【99%の人が知らない】傾聴力が爆上がりする方法/話を聞くだけで人が動き出す秘訣【コーチング】
―― 今日は、アクティブリスニングのスキルがメキメキ上がる方法を谷口コーチに教えていただきたいと思っています。
アクティブリスニングは、コーチングのスキルの中でも最重要のスキルの1つだと思うんですけど、でも、このアクティブリスニングの力をどうやって磨けばいいか?というのを知らない人がおそらく、99%じゃないかなと思ってるんですね。
そこで、アクティブリスニング力が爆上がりする方法を是非、教えていただけないでしょうか?
谷口:簡単なんだけどね。
―― あ、簡単なんですか?
谷口:いや、その気になれば。ま、これから(コーチングの)勉強しようと思う人のことも考えて、ちょっとだけ解説もしながらいきましょうか。
日常会話とコーチングの聞き方の違い
谷口:日常で、いろんな他の人とコミュニケーション取ってますよね? で、その人が喋ったら話は聞くようにしてる?
―― おそらく。(笑)
谷口:ま、僕たちは聞いてますよね(笑)時々、かみさんに「聞いてる?」とか言われて「聞いてるよ!」とかっていう会話するんですけど。まぁ、日常会話でも人の話を聞いてるわけですよ。
その時に、どんな意図で?とか、どういう理由で人の話を聞いてるか?何のために人の話を聞いてるか?ってちょっと考えるといいかな。何のために聞いてる?
―― あまり考えたことないかもしれないですね。自分が聞きたいから聞いているって感じ。
谷口:まあまあ、知りたいね。面白そうだな、有益だなとか、興味深いなと思うと、「何々!?それ、どういうことなの?」みたいな。それは、中心は自分だよね、結局、自分のために聞いているんです。
じゃあ例えば、仕事でお客さんが喋ってます。それを聞くサービスマンでも営業マンでもいいです、何のために聞いてるか?って言うと、“相手に言おうとすることをちゃんと理解するため”とかないですか?
それがずれると、仕事としておかしくなっちゃうから。これが日常なんですね、日常会話のコミュニケーションってほとんどが自分のためなんです。
大きく違うのは、コーチングのコミュニケーションは全て相手のため。
ここが切り替わらないんだよな。普段は自分のために無意識で聞いてるけど、コーチングをしてる時は、全ては相手のために聞いてる。ここがまず大前提で違うってことですね。
「傾聴」って辞書で調べると面白いんだけど、積極的に聞くとか、集中して聞くとか、ちゃんと理解しようとして聞くとかっていう意味になっているんですね。そう考えると、これ自分のためっぽくないですか?
これもね、カウンセリングと微妙に重なるんですよね。だから、カウンセリング勉強してる人と、コーチング勉強してる人で、傾聴でもいいんですよ、アクティブリスニングでもいいんだけど、大部分、重なるんだけど、コーチングとカウンセリングは圧倒的に違うところがある。
僕はコーチで、カウンセリングは特には勉強していないので、コーチングというところ前提でいきましょう。
では、これ知ってる人いっぱいいると思いますけど、日本語ってすごいなと思うんですね、漢字で細部にわたって言葉で表すことができる。だから「きく」っていう漢字は「聞く」って書くでしょ。
これ以外に、あと「きく」っていう漢字4つ書いてって言うんです。なぜかって言ったら僕は辞書魔だったんですね。勉強しなかったんで、漢字を知らないし、コーチの頃は言葉が少なくて、すごく貧弱なコーチングをしてました。なので、43歳の時から国語辞典を引きまくる人生を過ごしたんです。
「きく」という漢字の種類
谷口:「聞く」・・・なんとなく音が入ってくる「きく」
「聴く」・・・意識して傾聴ってこの字書きますよね、注意深く耳を傾けて相手の言わんとすることを理解しようとしてきく。
「訊く」・・・尋ねる。道を聞くみたいな。
「利く」・・・利き酒とか、鼻が効くとかの「きく」は、識別するという意味が出てくる。
「効く」・・・働きかけるとか、これ辞書で調べるともっと面白いのが、しむけるとかっていうふうな意味まで出てくるんですよ。
アクティブ・リスニングって、国際コーチング連盟のやつに出てきたんだけど、調べても「アクティブ・リスニング」って出てこなかったんですよ。だから、くっつけたんですよね、「アクティブ」と「リスニング」。
それで、アクティブ=積極的に、リスニング=聞き分ける、聞き取る。なので、積極的傾聴と日本語に訳したんですね。
でも、積極的のアクティブをさらに紐解いてくと、「促す」って出てきます。で、さらに出てくると、これも、「しむける」、「働きかける」とかって出てくる。リスニングは、やっぱり「聞き分ける」とか「聞き取る」っていうふうに出てくる。
働きかけるように聞く時と、聞き分ける、聞き取るように聞く、っていうのが出てくるんですね。
アクティブリスニングの本質
谷口:アクティブっていうのは「聞く」じゃなくて「話させる」。
で、リスニングっていうのが、言葉以外のものを聞き取る。何でやるかって言うと、アクティブは話させる、話を促すです。もっと言ったら、あまり有益じゃない話は、話を終わらせるっていう働きかけもあるんですよ。リスニングは聞き取る。
バーバルコミュニケーションとノンバーバルコミュニケーションって聞いたことある?
言語、言葉や文字によるコミュニケーションと、それ以外の非言語。代表的なのは、ボリュームとか、トーンとか、調子とか、態度とか、仕草とか、姿勢とか、動きとか、表情、コンタクトみたいな。
どっちのが多いかって聞いたことある?
