【完全理解】コーチング上級者の質問とコーチング初心者の質問は何が違うのか? /本当の気づきが起きる究極のメカニズム【コーチング】
今日は、コーチングの中でも、多分1、2番を争う位重要なスキル「質問」についてお話ししようと思います。
プロコーチの中でも、上級者がする質問と、プロコーチとかコーチングを習っている人で初級者の人がする質問で、何が違うのか?というのを一緒に考えていこうかと思うんです。
僕は、この世界に20何年もいるんですけど、この「質問」っていうのは結構難易度高いんです。だから、「質問」という道具・スキルの使い方によって、コーチングの質も変わってしまう位大きな影響力・武器になると思うので、是非一緒に学んでいってください。
では、何でそんなに影響力があるのか?を考えていこうと思うんですが。
僕、よくいろんな所で講演したり、セミナーをした時に、昔の成功哲学とかの本に書かれてますし、多くの人がいってるあるピラミッドをご紹介するので、ちょっと書いてみますね。
目次
人生のピラミッド:思考から人格まで
人生のピラミッドです。5層です。
豊かで刺激的で創造的な人生を生きようと思ったら、まず「考え」から始まるんです。何を考えるか?どのように考えるか?そして、その考えに沿った行動を行う。
まず、人は考える、そして行う。
この行動が何回も何回も繰り返されていくと、その人の習慣になる。習慣っていうのは無意識で繰り返される行動のことをいうので、この習慣を見て周りの人とか社会は、「あの人はこういう人だ。」という人格を決めるんです。
例えば、時間の約束をしたとしますね。いつも約束の5分前に来て待ってる人っていうのは、繰り返される行動ですよね。
もしくは、いつも時間に遅れる人、いつもなんですね、それも行動の繰り返しなんです。
そうすると、約束の時間5分前にいつも来る人と、いつも時間に遅れる人をたったその行動の習慣だけで、周りの人は、「あの人はこういう人だ。」って、決めませんか?
例えば、いつも約束の5分前に来てる人、約束を通りに時間通りに来る人、もしあなたの周りにそういう人がいたら、あの人はどういう人だっていいますかね?
僕だったら、あの人は誠実な人だとか、あの人は真面目な人だとか、あの人は信頼できる人だって思うんじゃないでしょうか。
でも、もし時間をいつも遅れる人がいたら何て思います?「あの人は不誠実な人だ。」「あの人は信頼ができない人だ。」って思うじゃないですかね。これを「人格」っていうんだって。
どんなことを考えて、どのような行動をして、それをずっと繰り返すと、世の中で「あの人はこういう人だ」「この人はこういう人だ」っていう人格が決められて、それで人生が決まっていく、作られていくっていうのを、いろんな形で言われたり書かれたりする成功本がいっぱいあるんです。
これを知っていると、ここの考え方がどんなことを考えるかによって、これ全部変わってきそうな気がしますね。
例えば、悲観的にいつも物事を考える人の行動は?って言うと、試そうと思うのか、やめようと思うのかでいうと、僕は悲観的に考える人は、やめようという行動を取るんじゃないかなと思うんですね。
でも、楽観的に考えたり、肯定的に物事を捉えるっていうふうな考え方をすると、やってみようとか、チャレンジとか試すっていう行動を取るんじゃないかなって思うんですね。
この考えによって、これは大きく変わっていくんだろうって僕は思うようになりました。
そこで、質問なんですけど、人が物事を考えたりする時に自分で自分に質問してるらしいんです。自分に質問、これ呪文っていうんですけど、どれぐらい日常で質問してると思います?
