プロコーチという職業の魅力7選 #66
―― プロコーチという職業の魅力はどういうところにあると思われますか?
谷口:いろんな魅力があるのですが、僕が感じてることや、周りのコーチが言っていることを少し紹介しようと思います。
僕のことを知っている人は僕のキャリアのことも多分知っていると思うんですけど、19歳でケーキ職人になって、そこからいろんな職業を転々として、たどり着いたのがプロコーチなんですね。それが43歳の時なんです。
それまでは自分の好きなことを職業にしてきたんですが、なんかちょっと足りないなというか、ちょっと違うなという思いを抱きながら、いろいろキャリアを積んでいって、43歳の時にプロコーチにたどり着いたんですが、もうほぼ20年近くやっているんですね。
ということは、この飽きっぽい僕が飽きないということですよ。
言葉を変えていえば、尽きることがない。興味や面白さや奥深さに尽きることがないので、飽きなくてこれからも一生続けていくんだろうなというのはすごく確信を持っているんですが、ではそれはなぜか?ということなんですけどね。
まず、仕事をしていてどういう時に幸福感を感じるかというと、よくいうのは、やりがいとか、充実感とか、満足感とか、そういういい方しますよね?
どんな仕事でも仕事が今日一日が終わったときに、「ああ、よかったなぁ。やりがいが感じられるなぁ。」と思える仕事はいい仕事だと思うんです。
#1 社会貢献というやりがい
谷口:コーチのやりがいってすごいと思うんですけど、一言で言ったら社会貢献です。どういうことかというと、例えがふさわしいかわからないけど、医療も社会貢献なんだけど、医療は治癒、病気の人を治す。今だと健康維持とかもあるんでしょうけど、コーチングの対象は成長と成果なんですね。
では、極端な例をあげますと、全ての企業にコーチがついて、全ての経営者にコーチがつくと、その企業が成果を出して成長するってことですよね?
すべての企業のすべての経営者にコーチがついたら、日本のGNPって上がりそうじゃないですか?
―― 確かに。
谷口:日本の納税、税金っていっぱい増えそうじゃない?
―― そうですよね。
谷口:そうすると教育だとか、開発だとかに還元されますよね?
では、個人にコーチがついたとします。これからキャリアチェンジをしたい、自分の強みや個性や自分の価値を活かして起業独立したいっていう人に全部コーチがついたら?
(コーチングの対象は)成果と成長なわけですよね。その起業家が成長し、その起業家が新しい価値を創造していったら世の中どんどん良くなりません?
そして、若者が俺も起業しよう、俺も夢を追いかけようって、若い人たちにどんどんどんどん活力があふれるようになるんじゃないかなと思う。
また、いろんなところでコーチングって活用されているんですね。例えば医療でも活用されています。お医者さんと看護師さんがコーチングを学んで、患者さんにコーチングカンバセーションをするわけですが、全員のお医者さんや看護師さんがコーチングができるようになったら、早く治るし、社会福祉料って減ると思いません?
―― そうですね。
谷口:国家予算の中ですごい金額なんですよ、社会福祉って。もしすべての介護士さんがコーチングを勉強して、おじいちゃんおばあちゃんをコーチングできるようになったら?おじいちゃんおばあちゃん、寝込んでいる人が成果と成長をして元気になったら、社会福祉料減りません?
学校の教育にコーチングを取り入れて、先生が全部コーチングをしたら、子供たちはすごく成果と成長をするわけですよね?日本ってすごくいい国になりそうな気がする。
これが世界で起きたらってことなんですが、ここがコーチングのやりがいだと僕はすごく思う。社会貢献なんですね。
クライアントの成果と成長、それが個人であり、チームであり、企業であれば、必ず世の中は良くなると思う。なのでそこにすごく魅力を感じてるんですね。
だから、僕もすごくコーチをしていて世の中の役に立っているなと時々感じるんです。これがすごく大きいですね。精神的な報酬って言ったらいいのかな、これはすごくある。
#2 活用の範囲が広い
谷口:あとはさっき、活用の範囲をいくつかご紹介したでしょう?