―― ノンバーバルコミュニケーション。
谷口:そう。非言語の方が情報量が圧倒的に多い。っていうことは、クライアントさんの言葉を聞いても、それは真実の7%しか占めないって言われているんです。だから、言葉以外のものに真実がたくさん含まれていて、それを聞き取っているんです。
それをクライアントさんに、あなたの情報として書いて返してあげて、クライアントさんが自分のことでより多くのことを知ることがリスニングの目的。
アクティブは、話を促す。簡単に言うと、いっぱい話すことによってクライアントさんの中に良いことが起きる。
例えば、人がいっぱい内側のものを言葉に変えて外へ話す、もっと言ったら、文字で書くでもいいです。日記とか、ノートをつける人いるじゃないですか。
話したり、人に説明したり、ノートに書いたりすると、その本人にどんな良いことが起きる?
―― 気づきが起きる。自分自身が見えてくるとか。
谷口:そうそう、あとカウンセリングによってくると、要は、カタルシス効果ってすごいすっきりするとか、心が落ち着くとか、安定するとかっていう効果もあるんですね。
あとは、小説家とか、作家さんとか、アーティストは、人と話すとものごとが想像できるとか、クリエイティブになってくる、発想するとか、アイデアが生まれるとかあるんですね。
ビジネスでは、話すと主体的になるとか、責任感が生まれるとかあるんですよ。ということは、話させることによって、クライアントに良いことが起きるのが1つの目的。
次に、聞き取って、非言語なものを聞き取って、クライアントさんに返してあげて、クライアントさんが自分のことをより自覚する、そうすると、自分はコントロールできるかな。それで、前に進むのを手伝うのが、アクティブリスニング。
簡単に言うと、聞いてるんじゃないんですよ、「話させる」っていうアプローチをしながら非言語を聞き取って情報を戻してあげる、っていうので、全て相手のために聞いている。
だから、僕、傾聴って言葉は使わないようにしてる、アクティブリスニング。この能力を傾聴力っていうよりも「話させ力」っていう言葉に変えたいじゃない。
話させ力と聞き取り力
谷口:いかに話を促して気持ちよく話をさせるか、「話させる力」、「聞き取り力」を「聞き分け力」に変えたらいい、傾聴力っていうとわからないから。それを高めていくってことですね。
じゃあ、どうやってそれを高めるかは、簡単。その目的で普段から人と会話すればいいわけです。
聞こうと思って、普段の会話は理解しようとか、共通理解にしようとかして聞いてるけど、話させる練習と聞き分ける練習ってどこでもできる。
―― 確かに、普段の会話で。
谷口:そう。だから僕よく練習してましたよ。タクシー乗ると、いかにタクシーの運転手さんに話をさせるかみたいな、後ろから。そういうのは練習できるじゃないですか。で、タクシーの運転士さんが気持ち良さそうに話をして、そうすると嬉しいわけですよ。ま、本人は聞いてもらったと思ってんでしょうけど、いっぱい話ができてモチベーションが上がるとか、楽しくなるって効果もあるから。時々あるんですよ。「じゃ、もうこの辺でメーター倒しときますよ。」ちょっと安い(笑)
店員さんと話す時、家族と話す時、人と話す時ってあるじゃないですか。あとは、僕やってたのはこういう勉強会とかあるじゃないですか、前にスピーカーとか講師の人がいて、話をしてるじゃないですか。で、その人が気持ちよく話しが出来るようにしてあげる。
だから、後ろの方で、「へえ~。」とか「あ、そうなんだ!」「あ、それは気づかないなー」って、ボソボソ言いながら、こうやってうなずいて練習できます。散々やってました僕。だから、日常で誰かとコミュニケーション取る時に、いかに相手に気持ちよく話させるか、練習できます。
非言語を感じ取る練習
谷口:あとは、聞き分けるとか感覚なんですね。「見る」も入れてもいいと思うんですけど、聞いたりするので言葉以外のものを感じ取る練習ってできない?
―― そうですね。そこにアンテナを立てれば練習できそうです。
谷口:僕これ職業病なんだけど、レストランとかやってると、熟達してくると何もお客さん言わないのに、「あそこ、多分お冷のお代わり欲しいんだよ。」とか、「あそこ、コーヒー持ってきて欲しいって思ってるよ。」「あ、そろそろ、あそこオーダー決まったから注文聞きに行った方がいいんじゃない?」って、全部分かっちゃう。
でも、それっていうのは、ノンバーバルコミュニケーションで分かるわけですよね、姿勢とかアイコンタクトとか要は動きとかで。
こんな練習できると、デパート行っても練習できますよね、ちゃんとお客さんの会話を横で見て、「このお客さん絶対納得してないよな・・・。」とか。いろんな人を観察して、言葉には出ていない、真意とか本心を聞き取る。こういうので練習できる、どこでもできるでしょ。
僕のクライアントさんであまり混んでない電車に乗ったら、乗った途端目をつぶって、この電車の中に人が何人いるかを聞き分けようって練習した人。次に、男性が何人いて、女性が何人でって気配ですね。とか、ちょっとした息遣いとか声でそういうのを聞き取ろうとして練習したクライアントさん、今プロコーチになってます。
最近ハマってるのは、今、大相撲やってるんですけど、あの仕切りの時に、「ああ、迷ってるな」とか、「ここの場所は、結構自信に溢れてる感じするぞ。」とか「あ、気合いが空回りしてるな。」とかっていうのをその仕切りで探す練習。「あ、ちょっと表情硬いな。」とか、そういうのでシーン、内側を観察する練習なんかもできる。
なので、その気になればコーチングしなくても、話させる練習と、ノンバーバル、非言語から推測する、聞き分ける、聞き取る練習がどこでも行うことができます。






















