【もしトラ 第10話】順風満帆だった新人コーチが、ソファーで泣いた夜|初回セッションで起きたこと

最終更新日:2026年2月12日

もし駆け出しの英語コーチが谷口貴彦の「虎プロ」を活用したら

第10話:みゆは「壁」にぶつかった

こんばんは。
コーチ・セブンピース事務局の若松です。

前回の第9話では、
みゆが社内の10分スピーチで
先輩コーチたちを唸らせた話をお伝えしました。

「半年でチームリーダーになる」と宣言し、
順風満帆に見えたみゆ。

でも今回は、少し違う話になります。

リビングの明かりが消えたままでした…

ある夜、仕事を終えてリビングに行くと、
明かりもつけずに、
みゆがソファーの隅で小さくなっていました。

いつもなら「今日こんなことがあったよ!」と
話しかけてくるのに、声をかけても無反応…。

完全に「しくしくモード (_ _).。o○」でした。

仕事はうまくいっている。
新しいクライアントさんも増えている。
先輩や会社からの評価も上がっている。

それなのに、何があったんだろう?

婚約者のたけちゃんと喧嘩でもしたのかな?

そう思いながら、いつもより輪をかけて優しい言葉で、
みゆに話しかけてみました。

そうしたところ───

みゆが、ぽつりぽつりと話し始めました。

すべてが狂い始めた 20時40分

その日のセッションは、夜の20時スタート。
みゆにとって、その日最後の枠でした。

これまでのクライアントさんと同じように、
その回もしっかり準備をして臨んでいました。

事前に新しいクライアントさんが担当営業との
契約時の約一時間の動画を見て、

どんな話題を持ちかけるか、どんな質問をするか、
どんな性格の人だろうかということも想定しながら、

色々と初回セッションの作戦を練っていました。

「よし!準備万端だ!」

そのはずでした。ところが…。

その新しいクライアントさんが、
セッションに40分遅れてきたのです。

普通であれば、リスケ(日程変更)する場面です。
でも、みゆはそうしませんでした。

初回のセッション。

それに、ここで日程がずれると、
その後のスケジュールがすべてずれてしまう…。

「交通事故で、時間に遅れます」

「事故?」と少しびっくりはしたものの、
遅れるという連絡はくれていた。

だから、待つことにしました。

でも、40分遅れて始まった時点で、
せっかく準備していたセッションの計画は、
少しずつくるい始めていました。

20時40分。

焦りの中、セッションが始まりました。

「全然わからないんですけど」というきつい言葉

初回セッションでは、
英語学習の進め方やコーチとしての関わり方など、

英語コーチングについて、
会社から用意された台本をもとに、
丁寧に説明する必要があります。

みゆが一つひとつ説明していくと、
そのクライアントさんはこう返してきました。

「それってこういう認識で合ってますか?」
「全然わからないんですけど」

その言い方が、少しきつかった。

いえ、正確には、
みゆにはその言葉がきつく感じられたのです。

みゆ:
「一生懸命、自分なりに説明したつもりだったの。

 でも、『全然わからないんですけど』って
 結構強い言い方で返されて。

 その瞬間、頭の中が真っ白になったの。

 私の説明の仕方が悪いんだ。
 私の知識が足りないんだ。
 私のコーチとしての力量がないんだって。

 全部、自分への否定として
 受け取ってしまったんだよね」

そう、みゆは、クライアントからの言葉を

「質問」や「確認」としてではなく、
「攻撃」として受け取ってしまったのです。

なぜ、そのように受け取ってしまったんだろう…
その理由をみゆが続けて話してくれました。

みゆ:
「自分の中に確固たる自信があれば、
 あんなに攻撃的だとは感じなかったと思う。

 でも、英語コーチとして働いて2カ月も経ってないから、
 
 これまでも、自分の英語の知識も経験も足りてないのを
 なんとか隠そうとしてた部分があったんだよね。

 それを見透かされたんじゃないかって思ったら、
 急に怖くなったんだと思う」

そんな正直な気持ちを打ち明けてくれました。

「コーチ」として聞けず、「私」として傷ついた

