、現代。世界中見渡すと、まだ権力と支配の国はありそうですけど、でも往々にして、時代が一部変わって、僕は(21世紀は)創造と共生の時代だと。

新たなものを作り出す。価値とかね。それと共に生きる。誰か一部だけに富が集中するのではなくて、共に豊かになっていく。

なので、ダイバーシティインクルージョンみたいな言葉も出てきたということです。

それで、それぞれその時代にあった教育。ちょっと言葉選ばないで言っちゃうと、ある意味、教育って部分的には洗脳だと思ってるんですよ。だって義務教育って言ったら、全員同じ考えみたいになるじゃない。

そうすると、20世紀は画一性の教育だったんです。画一性っていうのは同じが良しですね。みんな同じってことです。画一性ね。

21世紀は多様性の教育なんです。違いが価値っていうのがまず前提に、時代背景にあるんだっていうのが僕の考え。多様性の時代になったんで、違いが価値っていうことで、個性を活かすっていう時代になったんですね。

画一性と多様性 それぞれのメリット・デメリットとは?

谷口:では、まずそれぞれの時代なんですけど、メリット、デメリットあるとするじゃないですか。

画一性。みんな同じ、同じが良し。画一性の何かメリットって思うことある?

―― 画一性…。管理がしやすいとか、目指す方向が一緒なんで迷わず進めるみたいな。

谷口:まず1番はコントロールしやすいですよ。同じが良しだから。支配と権力の時代には、コントロールしやすい方がいいじゃないですか。

でも、デメリットもありますよね。画一性のデメリットなんだと思う?

―― 応用というか、臨機応変というか、どう言ったらいいんでしょう。変化に弱そうな気がします。

谷口:変化に弱そうですよね。もしリーダーっていうか権力者が間違ったら、一蓮托生で死んじゃうみたいな。全員沈没みたいとかになりそうじゃないですか。

あと、急激な変化に対応できないとか、あとは、新しいものが生まれにくいっていうのはあると思うんですね。

では、多様性のメリットってなんだと思います?

―― 多様性のメリット。いろんな価値が生まれたり、いろんなものを価値と認められる。

谷口:なんか生まれそうじゃないですか、いろいろと。思いがけないものとか、新たなものとか、すごく創造的です。

あと、すごくお互いを尊重するので、みんなが幸せな可能性ってありますよね。で、創造的だと思うんですけどね。

では、多様性のデメリットってなんだと思います?

―― 迷いが生まれるとか。

谷口:迷いが生まれるとか。僕はね、やっていて1番感じるのは、マネージメントが非常に複雑で高度になっている、難易度が高くなっている感じなんですね。変な話、いろんな全然違う人たちでチームを作ってやってるっていう。

このメリット・デメリットがあるので、時代に沿ってるってことですよ。だから、支配と権利の時には画一性、創造と共生の時には多様性で、変わってきたっていうのが前提です。

なので、面白いんですけど、僕なりにいろいろ興味を持って調べると、20世紀でも多様性ってあったんですけど、20世紀の特徴で面白いなと思ったのは、リーダーが個性的。

―― リーダーが個性的。

谷口:メンバーが画一性的、同じ。非常に独創的で、個性的なリーダーのアイデアだったり、想像だったり着眼だったりを形にするために、同じことができる人をメンバーにしていくみたいな。

なので、昭和って上司が個性的なんですよ。個性的な上司に部下が合わせていくみたいな感じ。

でも、多様性って逆に言うと、非常に多様で、個性的なメンバーをうまく活かせることで導くことができるリーダーが必要になってくる。なんか上と下が逆転したみたいな感じ。

―― 確かに。

谷口:前は、個性的なリーダーが上にいて、画一性でメンバーがいて、今は個性的で多様的なメンバーが上にいて、それをうまく活かして、束ねて、チームを進めていく、非常に高度な能力を持ったリーダーがそこにいる。

そんな違いがまず前提であるなと思います。だから時代に沿ってるなと思うんですね。

じゃあ次に、個性って何か?っていうことなんですけど、

辞書で調べると、そのものに備わっている特異の特性、保有の特性でもいいです。そのものね。

人は「その人に備わってる」って理解すればいいじゃない。でも、人以外にも個性的なものってあるよね。例えば、個性的な車ってあるじゃないですか。特有のとか。例えばランボルギーニとかね。