代表的なのがビジネスですね。僕たちは経営者のコーチをします。そうすると、経営がすごく安定したり成長したりするっていうのもあるし。
あとは、さっきいった起業家ですね。これから起業を起こす人。
おもしろいのが、今すごく世界に名前が知れてる、Apple、Google、Facebookとか、いろんなIT企業があるじゃないですか?あの企業の創業時の経営者にはビル・キャンベルっていうコーチがついてるんです。
あと範囲でいうと医療ですね。他に福祉、教育にも及ぶんです。簡単にいうと、そこに人がいる限りコーチングの活用の場所というのはいっぱいある。これもすごく魅力の一つです。
#3 小さく始められる
谷口:次に、これをビジネスとしていくと、その人のキャリアとかビジネスプランなんですが、よく起業で言われるのは「小さく始めて大きく伸ばす」ですが、コーチングの起業ってすごく小さくできるんですよ。
僕、前はケーキ屋さんや喫茶店とかをやりたかったんですね。では、そういうことを始める時、お店やりたいとか、美容院やりたいとかでもいいし、居酒屋やりたいでもいいし、最低いくらぐらい最初に資本かかると思う?
―― 最低500万とかですか?
谷口:それは最低の最低ですね。大体、保証金とか、備品とか、家賃とか、ちょっとした人件費とか入れると、1000万から2000万。用意に最低1000万はかかる。ということはマイナスから始める。
でもコーチってマイナスが無いんです。パソコンと、インターネットと、それこそ熱い情熱があればいい。だから最初の資本がいらないんです。ということはすごく小さく始められる。
あとはクライアントさんという、コーチングを受けて、成果と成長を手に入れたい人を、コツコツコツコツ作り上げていく。それで例えばスクールを立ち上げるとかできれば、会社を興すこともできるというので、そういった意味でいうと、小さな一人ずつにサービスをしていき、そこから今度はグループのコーチもできる。
例えば僕がやったもので言うと、営業支店丸々のコーチなんかができる。販売会社って支店とか事業所がいっぱいありますよね?例えば車売ってます、横浜~~店です、とかいうと、そのお店のコーチができるんです。
だから一人から始まって、そういったチームにもコーチができるようになりますし、会社では様々なプロジェクトが立ち上がるでしょ?そのプロジェクトの成功を支援するコーチもできる。だから一人からチームになっていって、チームコーチになることもできるし。
あとは、最初はパーソナルコーチなんですが、成果と成長を促していくコーチングの経験を積んでいきますよね?そうすると、セミナー講師とか、研修講師ができるようになるんです。そうすると、今度はそれで企業を相手に自分の研修というサービスと売るようになったりできるんですね。
あと、今僕がやっているように、その内容を今オンラインビジネスっていっぱいあるじゃないですか。
オンライン教材みたいなもの。なので、オンラインの教材の開発なんかもできるようになる。
だから、小さく始めてリスクがすごく少ない、借金しないから。そして真面目にやっていくと、コツコツ広げられるっていうのもすごい魅力だと思います。
#4 定年がない
谷口:あとはね、僕今62歳になるんですけど、普通の企業で言ったら62って言ったら「もう谷口さんそろそろ席開けてください、後ろ詰まってますから。」みたいに言われる歳じゃない?
でも「いやいや収入無いと困るから、会社にまだいさせてください。」って言うと、「仕方がないな、じゃあこの辺の席に座ってて邪魔しないように、週に5日来てもらえればいいですよ。」といって、1/4とか、すごい少ない給料で、プライドもなくしがみついている人生もあれば、僕なんか今どんどん全盛期ですよね。日々自己ベスト更新みたいな感じ。
あと、人生100年時代って言われていて、昔の考え方でいうと、20代で会社に就職し、会社に自分の人生を捧げて、60歳で定年っていうと、働いても40年弱。そこからが晩年って言われるんですけど、今晩年って長いですよね?100歳まで生きたら40年何もやることがないってつらくないですか?
