社長に刺さる!コーチング研修のプレゼンの極意とは? #125
―― 今日のテーマは、「社長に刺さるコーチング研修のプレゼンの極意とは」というテーマで谷口コーチにお話を伺っていきたいと思います。
谷口コーチはじめ、谷口コーチの周りの高い収入を得られているコーチの方達は、漏れなくと言っていいほど、企業や組織にコーチング研修を提供されていると思います。そして、谷口コーチはさらに稼ぐコーチの仲間を増やしたり、育成したりすることもライフワークの1つとして 取り組まれていると思います。
先日も、コーチ仲間で『ハイキャリバーコーチ養成講座』という講座を受講されている方から、コーチング研修に関する質問があったと思います。その質問の中で、『クライアントの社長から、「組織にコーチングを文化として根付かせたい」というような要望があった』というくだりがあったと思うんですけども。
この社長さんと同じように、社内のコミュニケーションなどに課題を抱えられている社長さん達の多くが、コーチングというものに問題解決の糸口を感じられて、コーチングに興味を持たれているようなケースも多いんじゃないかなと思います。
その一方で、そのコーチングをどこか魔法のじゅうたんと言いますか、わかるようなわからないような、どこか捉えどころがないものとして感じている社長さんも少なからずいらっしゃると思います。
そこで、コーチングについてまだまだ曖昧な捉え方をしている社長さんが、「ぜひコーチング研修を導入したい!」と思ってもらうために、谷口コーチはどんなふうに社長さんに伝えられているんでしょうか。ぜひ教えていただければと思います。
谷口:ありがとうございます。いい話題ですね!若松さんがテーマを提案してくれたところに、ヒントが 結構ありますね。
「組織にコーチング文化を根付かせたい。」、「コーチングに問題解決の糸口を感じられる。」なんとなくこう思うわけですね。
この背景をまず考えるっていうの1つですね。
それと、魔法のじゅうたんって言ったっけ?「何かよくわからない・・・。」ということなんですね。
ということは、ここにヒントがあって、よくわからないものがわかれば、簡単に言うと、曖昧なものが明確になるような関わり方をしていく。
あとは、この組織にコーチング文化を根付かせたいのはなぜか?ということと、コーチングに問題解決の糸口を感じるのはなぜか?ここにヒントがまずありますね。
次、ではどうしてるか?って言うとですね、まず、僕はすごい気を付けていることがあります。
目次
社長へコーチングのプレゼン方法
谷口コーチが気を付けていることとは?
谷口:コーチングを話題にしない。多くのコーチはコーチングを解説しちゃうんです。
その解説も曖昧だったり、抽象的だったり、例えば、傾聴とか言ってもよくわからない。
―― 余計わからなくなっていきますね。
谷口:わからなくなっちゃうわけですよ。なので、どうしてるか?っていうと、まず「コーチ文化を根付かせたい。」のと、「問題解決の糸口になるんじゃないかと感じている。」ここすっごくヒントになる。
では、戻ります。コーチングを話題にする。じゃあ何を話題にする?その時に僕はすごく意識してることがあって。
「自分」ここで言うとコーチですよ。僕で言ったら谷口の関心事を話題にしない、「相手」 ここで言ったら経営者・社長の関心事を話題にする。
なので、経営者は普段のコミュニケーションで、コーチングっていう単語はほとんど出てこない。
じゃあ、取引先や株主やお客様や上司、部下たちと何を話題にしてるか?っていうことに興味を持てばいいと僕は思ってるんですね。
なので、コツは私の関心事=それは「コーチングを導入してほしい」とか、「コーチングは良いことだ。」これは一切話題にしない。相手の関心事を話題にする。
では、若松さんと二人で考えてみますね。
経営者が普段すごく考えてることや、関心を持ってることや、気になってることを単語で表すとしたら何がありますか?
会社経営者とまずどんな話題から入るか?
谷口:経営者が普段よく考えていることとは?
―― 売り上げとか。
谷口:そうそう。
―― 人材採用とか確保とか。
谷口:人材についてね。
―― 資金繰り。
谷口:資金繰り。いいじゃない。
―― 仕入れ。
谷口:オッケー!ってことは、売り上げだったら、経費とかコストとか人材とか、もちろん全体の業績とかありますよね。
あと、成長、ありますよね?毎年右肩上がりか?とか。あとは、顧客とか、シェアとか、社会的信用とか信頼とか、取引先とか、こういうことがいつも頭の中にあるんですよね。
それで、今上げたやつがことごとく理想とかけ離れてるんじゃないですか?
本当は、もっとこれだけ売り上げて、もっとこんな業績にしたい、でも、ままならないとか、思うようにいかない、こんな人材を採用したい、社員にはこうなってほしい、でも現実はな・・・みたいな感じ。
こうやっていつも頭抱えてんじゃないですか?社長さんって多分ね。
それを想像するんですよ、これと、社内とか取引先とか顧客とのコミュニケーションに因果関係はあるでしょうか?というのを話題にする。
それで、それを薄々感じてるから、さっき言った「会社の問題解決にコーチングが糸口になるんじゃないか。」とか、「コーチングを会社の文化にしたい。」っていう言葉に現れてると思うんですね。
薄々感じてるわけですよ。 例えば、上司、部下のコミュニケーション、あとは他部署とのコミュニケーション、取引先とのコミュニケーション、 あとは顧客とのコミュニケーションとかありますよね。
これらが、「なんか上手くないな・・・。」ってどっか感じているんじゃないかと思うんですよ。
そのコミュニケーションの質と、社長が気になってる問題の質が因果関係があるかな?って思うと、 「あー、確かにあるな。」って思ったら、初めて聞く耳を持つということですね。
それで、その解決の方法のヒント。 簡単に言うと、コミュニケーションの質を上げることにコーチングコミュニケーションが非常に有効だというふうには言われています。
っていうふうな流れになる。
例えば、若松さんが社長だとして、僕こんな質問してみましょうか?