そういうのは植物にもあるし、魚にもあるし、他と明らかに違うもの。動物にもあるし、昆虫にもあるし。それが特性なんです。

では、コーチングに入っていきますが、「コーチングって何?」っていうと、国際コーチ連盟のコアコンピテンシーには、簡単に一言で要約すると、「ゴールを活用して、夢やゴールを追うことによって創造的で刺激的な人生をクライアントとコーチが共に生きていく提携関係(パートナーシップ)」と言ってるんです。

ゴールを活用して、目的は創造的で刺激的な人生を共に生きるです。

ここで考えてみましょう。刺激的か創造的かで考えますね。

型にはめたコーチングと個性を活かしたコーチングとを比較する

谷口:クライアントを型にはめてコーチングした方が刺激的で創造的か?クライアントの個性を知り、それを最大限活かすコーチングをした方が創造的で刺激的か?って言ったら?

―― 後者です。

谷口:後者だよね。型にはめるよりってことなんですね。

なので、さっきのコーチングの目的に沿うためには、型にはめるより、個性を活かした方が、より創造的で刺激的になるんですよ。

では、「ゴールを活かす」なので、成果で考えてみます。

クライアントをコーチの型にはめた方が、その人のポテンシャルを最大限発揮できるか?

コーチがその人の個性を知って、それを活かそうとする方がポテンシャルは発揮できるか?

これも後者だね。コーチの型にはめるかその(クライアントの)個性に合わせるか。

僕これで思い出したことがあるんですけど、僕もやっぱり昭和の人間なんで、どうしても最初の頃のコーチングって、僕の型にはめようとしてるコーチングをちょっとやってたことがあったんですね。

そうするとね、わかったことがあって、コーチがポテンシャルの限界値になっちゃうんです。イメージわきます?

―― わきます。今お話を聞きながら想像してたのが、今大活躍の大谷選手なんですけど、多分コーチの型にはめて、打者専念とかピッチャー専念とかだったら、そのポテンシャルってきっと引き出されてなかったんだろうなと思いました。

谷口:ですよね。スポーツもそうなんですけど、要は指導する側ですね、コーチングで言うと、コーチ側が無意識でも型にはめようとすると、その人が天井になっちゃう。

―― そうですね。

谷口:それを超えることがない。なので、やっぱりその人の個性・特性を知り、それを活かす関わり方をした方が、その人のポテンシャルは最大化していくでしょう。

ていうことは、成果も最大化しますよね。ポテンシャルが最大化するってことは。なので、やっぱり多様性を、個性を活かす方がコーチングでは有効だっていうことなんですね。

では、豊かな人生っていうので、僕たちはそれを1つ測る指標として報酬っていうのがあります。社会からどれだけの報酬を得る人間になるかっていうのがね、1つの指標ですよ。それだけじゃないんですけどね。

自分の価値を上げるには?

谷口:では、クライアントを自分の型にはめた方が、その人の価値、値段が上がるか?その人の個性を活かしして伸ばした方がその人の価値、値段は上がるか?

これも後者じゃないかな。

―― そうですね。

谷口:型にはめるっていうのを、コモディティ化って言いますよね。同じばっかりになるってことでしょ。型にはめる、型にはめる、型にはめる・・・ってことは、みんな同じになるわけですよね。

っていうことは、代わりがいるってことです。代替品があると値段は安くなるんですよ。同じっていうとね。

でも、すごい飛び抜けて特出してくると、唯一無二になるじゃない。希少価値になるんで、値段が僕は上がると思う。

そういった意味でも、僕は、これからの世の中もそうですし、コーチングじゃなくてもいいんです。社会に出てこれから生きる人は、画一性ではなくて、個性で多様性の中に生きていく、自分の個性を発揮する生き方をした方がいいなと思います。

だから、そういった人生を選んだ方がいいって思うよね。じゃあ、なんで多くの人がそうしないんだろう?ということですよ。

今、大分増えましたよね。大谷さんみたいな人が出たりとか、非常に個性的なミュージシャンが出たりとか。なんだけど、まだまだ時代は昔の20世紀の画一性や、同じが良しっていう価値観がどこか残ってるんじゃないかなって思うんですね。

特に、それを日本では同調圧力っていうんです。なんか人と違うことやろうとすると勇気いりません?