自己質問の威力:1日7万回の思考操縦
諸説ありますけど、大体7万回ぐらい人って自分に質問しているらしいんです。
例えば、朝起きたら「何時かな?」みたいな質問しているんです。今日僕4時に起きたんです「4時か、どうしようかな?もう少し寝ようかな?起きようかな?」2回目質問しました。「起きようか、いやもういいか、今日は起きよう。」と思って起きてきました。「あれ?今日天気は晴れかな?雨かな?」みたいに考えるじゃないですか。「朝ご飯何食べようかな?」もう、瞬間に3つも4つも5つも質問しているんですね、人間って、これ7万回ぐらいやっているんです。
ってということは、この考えや思考の質が、行動・習慣・人格に直結するのであれば、簡単にいうと、上質な考え方や思考をすると、上質な行動になる。って思ったんですね。
でも、この思考や考え方の質を左右してるのが、実は「質問の質」なんです。質問ってすっごく強力なんですね。
質問の思考コントロール力:実例で体感
じゃあ、ちょっと僕、質問しますね。
Q.1ヶ月もし休みが取れるとしたら何をしたいですか?
って言ったら多分考えると思うんですよ。これを見てるあなたも考えてると思うし、僕は質問してるんですね、僕の中でも考えているんです。「1ヶ月休めるって、何しようかな?」ある人は旅に出る人もいれば、家を片付けるっていう人もいれば、瞑想に走るとか、山にこもるとか、色々あるけど、その1ヶ月何に使おうかな?って考えるはずなんですね。
じゃあ、こう聞いたらどうでしょう?
Q.最近、失敗して辛かったことは何ですか?
僕だったら、「あそこのゴルフでプレイしてて、あんな失敗しなければ○○で上がれたのに…」とか、思うんじゃないですか。きっと、何か失敗したことを考えると思うんですね。
じゃあ、こう聞いてみましょうか。
Q.あなたがとっても恵まれてると思うことは何ですか?
そうだな、恵まれてるね、世の中には大変な国もあって戦争したり、食べ物がなかったり、そういう国もあれば、日本は穏やかでこの国に生まれたっていうのは恵まれてるかもしれないし、まあ物価高くてお米ないとか言っても、とりあえず食うものには困ってないし…」とか。「最近、仕事をもらって大変だけど成長できると思えば恵まれてるかな。」みたいにね、多分考えると思うんですよ。
実は、質問って、相手に対してすごくコントロール性があるんです。質問されると人間っていうのは、もう否が応にもそのことについて考え出しちゃうんですよ、答えるかどうかは別ですよ、質問されると、バッてそこに意識が向くっていうか、思考が向くようになっているんですね。
ということは、質問をうまく使いこなせるようになると、実はマインドコントロールってできちゃう位、質問っていうのは相手の思考の方向性を決めたり、思考をコントロールするっていう強力な力があるんです。
僕たちプロコーチは、この質問の力っていうのを知っているんです。だから、余談ですけど、プロコーチとして名乗る国際コーチング連盟の倫理規定に従うっていったら、こういうスキルを悪用しちゃ駄目ですよとか、そういうことに使わないでくださいね、みたいなのはやっぱり書かれているんですよ。悪用できちゃうからなんですね。話戻ります。
上級者と初心者の決定的な違い
なぜ、質問がこんなに大事か?っていうのは、質問の質によって思考の質が変わるとこの上が全部変わるからなんです。じゃあ、コーチングの上級者とコーチングの初心者の質問で何が違うのかっていうのを、ちょっと考えていこうと思うんですけど。
日常、質問してますよね?これを見ている視聴者の方も、もしくはプロコーチになろうとしてる方も、日常会話の中に質問ありますよね?では、どんな質問を普段してるかな?って、ちょっと思い出して欲しいんですよ。
例えば、友人とかが、悩んでいて相談に来たとして、その友人に対して何か質問しますよね?その時どんな質問しているか?ちょっと思い出してもらいません?