谷口コーチから経営者へのプレゼン~プロコーチの質問~
谷口:例えば、
「上司と部下とか、社員同士、他部署の人、更には従業員と顧客の関係性、特に信頼関係とか安心感が更に高まれば、それは売上や利益、コスト、 従業員満足度といった社長がいつも考えられてることと何か関係はありそうですか?」
もしくは、
「上司と部下、社員同士、もしくは従業員とお客様、とのコミュニケーションが更に高まって、信頼感や安心感が高まれば、社長が望んでいる利益や売り上げや顧客満足度に何らかの効果があると思われますか?」
みたいに聞かれたら、どういう風に言うと思う?
―― いや、「もちろんあります!」って答えると思いますし、その質問で色々こう、「ああ!」って何か考えそうです。
谷口:社長は「そうだ!そうだ!」と思い当たることがあるわけです。 そしたらここからは僕たちコーチの腕の見せどころですね。
「そうなんですよ、よくね、僕もお手伝いする会社でそういうふうに経営者の方に言うんですが、でも、社長がそう思ったのはどうしてですか?」
って聞くんです。そうすると、
「いや、実は上司と部下がさ~」とか、「従業員が取引先のお客様と話すときの話とか~」、あとは「取引先に対する依頼とか、話し方がどうも上手くないんだよね~」とか、「もっとこう、そこは変えればいいのにって思っているんだ。」
「そうなんですか、私がお手伝いした会社なんですが、例えば、上司の指示命令や、ミーティング時のコミュニケーションが非常に語彙が増えたり、質問が増えたり、傾聴力が高まると、結果的に社員の主体性が増して、それがコスト源や業績アップに繋がるっていう例があるんですけど、興味ありますか?」
って聞いたらなんて答えると思う。
―― 「あります!」って。
谷口:このように因果をどんどん聞いていくんですよ。
「社長がいつも悩んでることと、実際に誰かと誰かの交わされてるコミュニケーションの質に因果関係はあるでしょ?」って聞いたら大抵「ある。」って言うんですよ。
「じゃあ、それはどうしてですか?」って言うと、自分の現状を喋り出すわけです。
「じゃあ、それが、もしこう改善したら問題解決にはなりそうですか?」って「ありそうですね。」
「実は私が専門家とやっているコーチングは、この問題を解決するのに非常に有効な手法として非常に役立つコミュニケーションの方法なんです。なので、今多くの会社はコーチングを会社の文化として導入したいとして考えてますので、社長もよかったらご検討いただけませんか?」
みたいな感じ。
①コーチングっていうものをほとんど話題にしない。
②会社の経営者の頭の中でいつも考えてることをまず話題にする。
③それとコミュニケーションの質に因果関係があるか?っていうことを聞いていく。
で、あるってなったら、
④どうしてそう思うのか?っていうのを聞いていく。
⑤そのコミュニケーションの質が変われば、社長が抱えてる課題は変化するのか?って聞く
大抵、全部イエスなんですよ。であれば、
「その方法としてコーチングでやっているコミュニケーションには、関係性を築く力、それと、 こう目標を効果的に使う力、効果的なコミュニケーションとして、傾聴力や質問力やフィードバック力といった力、それをさらに行動変容を促すコミュニケーションの方法があって、これらを導入すると結果的に問題解決に繋がるっていう事例が多くあります。 ぜひ考えてみませんか?」
っていう流れになる。
―― 素晴らしい。
谷口:だから、ほとんどの人は社長と喋ってるとき、コーチングについて解説している。
例えば、社長と30分位雑談する時間があったとしたら、コーチングについて説明する時間は5分も無いかな。
ほとんどは会社の社長の現状や今考えてることや、今悩んでることを話題にする。
それで、コミュニケーションとそれが因果関係があるかどうかを聞いて、解決策を僕が持ってますっていう話をしたら、「コーチングって何?」って聞いてくる。
こんな流れかな、僕は。
―― 素晴らしい!谷口コーチは、こういったプレゼンだったり、社長さんと会う前にあらかじめ質問も考えていくんですか?
経営者にプレゼンするための事前準備とは?
谷口:もちろん、そうです。
―― そこがもうザ・コーチと言いますか、その関わりがもうコーチ然としたというか。
谷口:今、普通に流れでやってるんですけど、なんでもそうなんですけど、段取り8分とか言うじゃないですか。
僕が最初にやっぱエグゼクティブや経営者、企業のこれをセールスとしたなら、簡単に言うと台本をいっぱい作ります。
こう聞いたらこう来るだろう、こう聞いたらこう来るだろう、こう聞いたらこうなるんじゃないか、だったらこれについてこう説明すればいい。みたいなのは山のように作りました。
多くの人はこの段取りを準備しないで行き当たりばったり。
そうすると、要は魔法のじゅうたんのまま、解明されないで、「コーチングよくわからない・・・。」って言われて30分終わっちゃうね。
だから段取り8分。もし興味があったら準備してください。その時に、
- 代表的な質問文をいっぱい用意しておく。
- 多分相手はこう答えるだろうという回答例も用意しておく。
- その質問に対して自分でも答えられるようにしておく。
ってなると、多分会話が流れていって、僕の経験上こういう話するとほとんどオーダーを出してくれる。
まあまあ、大体そうだよね。会社の中の問題点って、コミュニケーションと因果関係がない問題点ってないと思うからね。