―― そうですね。

谷口:僕、今神戸に引っ越しましたが、前は関東に住んでたんですよ。なぜか、関東の人って、エスカレーターの左に立って右側開けますよね。関西の人って、右に立って左開けるんですね。これさぁ、違う方に立つと、なんか違和感あったり、周りからどう見られるんだろうとか、なんかすごくこう、抵抗感があったり、勇気があったりするでしょ。

もっと面白いのは、エスカレーターって「立って2列で乗って」って今書いてあるんですよ、どこも。

―― そうなんですね。

谷口:ちゃんと書いてあるんです。なのに、未だに片方に寄って、片っ方開けますよね?つまり、変えるってことは、人間は非常に恐ろしいっていうことなんです。

で、ここからはコーチングの話です。

さっきも言いましたが、個性を活かした方が人生は良くなる。刺激的で創造的になるし、自分のポテンシャルを発揮して成果を出しやすくなるし、自分の値段は上がるし。

なので、個性を活かした方がいい。でも、なかなかそうできないのは、すごく根強く同調圧力が働くからなんです。

なぜコーチを付けた方がいいのか

谷口:じゃあなんでコーチをつけた方がいいかっていうと、

例えば、非常に保守的な会社に就職しました。

30代で家庭を持っていて、子供がいて「私はコーチで独立して起業します!」って周りの社員の人に言うと、どれぐらいの確率で応援されるか?どれくらいの確率で反対されるか?

多分反対される方が多いんじゃないですか。「いや、大変だよ!」とか、「もっと子供が大きくなってからにした方がいいよ!」とか。「成功するわけないじゃない!」とか。お前やったことあるのか?って思いますけど。ってことは、まだまだそういうのが多いんですよ。

なぜかっていうと、僕たちの親世代は画一性の価値観で教育をされたから。まだ画一性の価値観で今でも子供に接してる親御さん、まだいます。「一緒にしなさい」とかあるじゃないですか。

そうすると、個性を活かそうとすると、ことごとく抵抗勢力だったり、反対だったり、妨害に遭うってことなんです。

その時に、コーチはその個性を活かすことの専門家。

で、さっき言った個性とはなんぞやと。個性を活かすとどういう人生があるのか。そもそもコーチングの目的は個性を活かして手に入れるものだと。

そうすると、唯一無二とは言わないけど、ある人が自分の個性を活かして、それで自分の人生を刺激的で創造的で豊かで楽しく生きたいって思った時に、唯一無二の応援者であり、支援者になってくれるんですよ。

だから、そういう意味で、まずコーチをつけるっていうことが、自分の個性を活かして人生を生きるっていう上では非常に強力なパートナーになる。

これ、コーチが型にはめようとしたら同じだよね。でも、プロのコーチが、

「あなたの個性を活かすコーチングをして、あなたの個性を最大限尊重して、あなたの個性を活かすことを全力で支援します。」と言って、

コーチ以外の人はみんな反対するけど、「楽しそうじゃん!応援するよ!」って言ってくれる人が1人でもいたら、まずそれだけで心強いっていうのが1つですね。コーチをつけることです。

次に、コーチはコーチングを学習してるので、人の個性にはどういったものがあって、それを活かすためにはどうすればいいかを知っていて、その支援ができる専門家なんです。

ということは、その人を雇うことによって、自分の人生が豊かになるっていうことが手に入る。まさにテイラーメイドで関われる専門家。

なので、21世紀は、もし自分の個性を活かして、刺激的で創造的で、自分の値段が上がって、自分のポテンシャルが発揮できて、そういった人生を歩みたいっていう人は、コーチをつけることをおすすめします、っていうことですね。

これからの時代、コーチングは、これからの人生をより良く生きたい人にとって、すごく有益なツールだと思います。

これが前提とコーチング。

なぜ人と「合う・合わない」と思うのか

谷口:僕たち人間関係で生きてるじゃない。「合う・合わない」っていう話、さっきしてましたよね?そこは、物の見方をちょっとシフトした方がいいなと思うんです。

僕たち洗脳されたわけですよ、教育で。「同じが良し」ですね。っていうことは、前提は「同じ」って思い込んでないですか?人ってどこかで。

―― 無意識に自分と同じように感じるだろうって思ってる部分は多々あるかもしれないですね。

谷口:そんなの全く意識してないけど、前提は画一性を洗脳されてるので、同じが前提だと「なんで違うんだ?」というふうに思うわけですよ。

でも僕が思うのは、同じ人っている?