そして、セッションの終盤、
クライアントはこう言ったそうです。

「オブラートに包まれてもわからないので、
 悪いところは、ちゃんと指摘してほしい」

「根拠もなく褒めるのはやめてほしい」

今、冷静に文字だけを読めば、

これがクライアントの素直な要望であることは
わかるかもしれない。

言葉を飾らず、
素直に発言するタイプの人なんだということも
冷静になればわかる。

でも、そのクライアントさんとは初回のセッション。
いつもと違い、40分遅れのスタート。

いつもとの違い。
さらには、この2カ月間、どこか気負いながら、
コーチ然として在らなければならないという思いが、

実は、いっぱいいっぱいだったみゆにとって、

それを「素直なフィードバック」として
受け止める余裕がなかったのです。

みゆ:
「コーチとしての目線で聞けていれば、
 『初回でここまで言ってくれるなんて、
 すごくありがたいことだな』って思えたと思う。

 でもセッションの時の私は、
 コーチとしてじゃなくて、
 【私】という人間として聞いてしまったんだよね。

 だから、何だか私が否定されているような、
 そんな感情が湧いてきて、
 
 『私が何か悪いことをしたのかな』って、
 どんどんネガティブに引きずられていったんだと思う」

これを聞いて、
私は谷口コーチのある言葉を思い出しました。

“コーチとしての「在り方」が
 プレゼンスになる。
 
 プレゼンスが確立していれば、
 クライアントの前でぶれない”

みゆ:
「コーチとしてちゃんと鎧を被って、
 プレゼンスを意識していれば、
 あんなに真に受けなかったと思う。

 でも、焦りや気負いから、
 その鎧を被る余裕すらなかったんだよね」

みゆは、谷口コーチのこの言葉の意味を
頭では完璧に理解していました。

97時間分の動画を見て、理論は知っていた。

でも、「知っている」ことと
「(いつも)現場でできる」ことは、
まったく別物だった。

新しいクライアントがどんどん増えることで、
新しい出会いと、その人の成長に関われることが、
心からうれしい半面、
気付かないうちに積み重なっていたプレッシャー。

まだ経験も知識も足りないという自覚。
それを隠さなきゃという焦り。

そこに、40分のクライアントの遅刻。

みゆの表情からは、

コーチとして毅然とリスケするべきだったのか、
このまま何食わぬ顔でセッションを始めて
舐められないだろうか、

そんな葛藤が読み取れました。

そんな思いを整理できないまま始まったセッション。
そこに、予想外の強い言葉が重なった。

みゆは初めて、
コーチとしての「壁」にぶつかったのです。

今回のケース。あなたならどんな対応をする?

私も話を聞きながら、難しいなぁ…
と思っていました。

初回セッションにクライアントが遅刻。
少しきついと感じられる言葉遣い。

そのようなケースで、あなたならどんな対応をされますか?

私は、「そうかぁ難しいね」と、
話を聞いてあげることしかできませんでした…。orz

でも、もしかしたら、
このメルマガを読んでくださっている方の中には、
同じような経験を乗り越えた方がいるかもしれない。

もし良い方法をご存知でしたら、
ぜひ振り返ってみてください。

次回予告:みゆは「壁」を乗り越えた

沈み込んでいたみゆですが、
この出来事のあと、
あることをきっかけに視点がかわり始めます。

そして今では、
あの夜のクライアントのことを

「毎週のセッションが楽しみ!」

と言えるまでになっています。

何がきっかけで、そこまで、
180度も変わったのでしょうか?

あまりの立ち直りの速さに、
もしトラのネタとしては、もう少し苦しんでよ…
と思ったかどうかは置いておいて、

さっさと立ち直って、また「コーチング最高!」と言ってる
みゆにそのきっかけを聞いてきました。

次回、その答えをお伝えします。

お楽しみに!

「もしトラ」バックナンバー

今回の第10話から読み始めた方へ。

「もしトラ」は、駆け出しの英語コーチ・みゆ(23歳)が、
谷口貴彦コーチの「虎プロ」メソッドを活用して
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