―― つらいですね・・・。
谷口:つらいよね?みんなね、早く定年迎えて悠々自適っていうんだけど、悠々自適っていうのは心身ともに充実してるからなんです。
ということは仕事やっていた方がいいですよね。みんな仕事辞めたいっていうけど、仕事ないとつらいよ、40年。
でもコーチって多分死ぬまでできる。味がどんどん出てきて、経験も積んできて、思慮深くなるし、穏やかになるし、心が深くなっていくので、そういう面で言うと、定年がないっていうのと、キャリアを積めば積むほどいいコーチになっていく。
だから多分僕は死ぬまでコーチしてて、「いよいよご臨終です。」という直前に家族に質問して死ねたら、「おじいちゃんコーチングして死んだよ!」って言われるかもしれないねっていうぐらい(笑)そんなのも魅力の一つです。
#5 収入に限界がない
谷口:あとは年収かな。年収というか売り上げは、似たような職業でカウンセリングとかがあるんですが、どうしても限界値があるんですね、カウンセリングって。
でもコーチングって、誰の何をコーチするかによって収入が青天井になる。
例えば、ゴルフのトッププレーヤーがちょっとスランプになって「何とかもう一度表舞台でトップランカーたちと戦いたいんですよ、谷口さん!」と言ってきて、「じゃあ僕がコーチしましょう!」となって、もしその夢が叶ったら、その世界のゴルフのトップランカーは僕にいくら払うかな?
―― 数千万かな?
谷口:億単位で多分払う。だってプライベートジェット持ってて、豪邸持ってて、でも心の中にモヤモヤがあるわけですよ。このまま終わりたくないみたいな。
ではハリウッドスターが、表向きは華やかでセレブだけど、心の中で何か違う、もっと自分はこうしたい、最近オファーがない。「谷口さん、もう一度僕はあの映画界の銀幕の前に立ってこんな演技をしたいんだよ」っていう夢を僕がコーチして叶ったら、たぶん何億も払うと思う。
世の中にはそういう人はいっぱいいるんですよ。っていうことは、誰の何。僕が昔聞いたのは、アメリカにアンソニー・ロビンスという有名なナンバーワンコーチがいて、その人に一年間コーチしてもらうと、もうそれこそ15年位前の話ですが、3億円だそうです。最低で。
それが僕たちの30万円くらいの感覚の人って世の中にいっぱいるんですよ。お金じゃないっていう人がいるんですね。
ということは、さっき言ったように、少しずつ何千円からでもいいですけど始めて、あきらめずにどんどん自分のサービスを高め、クライアントが上がっていけば、限界がないってことです。
実際僕の知っている人で、最初3000円である人をコーチしました。その人は夢を持って起業したかった人です。でもまだ全然食えない、貧しいし。でもその人のコーチをずっとしていて、成功して、企業として軌道に乗った時の月のコーチング料は40万円まで上がった。最初数千円。同じ人ですよ。っていうくらい。これは収入の魅力ですね。
#6 自由な環境でできる
谷口:あとはね、自由な環境かな。今リモートって言われるようになったけど、僕20年前に夢を描いていて、海外で世界中の人をコーチするって言ってたんです。将来はどこからでも誰とでも繋がれるようになると思うって言ってたんですよ。そうなったもんね今ね、一気に。
ということは、コーチングはハワイでもできるし、マレーシアでもできるし、ヨーロッパでもできるし、場所を選ばなくなったっということですね。こんなのも魅力の一つ。
#7 市場規模がまだまだ広がる
谷口:あとは市場規模。ある調査だと、アメリカのコーチングの市場規模は日本の何十倍もあります、みたいなのあるんですが、市場規模が少なくなってるものがあるじゃないですか。それとどんどん広がっていく世界がありますよね。
コーチングの世界は市場規模がまだどんどん広がる業界なので、その辺も魅力かな。コーチングの魅力を語りだしたら僕3日くらいしゃべれますよ(笑)まあざっとこんなとこだと思います。