―― いないですね。

谷口:いないよね。過去にも現在にも未来にも絶対いないでしょ。全く同じっていう人。

っていうことは、前提は「違う」って入った方がいいなって。楽だと思います。同じだと思うから合わないと思うわけ。違うと思ったら、僕だったら面白いとかユニークだとか興味深いと思うのかな。「へーそう思うんだ!」みたいなやつ。

「僕と違うなぁ、世の中広いなぁ」と思った方が面白いと思う。「合う、合わない」っていうものの前提は、画一性の洗脳を受けてるからそう思っちゃうので、

前提を、「僕と同じ人は過去にも現代にも未来にも1人もいない。っていうことは、僕の周りにいる全ての人は僕とは違う。」っていう前提で見ると、物の見え方がまず1つ変わってくると思う。

「同じ」が前提で「合わない」と思うと、イライラするとか、混乱するとか、嫌いになる。でも、「違う」っていう前提だと、面白いとか興味深いとか、楽しいに変わってくるんじゃないかなって思う。そういうまず見方をすると楽になる。

次に、「合わない」って一言で言うと、ちょっと大きいんです。

では、コーチングやってると、僕たち知識があるので、往々にして人には、その人を構成してる要素があるんですね。それを分解できるんです。それが違うってわかると、また興味深い。

「人が構成してる要素」です。

その人を構成している要素とは?

谷口:コーチングではあまり使わないですが、出身違いますよね?

―― はい。

谷口:これ興味深くないですか。

―― そうですね。そこで育った環境で、その土地土地で当たり前とか思ってる部分も違うかもしれませんし。

谷口:ですよね。「へぇ~そんな言い方するんだ」とか、「そんなの食べるんだ」って面白いじゃないですか。

というもの、人の構成してる要素の中にはいろいろあって、よくコーチングで使うものがあるんです。

それは人によって価値観が違うってことですね。人によって優先順位が違う、行動パターンが違うプロセスパターンってなんとなくわかる?こう行って、こう行って、こう行って、こう行くっていうもの。真っ直ぐ行った方がいい人と、「いや、寄り道行った方が面白くない?」とか言う人いません?

で、モチベーション源っていうのは違うんですよ。何がやる気になるか。そういうのも違うでしょ。

あと、思考パターンって違いますよね。思考特性ですけど、考え方です。まず未来を想像してから進む人もいれば、まずは今をはっきりさせてから進む人もいるじゃない。このように思考パターンが違いますね。

あと、優位感覚ってあるんですよ。

―― 優位感覚。

谷口:物をインプットするときに、見てインプットする人と、聞いてインプットする人とか、違いがあるじゃない。

ステップパターンっていうのもあるんですよ。

―― ステップパターン。

谷口:積み上げていくステップの方がいいのか、遠くから後ろに戻ってくるステップの方がいいのか。

あと、チャンクってあるんですよ。

―― チャンク。

谷口:常に大きな塊で物事を捉える人と、ちっちゃい塊で物事を捉える人いますよね。こんなのも違うってことですね。

あとはニーズや物の捉え方なども全部違う。で、コーチングで使うのは、この要素なんです。

これの違いを、まずどんな違いがあるのか、これを活かすためにはどのようにコーチングすればいいのかっていうのを知っていてできるのがプロのコーチですね。

なので、簡単に言ったら、プロの本当に経験があって、高い能力を持ってるコーチは、これからの、個性を活かし、多様性で生きていく人の個性を活かして、刺激的で創造的で、ポテンシャルを発揮させて、その人の価値を上げていく超スペシャリストだと思っていただくと、コーチを雇う価値はあるんじゃないかなと思います。

