【ロールプレイ徹底活用】コーチ同士で練習するとき“絶対に”外せないポイント
―― 今回は「コーチ同士で練習するとき絶対に外せないポイント」というテーマで谷口コーチにお話を伺っていきたいと思います。
コーチ仲間同士での「ロールプレイ」などの練習をしている方も多いと思いますが、
● なんとなくロールプレイをしているけれど、学びが浅い気がする・・・
● フィードバックがふんわりしていて、具体的に何を直せばいいか分からない・・・
● 毎回、雰囲気はいいけれど、実力が伸びている実感が持てない・・・
など、いまいち、ロールプレイの効果を実感できていない方や、もっとロールプレイを効果的な方法に変えられるのではないかと感じている方も多いのではないかと思います。
そこで、コーチ仲間同士での「ロールプレイ」の練習をする際に絶対外せないポイントがあれば、ぜひ教えていただけませんでしょうか。
ロールプレイとエクササイズ――二つの練習方法を使い分ける
谷口:いいですね。世の中のコーチにどんどん成長してもらって、質の高いコーチングを提供できるように練習しましょう。コーチ同士で練習するのはいいことだと思います。
ただし、「ロールプレイって何?」というのが分かっていないままやっている人がいます。
僕は使い分けているんですけど、練習する方法の一つが「ロールプレイ」で、もう一つが「エクササイズ」です。
辞書で調べると分かりやすいと思うんですけど、「ロールプレイ=演習」などと出てくるでしょう。
「演じる」ということは、「ロールプレイの練習をしましょう」ということで言うと、「どういうクライアントの、どういう経緯で、どういう状態になっているクライアントに対して、どういうことを期待するコーチングを今からするのか?」という設定を作らないと演習にならないんですよ。
だから、いきなり「じゃあ、ロールプレイでコーチングの練習しましょう。ところで若松さん、今日はどんなテーマでお話ししましょうか?」は、何の練習にもなっていないということです。それは、なんとなくコーチング・カンバセーションっぽいことをやっているだけ。
だから、ケーススタディをたくさん持ち込み、作らないとダメですね。
ロールプレイの実践――ケーススタディで設定を作る
谷口:例えば、プロのコーチだったら、「私は中小企業の経営者の事業拡大、もしくは事業承継、もしくは従業員満足度や会社の発展、そんなものについてのコーチングを専門とします。」というのが自分の売り・ブランドが決まるとするじゃないですか。
そしたら、練習というのは往々にして、中小企業の経営者の事業承継というゴールに向けてコーチングを始めた時に、経営者からこういった悩みや課題が出てきて、それについて経営者自身がどう成長していくか、それを支援するというものです。
大体、言ってくることはこういうことで、囚われていることはこういうことで、ベクトルはこっちに向いていて、エネルギーはこういう状態のケースが多いと。
その時に、どういう戦略を立てて、どのようなコーチングを展開していくのか?という形でやります。
「クライアントさん、こういう設定のこういう中小企業の経営者になってください。テーマはこういうことを言ってきて、大体こういうことをよく言うので、そういうのを演じてもらえませんか?そのフォローコーチングを今から練習します。」
という設定をしてから練習しないと、ロールプレイはうまくいかない。どちらかというとケーススタディなんですよね。
―― 例えば、こういうケースもありですか?前回、契約前の話をして、うまく受注できなかったと。そのケースを、「何で自分が契約できなかったかがよくわからないので、こういうクライアントさんだったんです」という細かい設定を相手の人に演じてもらって練習するみたいなのって。
谷口:それもロールプレイです。コーチングのスキルアップの練習というよりも、セールスだったり、プレゼンテーションのロールプレイですね。それも練習になります。
「検証」ができますもんね。やってみてどうだったか、どういう意図でその戦略でやったのか、クライアントさんは実際どういう影響を受けて、内側でどういう変化をしたのか?というのを振り返れるじゃないですか。
だから、ロールプレイは全部そういう形なんです。何も設定もなく「今日もテーマは何でしょうか?今から15分コーチングしましょう。」というのは、ロールプレイじゃないということですよね。
エクササイズとは?