「え、そうなんだ、それいつからそんなふうに悩んでるの?」とか、「ああ、そうか。でも、そもそも何で悩んだの?」みたいな質問をしていると思うんですね。これって、僕たちコーチングの世界でいうと、「for me」の質問なんですよ「for me」の反対の質問は「for you」なんですけど。
日常会話の質問っていうのは、自分のために質問していて、コーチングでは、相手のために質問するんです。「for me」の質問っていうのは、大体自分が知りたいことを質問をしているんですね。簡単にいうと、ヒアリングみたいなもんなんです。どんどん自分の情報を増やそうってするのです、人間って。
「どうしてなんだい?」「いつからなんだよ?」とか「具体的には何で問題だと思う?」「どうしてそういうふうになったと思う?」みたいにしてるんです。何で自分の情報を増やすんですかね?人が悩んでる時にヒアリングをするわけですよ、何で?とか、いつから?とかって。何で質問する側が情報を増やしたいか?なんです。
そこには、エゴが働いてるんですよ。エゴって、1つの意味として、自分の快楽や利益を優先するってことなんですね。
何でかっていうと、情報をいっぱい集めたらアドバイスしたり忠告できますよね。「こうした方がいいんじゃない?」「いや、こうなんじゃないの?」って。「~~だから、こうした方がいいよ。」ってなるじゃないですか。
そうすると、問題を抱えて悩んでる当事者に、情報を得て「~~した方がいいんじゃない?」ってアドバイスをしてあげると、アドバイスした人の何か満足感とか、自己効力感とか、承認欲求が満たされるみたいなあるんですよ。自分のエゴを満たしたいから、人から情報を集めるために結構質問しているんですね。
質問の割合:レベル別比較分析
まず、1つ何が違うかっていったら、コーチング上級者の人と初級者の人で、この割合が圧倒的に違うんです。
コーチング初級者の人って、結構コーチングをしてる時に「for me」の質問しているんですね。簡単に言うと、情報収集をしているんです。だから、クライアントさんにしてみると、現状を説明してる、事情を説明してる時間が結構長いんです。
でも、コーチング上級者ってこれほとんどないんですよ。なぜかっていうと、僕たちの中では「エゴを手放す」ていい方もするんだけど、自分の欲求・利益を満たすために、この時間を使わないんですね。あくまでもクライアントさんが、問題を解決したり、ゴールに向かうためにこの時間を使うってコミットしているんで、情報収集はいらないんです。
そうだなあ、僕の経験上、本当にコーチング習い立ての人は、上級者レベルの質問ではなくて、どうしてもエゴを満たすヒアリングの質問を日常でしているので、「for me」と「for you」50対50ぐらいかな。
申し訳ないけど、なんちゃってコーチって、「for me」7割してて、「for you」3割ぐらいです。
上級者コーチってはというと、「for me」がほとんど2割ぐらいで、8割から7割が「foryou」簡単に言うと、クライアントさんのための質問をしている。
何が違うかっていうと、「for me」は自分が知りたいことを聞いてる、foryouは相手が自ら気づくために質問してあげている。ていうのがまず大きく違います。
『割合が違う』っていうのが上級者のコーチの質問と初者のコーチの質問の違いの1つですね。
質問の順番
次に、順番が違うって言ったらいいのかな。
大きく分けて考えると、この「How」「What」ってあるんですけど、割とコーチング初級者の人って、いきなり「How」の質問よくするんですよ。
例えば、「いや、ここがね、うまくいかないんだけど…。」とか、「トラブってて…。」とか何でもいいです、クライアントさんが言ったとするじゃないですか。
そしたら、暫く聞いてから「じゃあ、どうすればうまくいくと思いますか?」って聞くんです。どうすれば?=これ「How」ですね、「どうすればうまくいく?」「どうすれば問題解決すると思いますか?」「どうすれば全進すると思いますか?」って、割と早い段階で聞くんですね。
だから、クライアントさん、「そうですね…。」って考えるけど、心の中の声がもし聞こえとしたら、こう言うと思います「それがわからないから困ってるんだ。」ってなるんですね。
でも、コーチングの上級者の質問っていうのは、この(for you)ための質問するんですね。
「How」と「What」の順番が違うんですよ。
コーチ側の頭の中考えると、初級者の人は、「どうすればこのクライアントさんの問題は解決するんだろうか?」って考えてるから、どうすれば~って聞いちゃうんです。
コーチング上級者の質問っていうのは、違う頭の中があるんです。何考えてるかって言うと、「この人は、どうなれば問題は違った形をしてくるだろうか?」とか「この人に何があれば前に進めるだろうか?」って考えているんですよ。
「どうすれば~」って考えていないんですね。
「どうなれば」=その人がどう変われば変化すればどうなるだろうか?何が増えれば、何が手に入ればその人は前進できるだろうか?っていうふうなことを考えているんです。
状態変化を促す質問技法:視野と緊張状態
僕、質問するからちょっと考えてくださいね。
物事の当事者っていますね。夢に向かって行動してるけどうまくいってないとか、進めていないていう人を想像してみてください。
Q.上手く物事が進んでいない人の視野は 狭い? 広い?