クライアントの個性を知る方法

―― 谷口コーチは、クライアントさんのそういった個性を、いろんな指標で分解できるとおっしゃったと思うんですけど、それをどうやって知っていかれるんですか?「この人はこういうパターンだろうな」っていうふうに想像されるっていうか。

谷口:まぁやりながら想像するのもいいんですけど、基本的には全部「聞く」です。

―― 聞く。

谷口:インタビュー。

例えば、若松さんは子供の頃、何かを覚えようと思った時、上手い人を見たりした方がいいのか、その先生から話を聞いた方がいいのか、なんかマニュアルみたいな書いてあるものを読んだ方がいいのか、何もなくとりあえず試してみて、怪我したりしながら覚えていくのか、どんな子だったの?

―― とりあえず試してみるといいかもしれないです。

谷口:ということを、聞いたら答えるじゃん。そういう個性なのねっていう感じ。

―― 谷口コーチの中ではそういった、インタビューするリストみたいなのがあるんですか?

谷口:もちろん、もちろん。「アセスメント」っていう聞くツールもあるし、話をしてる時に最初にオリエンテーションで聞くわけです。

子供の頃どうやって覚えたの?とか、こういうことや、こういうことや、こういうことだと、どれに1番モチベーション感じる?とか。

あとは、遠くまで何か上っていこうとするとき、小さいのを1段ずつ上っていった方がいいのか、割と大股でポンポンポンって上っていった方がいいのか。

ちなみに若松さんは、小さい階段を上っていった方がいいか、いやいや、ポンポンポンって、2段、3段飛ばしで上まで行った方がいいのか、どっちの方が好き?

―― ポンポンですね。

谷口:っていうに答えるじゃない?だから聞くんです。さっき言った、コーチングで活かす個性の中のパーツ、要素、この人はどうなんだって聞けるってことですね。オリエンテーションで。

―― 今日の冒頭でMBTIっていう性格診断テストみたいなものを挙げたんですけど、谷口コーチはコーチングをするための、コーチング用のクライアントを知るための、そういう診断というか、質問リストみたいなものがあるっていうことなんですね。

谷口:そうですね。簡単に言うとインタビューってことです。始める前の。問診じゃないけど、まぁ問診みたいなものかな。

―― 確かに。その問診的なものがあって、それでクライアントを知った上でコーチングを進めていくっていうことをされてるんですね。

谷口:うん。だって今若松さん答えたよね。じゃあ、何か物事を捉える時は、割と大きな塊で捉えて進めるのか、もっと細分化してから捉えてから物事を進めるのか、若松さんはどっち?

―― えーっと、大きく捉えてから。

谷口:まず全体像大きく捉えてから、あとコツコツやっていくっていうことでしょ?チャンクは割と大きめってことです。最初から細々細々してないっていうこと。っていうふうに、やっぱり答える人は自覚してないと。

―― 谷口コーチは、クライアントさんを迎える時に、そういうインタビューをして、お医者さんでいうと問診票があって、カルテみたいのがあると思うんですけど、コーチングの、このクライアントさんはこういうタイプの人だみたいな、だからこういうコーチングを進めていこう、みたいなカルテみたいなのがあるってことなんですか?

谷口:そうそうそう。そうすると、コーチが物事を小さく捉える人だとします。これ、チャンクって言うんですけどね。

でも、クライアントが大きく捉えた方が進みやすい人がいるのに、コーチが自分の型にはめて、このクライアントを小さく小さく、物事を一緒に考えるっていうと、クライアントにとってはそれはポテンシャルを発揮しにくい。

―― 確かに。

谷口:そういうこと。

―― クライアントさんがちょっとやり方違うんだけどなぁ、みたいなことになりそうですね。

谷口:「なんかもう、なんか細々しくって、もう。もっとどんと行きたいんだけど。」みたいになるんですよ。

僕の個性もありますよ。でも僕は仕事のプロだから、クライアントさんの個性を活かす。

だから、コーチングしてる時には、まるっきり自分の特性はちょっと横へ置いといて、クライアントさんの特性、個性を活かすように、全部自分のコーチングをテーラーメイドで変えていく。

それがプロだと思うけどな。

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