谷口:それは何かというと「エクササイズ」です。
エクササイズで一番わかりやすいのが、ダンスや筋トレです。ジムに行ったり、スタジオで踊ったりすると、覚えるために部分的な反復練習をしますよね。そういうのをエクササイズといいます。
まず、このステップとか、この手の動きとか。そのパーツが段々できるようになってくると、一つのダンスができるようになる、というのがエクササイズです。
だから、コーチ同士でたくさん練習するんだったら、エクササイズをするのはありかもしれない。
そうすると、コーチが習得しないといけないものがたくさんあるじゃないですか。
「アクティブ・リスニング」だったら聞き取る練習、「アクティブ」だったら促す練習、コーチ同士でやったとしたら・・・
(相手役のコーチに対して)
今、自分のコーチとしての課題はアクティブ・リスニングの中の特に『アクティブ』な部分、つまりクライアントの話をどんどん促しながら、自覚を促したり、気づきを促したり、何かが明確になったり、モチベーションが上がったり、ストレスが軽くなったりすることがまだまだ未熟なんです。
今から10分間クライアント役をやってもらって、とにかく思っていることを話してもらえませんか?私は『促す』ということに意識を向けて今から練習させてください。
終わった後に、私と話していてすごく話しやすかったか?話が発展したか?話しながら自分の内側のことをいろいろ発見できたか?自覚が促されたか?ストレスが軽くなったか?モチベーションが上がったか?それについてフィードバックをもらえませんか?
じゃあ、今から思っている事や考えていることを聞かせてもらえませんか?
どのスキルを磨きたいのか?何のためにそれをやるのか?後で、クライアントからどういうフィードバックを求めているのか?というのを全部決めてから練習をやる。それを何回も反復して、
「じゃあ、Bさん、同じようにアクティブをやるので話してください。」「Cさん、同じようにアクティブをやるので話してどうだったか教えてください。」と10回くらいやったら、かなりいいエクササイズになります。
それを、みんな一緒くたに「コーチングの練習をしましょう!」とやるから分からなくなってしまう。
いきなりダンスを覚えるのだって、なんとなく通して全部やるより、一小節ずつ足していった方が一曲踊れるようになるんじゃないかな。
なので、それをまず分けることです。
まとめ――練習の質を上げる二つの原則
谷口:ロールプレイとはどういうものか?エクササイズとはどういうものか?
ロールプレイ
谷口:ロールプレイだったら、自分が得意とする、もしくは上手くなりたいコーチング対象は誰で?どういうテーマを扱っていて、コーチング中に良く起こりうることとか、良く話されるのがどういう事で、その質を上げたいので今からクライアント役の社長になって下さい。セールスマンになってください、○○起業家になってください、で、こういうテーマで話を進めてもらえませんか?ってケースを演習するのがロールプレイ。
そのためには、自分にとってどういうクライアントがお客さんで、どういうコーチングのテーマが自分が磨きたいことでっていうのが分かっていないとできない。
エクササイズ
谷口:あと、エクササイズはイメージは筋トレです。リスニングだけ徹底的にやる、それをフィードバックをもらう、アクティブ=促すことだけをやる。
例えば、「効果的な質問」を練習しましょう、というと少し漠然としています。
虎プロとか他の研修でもやるんだけど、「効果的な質問」の「効果」=ある働きかけによって得られる期待通りの結果。「ある働きかけ=質問」として、求めている結果には何種類もありますよね。
気づく、明確になる、視野が広がる・・・いっぱいあるじゃないですか。「この質問について練習したいので、フィードバックをください。」では練習になりません。
そうではなく、「視点が増える・選択肢が増える・視野が広がるという効果を狙って、今から質問の練習をするので、エクササイズが終わった後に、視点が増えたか?視野が広がったか?選択肢が広がったか?フィードバックをもらえませんか。」
と言ったら、向こうもフィードバックしやすいでしょう?
こちらも、どういう効果を狙った質問をするのかを予め決めてやれば、「やろうとしていたことはどうだったか?」というフィードバックをいつももらえるから、僕はそちらの方がいいと思います。そうやって練習してきました。
スポーツでも何でもそうですが、なんとなく野球をやるんじゃなくて、まずキャッチング、次にヒッティング、バットの持ち方、守り方、走り方・・・。
全部エクササイズでやって一通り習得していくと、今度それを複合的にできるようになるのがスキルです。そうやって練習をしていくんじゃないかな。
コーチ仲間で練習するんだったら、こういったロールプレイとエクササイズに分けて練習するということと、ロールプレイというのはどういうものかを分かった上で、設定をしてから演じて練習すること。
具体的に、スポーツでいったら「どのテクニック・どの筋肉を鍛えたいからこの練習をする」というのを決める。
それだったら、コーチ仲間でたくさん練習してもうまくいくような気がします。