僕がコーチングしてきて、停滞している、留まっている、動けていない人っていうのは、視野が狭まるんですよ。っていうことは、「どうなれば?」って考えたら=「視野が広がれば」ってなりません?
そう考えて質問するってことは、「どうすれば?」って聞くのではなくて、「この視野が広くなるためには?」って考えるんですよ。そうやって質問を作っていくんです。
では、もう1つ。
Q.当事者は、緊張してるでしょうか?リラックスしているでしょうか?
問題を抱えてる人、なかなか進めない人っていうのは、割と緊張してる人が多いです。
っていうことは、緊張から安心とか、緊張からリラックスに移動できれば、人は違った物の見方や行動ができるんではないだろうか?って考えて質問をするですね。
だから、この人が現状はどうで、この人がどう変化すればこの人は自ら解決したり動けるようになるんだろうかっていうふうに考えるんです。
視点転換の技術:視点リストの活用法
「What」とでいうと、何があれば~っていうのがあるんですね、この代表的なのが、「視点」なんです。
例えば、問題を抱えてる人、うまくいってない人、進めてない人は、たくさんの視点を持って物事を見ているだろうか?それとも非常に少ない、もしくは、限定された視点で物事を見てるだろうか?って言ったら、どう思いますか?
多分、少ないとか、限定って思うんじゃないでしょうか。ってことは、視点が増えたら、視点が広がったら、別な視点で見えたら、この人は動けるようになるかもしれないですね。
っていうことは、どんな視点が増えたら、どんな視点に移動できたら、この人は変われるだろうか?と思って、僕たちは質問をしているんです。
この『視点のリスト』を僕たちは持ってるんですよ。往々にして、今クライアントさんはどの視点に限定されているっていうのが分かるんです。
そのリストの中から、どの視点に移動すれば、この人は問題を解決できるだろうか?って考えて、視点が移動するようなこの「for you」の質問をしてあげて、クライアントさんが「そうですね、その視点は見失ってましたね。」とか「確かに、それがあると進めそうな気がしますね!」って言って、自ら答えを見つけていくんですね。
これが、コーチング初者と上級者の結構大きな質問の違いになります
まとめ:質問リスト作成の重要性
僕が、ずっとコーチングの世界にいてどうしてきたかっていうと、夢に向かってる人や、いろいろな人が陥りがちな状況と、見失いがちな視点のリストを集めるようにしました。
そのリストの視点を使って「How」「What」「to be」で、どう変われば?という質問を作って、それを相手のためにしてあげると、クライアントさんは自ら思考を巡らして、それによって行動が行われていくっていうのが分かってきたんですね。
なので、コーチを目指してる方とかプロコーチになりたい人が見ていると思うんですが、上級者がする質問っていうのは、日常会話の質問とは全く違います。
エゴも手放してるので、ヒアリングもしてません、相手の情報収集もしない。なぜかっていうと、問題解決をして自分のエゴを満たそうとはしないからなんですね。
そうすると、「What」とか「to be」どうなれば?何があれば?クライエントさんは前に進むんだろう?っていう視点で質問をしています。
で、これも、瞬時に出てこないんですよ。なぜかっていうと、日常会話は(for me)が多いから。でも、コーチになった途端、(for you)に移動しなければいけないので、僕たちはその「有効な質問文」っていう「質問リスト」を作っています。
その中からピックアップするので限られた時間に効果的なコーチングカバセーションができるようになるんですね。
なので、見てるあなたも「視点のリスト」とか「質問文のリスト」を作るのをお勧めします。
これが、コーチング上級者とコーチング初級者の質問の大きな違いで、質問が違うとここ(思考・考え)が違うから、結果的にその人の人生が変わる。っていうことをお伝えしました。






















